BtoB企業の成長を左右するブランディング戦略と成功事例

BtoB企業では、これまで以下のような理由からブランディングが後回しにされる傾向がありました。

  • 特定の顧客との取引が中心のため必要性を感じにくい
  • 製品や技術力そのものが評価されるという認識がある

しかし近年では、市場環境の変化や競争の激化により、こうした前提は通用しにくくなりつつあります。その結果、BtoB企業において注目されているのがブランディングです。

本記事では、BtoB企業の成長を左右するブランディングの重要性や進め方、成功事例をわかりやすく解説します。

ブランディングとは?

ブランディングとは、企業や商品・サービスの独自の価値を顧客に伝え、その認識を広げるための戦略と活動です。

ブランディングが機能すると、社名や製品名、ロゴの認知が広がり、「この分野ならこの会社」と自然に思い浮かべてもらえるようになります。すると、顧客は比較検討の段階からそのブランドを選択肢に入れやすくなり、結果として選ばれる可能性が高まります。

このようにブランディングは、顧客の意思決定や継続的な関係性にまで影響を与える重要なマーケティング施策です。

BtoB企業におけるブランディングの重要性

BtoB企業においてブランディングの重要性が高まっている背景には、2つの理由があります。

市場・競争環境の変化

これまでBtoB企業では、ブランディングは必ずしも重視されてきませんでした。長期的な取引関係や営業活動、製品・技術力そのものが重要と考えられてきたためです。

しかし近年は、パンデミックや地政学リスクの高まりにより市場の先行きが不透明になり、さらに市場の成熟や人材不足といった構造的な課題も重なっています。その結果、次のように従来の前提は通用しにくくなっています。

  • 既存顧客との長期契約が終了する可能性がある
  • 従来の営業手法では新規顧客を獲得しにくい
  • 製品や技術力だけでは差別化が難しい

例えば、既存顧客との契約が終了した場合、新たな顧客を開拓しなければなりません。その際、あらかじめブランディングを進めていることで、見込み顧客の獲得や商談化をスムーズに進められる可能性があります。

つまりブランディングは、不確実な市場環境において新規顧客の獲得と売上拡大に役立ちます。

BtoBの購買プロセスの変化

ワンマーケティング株式会社の調査によると、購買担当者の85%は営業担当者と初めて面談する前に候補を絞り込んでいる実態が明らかになりました。つまりBtoB営業においては、「商談の前に自社商品やサービスが候補に入っているかどうか」が結果を左右します。

そこで重要なのはブランディングです。あらかじめ認知を広げ、信頼を築いておくことで、自然に候補に入りやすくなるためです。その結果、商談機会が増え、最終的に選ばれる可能性も高まります。

参考:PR TIMES「企業の購買行動、営業面談前に85%が候補を選定。高額取引ほどプロセスは複雑化・長期化 — ワンマーケティングが「BtoB購買プロセス白書2025」を発表 —

BtoBブランディングがもたらす効果

BtoB企業がブランディングに取り組むことで、次のような効果が期待できます。

  • 信頼の獲得による商談化率の向上

企業に対する安心感や実績への評価が高まることで、商談化しやすくなります。

  • 指名検索や問い合わせの増加

認知の拡大によって想起される機会が増え、指名検索や問い合わせが増加します。

  • 価格競争に巻き込まれにくくなる

独自の価値が伝わることで単純比較がされにくくなり、価格以外の要素でも選ばれるようになります。

  • 採用コストの削減

企業のブランドイメージに共感する人材が集まりやすくなり、ミスマッチが減ることで採用コストの削減につながります。

これらの効果により、リード獲得から商談、受注、さらには採用に至るまで、企業活動全体を底上げできます。

BtoBブランディングの進め方

BtoBブランディングで成果を上げるためには、段階的に進めることが重要です。一般的な進め方は以下のとおりです。

ターゲット顧客と目的の明確化

まずは、ターゲット顧客を明確にします。業界や企業規模に加え、意思決定に関わる担当者の役割や関心ごとまで具体的に検討します。あわせて、ブランディングの目的を明確化することも重要です。例えば、認知向上やリード獲得、商談化率の向上、採用強化などです。

ブランドアイデンティティの言語化

次に、自社が「どのように認識されたいか」というブランドアイデンティティを言語化します。具体的には、以下の視点から検討します。

  • 自社の強み
  • 競合との違い
  • 顧客に提供できる価値

これらを言語化することで、社内の認識が統一され、あらゆる顧客接点で一貫したブランドメッセージを届けられます。

ブランディング施策の検討・実施

ブランドアイデンティティに基づき、具体的な施策へと落とし込みます。Webサイトやコンテンツマーケティング、広告、営業資料、展示会など、顧客との接点全体で一貫したブランド体験を提供することが重要です。

効果測定と改善

施策の実行後は、指名検索数や問い合わせ数、商談化率、受注率などの指標をもとに効果を検証します。結果を踏まえて施策を継続的に改善し、ブランディングの精度を高めていきます。

BtoBブランディングの成功事例

BtoBブランディングを強化したことで成功した企業は多数あります。その中から、代表的な2社を成功事例として紹介します。

株式会社ラクス:楽楽精算

出典:株式会社ラクス

株式会社ラクスは、クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を展開しており、これまでに20,000社以上に導入されています。

その成長を支えた要因の一つは、ブランディングの強化です。テレビCMなどのマスメディア広告を積極的に展開し、ブランドイメージの浸透に成功しました。実際に2022年には、「楽楽精算」「楽楽明細」のテレビCMが「BRAND OF THE YEAR 2022」において特別賞を受賞しています。こうした取り組みにより、導入社数の拡大につながっています。

参考:株式会社ラクス「プレスリリース

株式会社小松製作所:コマツブランド

出典:株式会社小松製作所

株式会社小松製作所は、建設・鉱山機械・産業機械を中心に展開し、グローバルで高いシェアを持つBtoB企業です。

その成長を支えているのは、同社が推進する「ブランドマネジメント」です。製品の販売に加えて、導入後のメンテナンスや省力化・無人化といったソリューションを提供し、顧客の施工全体の最適化を支援しています。顧客にとって不可欠な存在となることで、継続的に選ばれるブランドを確立しています。

さらに、地雷除去活動などを通じて企業の社会的価値を発信している点も特徴です。これらの取り組みにより、「コマツブランド」のグローバルでの認知と信頼を高め、事業成長や人材獲得につながっています。

BtoBブランディングに取り組もう

従来のBtoB企業では、営業力や製品力が重要視される傾向がありました。しかし、市場環境や購買プロセスの変化により、従来の手法が通用しにくくなっています。こうした中で重要性が高まっているのは、顧客に選ばれるためのブランディングです。比較検討段階で想起される状態をつくることで、商談化率や受注率の向上につながります。

事業成長に課題を感じているBtoB企業様は、この機会にブランディングに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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