
新規事業を立ち上げる際、自社だけで進めるべきか、それともコンサル会社を活用すべきかは判断に迷いやすいポイントです。特に、前例のない領域への挑戦や限られたリソースの中での推進では、判断が一層難しくなります。
そこで本記事では、新規事業が失敗しやすい背景や外部支援が有効な理由、コンサル会社を活用すべきタイミングについて解説します。
新規事業が失敗しやすい背景
新規事業の立ち上げには、新たな収益源の創出や事業拡大、リスク分散といったメリットがあります。そのため、多くの企業が新規事業に挑戦しています。しかし現実には、その成功率は決して高いとは言えません。
経済産業省が2017年に公表した調査結果によると、新規事業で「成功した」と回答した割合は28.6%でした。つまり、約7割の企業が新規事業で成果を出せていないのが実情です。これほどまでに新規事業が失敗しやすい背景には、主に4つの原因があります。
参考:経済産業省 中小企業庁「新事業展開の成否の実態」
市場・顧客ニーズを正しく把握できていない
新規事業が失敗する原因の一つは、市場や顧客ニーズの誤認です。社内の発想や技術を起点に事業を進めてしまうことで、実際の顧客ニーズとズレが生じるケースは少なくありません。
例えば、社内アイデアをもとに開発したサービスが顧客ニーズと合致せず、ほとんど売れないといったケースです。また、高性能な製品を開発したものの、価格が市場に受け入れられず、導入につながらないといったケースも典型例です。
このように、市場や顧客の実態を十分に調査しないまま進めてしまうと、失敗するリスクが高まります。
リソースが不足している
新規事業が失敗する原因の一つは、リソース不足です。例えば、担当者が既存事業と兼務していることで新規事業に十分な時間を割けず、検証や実行が後回しになってしまうケースです。また、専門人材の不足により開発やマーケティングの精度が上がらないケースや、予算不足によって必要な施策を実行できないケースも見られます。
このようなリソース不足は、プロジェクトの停滞を招き、新規事業が失敗するリスクを高めます。
意思決定に時間がかかりすぎる
新規事業が失敗する原因の一つは、意思決定の遅さです。新規事業の推進では、複数部門との調整や承認プロセスに時間がかかることで、スピード感のある事業推進が難しくなります。
例えば、新サービスの方向性を決める際に関係部署との調整が長期化し、意思決定が数カ月単位で遅れてしまうケースです。このように意思決定が遅れると、その間に市場環境や競合状況が変化することもあります。その結果、参入のタイミングを逃し、新規事業の成功確率が下がります。
成功までの道筋が描けていない
新規事業が失敗する原因の一つは、成功までの道筋が明確になっていないことです。
具体的には、事業戦略や収益モデルを十分に設計せずに進めるケースです。例えば、収益モデルが不明確な状態で新規事業を立ち上げると、売上が伸びると同時にコストも増大し、赤字が拡大するケースがあります。
このように成功までの道筋が描けていない状態では、事業の評価基準や改善の方向性が定まりません。その結果、想定と実態の乖離を修正できないまま進行し、失敗するリスクが高まります。
コンサル会社による外部支援が有効な理由

新規事業の推進において、コンサル会社による外部支援の活用は有効な選択肢です。第三者の視点や専門的な知見を取り入れることで、事業の成功確率を高められるためです。
特に前章で紹介したような新規事業の失敗要因は、外部支援によって改善できるケースが多くあります。ここでは、それぞれの課題に対してコンサル会社の活用がどのように機能するのかを解説します。
市場・顧客ニーズの検証を支援できる
コンサル会社は、市場調査や顧客分析に関する専門的な知見やノウハウを有しています。社内の発想に偏りがちな新規事業に対して、これらのスキルを生かすことで市場や顧客ニーズとのズレを早期に是正することが可能です。
例えば、アンケートやインタビューなどの定性・定量調査を通じて、「本当に解決すべき課題は何か」を明確にできます。このようにコンサル会社を活用することで、需要のないサービスを開発・推進してしまうリスクを低減できます。
限られたリソースを補完できる
コンサル会社は、経験豊富な専門人材や業界ネットワークを有しており、新規事業におけるリソース不足を補完する役割を担います。自社だけで推進する場合に生じやすいリソース不足をカバーできるのが、コンサル会社を活用する利点です。その結果、限られたリソースでも新規事業を推進できる体制を構築できます。
意思決定のスピードを高められる
コンサル会社を活用することで、各種調査やフレームワークを用いた分析により、意思決定の迅速化が可能です。また、外部の第三者が関与することで議論に客観性が加わり、社内の意思決定プロセスが進みやすくなります。さらに、実際の顧客データや市場調査結果といった明確な判断材料があれば、意思決定を後押しできます。そして、その前提となる市場調査や分析を高い精度で行えるのが、専門知識やノウハウを持つコンサル会社です。
成功までの道筋を一緒に描ける
コンサル会社を活用する利点は豊富な経験や知見を生かし、新規事業の成功までの道筋を設計できる点です。具体的には、事業計画や目標を明確化し、進捗の可視化や実態との乖離が生じた際の軌道修正を支援します。その結果、事業の方向性がぶれにくくなり、迷走を防ぎながら着実にプロジェクトを推進できます。
コンサル会社を活用するタイミング

新規事業においてコンサル会社を活用する際に迷いやすいポイントの一つが、「どのタイミングで依頼すべきか」です。基本的には、新規事業の重要な意思決定が必要な場面や、プロジェクトが停滞しやすい局面での依頼が効果的です。具体的には、次の3つのタイミングが目安となります。
① プロジェクト立ち上げの初期段階
アイデアの創出やターゲットの選定、コンセプトの決定など、新規事業の成否を左右する重要な意思決定が続くタイミングです。
② 市場調査やビジネスモデル構築の段階
市場や顧客の実態を正確に把握し、事業として成立するかを見極める重要なフェーズです。コンサル会社の持つ調査ノウハウやネットワークが役立ちます。
③ 業務プロセスの改善を検討するタイミング
既存の進め方に課題があり、効率化や改善を図る必要があるフェーズです。外部の専門的な視点を取り入れることで、事業の推進力を高めます。
このように、コンサル会社はプロジェクトの立ち上げから成長・改善までの各フェーズで活用できます。
まとめ
新規事業は成長機会を創出できる一方で、多くの企業が十分な成果を上げられていないのが現実です。こうした課題に対して、コンサル会社の活用は有効な選択肢です。
市場調査やアイデア創出、仮説検証、ビジネスモデルの構築など、事業の初期設計から実行フェーズまで幅広い領域で支援を受けられます。自社だけで抱え込まず、適切なタイミングで外部支援を取り入れることが、新規事業を成功へ導く秘訣と言えるでしょう。
セルウェルでは、新規事業に関する幅広い課題に対応する「新規事業支援サービス medeteru」を提供しています。アイデア創出やリソース不足、経営と現場の認識ギャップなど、新規事業に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。



