競争の激化や人口減少の影響により、新規顧客の獲得だけに依存する戦略では、事業の成長が難しくなっています。そこで注目されているのがLTV(顧客生涯価値)分析です。LTVとは、一人の顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益のことです。

本記事ではLTV分析の意味や計算方法、メリット、LTVを高める方法5選を解説します。 

LTV分析とは

LTV分析とは、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益を算出し、マーケティングや経営戦略に生かす手法です。数値が高いほど、収益性も高い事業であることを示します。そのためLTV分析を行い、LTVを高めることは、収益の最大化につながります。

LTV分析が注目される背景

ビジネス環境が変化する中、LTV分析の重要性は高まっています。その主な背景は、「新規顧客の獲得コストの増大」と「サブスクリプション型サービスの普及」です。ここでは、2つの背景について詳しく解説します。

新規顧客の獲得コストの増大

競争の激化や人口減少の影響により、近年は新規顧客の獲得にかかるコストが上昇しています。例えば、競争が激化することでデジタル広告費は高騰し、以前と同じ費用で同じ効果を得ることが難しくなりました。そこで、既存顧客との関係を深め、一人の顧客から得られる利益を最大化することが重要視されています。

サブスクリプション型サービスの普及

動画や音楽のストリーミングサービス、クラウドソフトなどのサブスクリプション型サービスは、課金方式の一つとして定着しています。こうしたビジネスモデルにおいて、特に重視されているのがLTVです。継続利用の期間が長いほど、また上位プランへの移行率が高いほどにLTVが高くなるためです。そのため、サブスクリプション型サービスではLTVが重要な経営指標とされ、サービスの普及に伴ってLTV分析の重要性も高まっています。

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LTVの計算方法

LTVの計算方法は複数あります。ビジネスによって利用できるデータは異なりますが、複数の方法があることで自社に適したLTVを算出することが可能です。ここでは代表的な3つの計算方法と、それぞれに向いているビジネスモデルを紹介します。

年間取引額×収益率×継続年数

一定期間の顧客の購入履歴がある場合に有効な計算方法です。顧客一人ひとりのLTVを正確に把握できるため、個別のマーケティング施策やアプローチ方法の改善に役立ちます。特に、顧客ごとにパーソナライズされた商品やサービスを提供するビジネスモデルに向いています。

平均購入単価×平均購入回数×収益率

顧客全体の一定期間の平均購入金額と平均購入回数を基にLTVを算出する方法です。全体のLTVを把握することで、顧客の購買傾向の理解に役立ちます。ただし、個々の顧客の購買行動や継続期間は考慮されないため、顧客ごとの細かい分析には向きません。ECサイトのような、リピート購入や購入単価の増加が重要なビジネスモデルで効果を発揮します。

(売上高-売上原価)÷購入者数

売上とコストに着目してLTVを算出する方法です。費用対効果の評価や見直しに向いています。ただし、単発の顧客や継続期間の短い顧客が多い場合、低めの数値が算出される可能性があります。そのため、適切な対象期間の設定が必要です。

LTV分析で得られるメリット

LTV分析には、主に次の3つのメリットがあります。

メリット① 収益の最大化

LTV分析により、どの顧客が最も収益に貢献しているかを把握できます。これにより、リピート購入やクロスセル・アップセルの施策を効率的に行えるため、売上の最大化につながります。

クロスセル・アップセルの詳細については、「クロスセルとアップセルとは?定義や違いをわかりやすく解説[崇青3] 」の記事をご参照ください。

メリット② コスト削減

LTVを高める取り組みは、既存顧客への施策を強化しつつ、新規顧客獲得にかかる過剰なコストを抑えることにつながります。その結果、全体のコスト削減を期待できるのがメリットです。

メリット③ 自社の利益構造の把握

LTV分析を活用すれば、顧客単位だけでなく、サービスや事業ごとのLTVが明確になります。これにより、自社がどのような利益構造で成り立っているのかを具体的に把握できます。例えば、低単価の商品を高頻度で販売するモデルなのか、高単価の商品を低頻度で販売するモデルなのかといった具合です。自社の利益構造を把握することは、それぞれのビジネスモデルに適した戦略を立案するのに役立ちます。

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LTVを高める方法5選

LTVを高めるには、既存顧客との関係性を深め、長く利用してもらう仕組みづくりが不可欠です。ここでは5つの方法を紹介します。

方法① 顧客ロイヤリティを高める

顧客ロイヤリティとは、特定の企業やブランドに対する愛着や信頼を指します。顧客が「また利用したい」と感じるためには、この顧客ロイヤリティを高めることが重要です。具体的な方法は次のとおりです。

こうした取り組みにより、顧客のリピート購入やファン化が促進され、LTVの増加も期待できます。

方法② 平均購入単価を上げる

1回あたりの購入金額が増えるほど、LTVも増加します。ただし、単純な値上げでは顧客離れのリスクがあるため、顧客に「支払う価値がある」と納得してもらう工夫が必要です。具体的な方法は次のとおりです。

このようにして、顧客に満足してもらいながら平均購入単価を引き上げることができれば、長期的な利益の向上につながります。

方法③ 購入回数を増やす

LTVは購入回数に比例して増えます。そのため、購入単価を上げるのが困難なビジネスモデルでも、リピート率を高めることが重要です。具体的な方法は次のとおりです。

購入回数を増やすことで、顧客との接点が増え、顧客ロイヤリティの向上も期待できます。

方法④ 継続期間を延ばす

顧客ができるだけ長く商品やサービスを利用してくれることは、LTVの増加につながります。そのためには、解約や離脱を防ぐ対策が求められます。具体的な方法は次のとおりです。

こうした取り組みを行うことで、顧客は安心して商品やサービスを継続利用できます。

方法⑤ 利益率を上げる

LTVを高めるには、利益率の改善も重要なポイントです。具体的な方法は次のとおりです。

利益率の向上は、事業の持続性の強化にも貢献します。

LTV分析で収益の最大化を目指そう

LTVは、新規顧客の獲得コストの上昇やサブスクリプション型サービスの普及に伴い、その重要性はますます高まっています。収益の最大化や事業の成長を目指す経営者様は、この機会にLTV分析に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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