調査を行う基本ステップについて

 現在どの企業様も、競合調査や市場調査、自社分析など様々な場面で調査を行っています。また、現在はWithコロナということもあり、市場や顧客動向、競合の対応も日々変化し続ける時代となっています。そのため、ますますこうした調査の重要性は高くなってきています。

 しかし、調査を行いたいけれども、何から手を付けたらよいのか分からない、調査しないといけないことはわかっていても、なんだか手順が漠然としているといった担当者様も多くいらっしゃいます。

 今回は、そんな企業様に向けて、調査を効率よく行う基本ステップについてお伝えしていきたいと思います。

初めての調査前に陥りやすい悩み

 初めての調査では、何から手を付けたら良いかわからない、調査内容が明確にしきれていないというお悩みをもつ企業様が結構いらっしゃることは冒頭でもお伝えしました。

 調査を行うにあたって、1.ゴールの設定、2.現状分析、3.そのギャップを埋めるためにどうしたらよいか、というプロセスで、調査を行うことは非常に大事です。

 しかし、このプロセスを念頭に調査を行うことが分かっていない場合が多いため、ゴールまでに何が足りていないのか、調査内容が明確になっていないといったケースがよくあるのです。

 こうした問題を解決するために、調査において行うべき基本ステップと、調査の内容の決め方となどを以下に説明します。

調査の基本ステップ

ゴール設定

 最初に考えなければならないポイントが、ゴール設定をすることです。どんな調査結果があれば、課題の解決に繋がり、ゴール(成功)に導くことができるのかという順序で考えていくことによって、調査内容を効率的に明確にしていくことができます。そのため、初めに目標であるゴールを決めておくことは調査にとって重要なのです。ゴールさえあれば、課題を解決していくステップが踏みやすいからです。

 そのステップを分かりやすく説明するために、ある例を挙げます。

生活雑貨を販売する自社Aと競合会社Bがあるとします。

自社Aの昨年の売上は8億円で、競合Bは10億円でした。

自社Aは負けられないので、ゴールは

「競合B社よりも売り上げを高くする」と設定しました。

 では、次にそれを実現させるための仮説を立てていきます。

仮説立て

 仮説はこれまでの経験などを活用して、スタートからゴールまでどういったプロセスになるのかを想定するものです。

ゴールを達成した要因の仮説としては、例えば、

・B社の商品よりも手頃な価格にした

・もっと性能が良く、便利な製品を開発して売った

・アクセスが良い場所に店舗を進出させた

といった仮説を立てて検証していきます。

 このときに、今までの経験を踏まえて仮説を立てていくと良いと思います。前にも調査を行っている経験があれば、その調査で分かった課題を今回に活かしてみたり、今回が初めてであれば、きちんとした調査ではなくてもこれまで培ってきた感覚・傾向を活かすのです。

 また、コロナなどで消費者の購買動向が変化していくことも視野に入れる必要があります。4,5月ごろはほとんどの企業がテレワークになったことで、おうち時間が長くなりました。それにより、リラックスグッズや、運動不足解消になるグッズ、健康食品、キッチン用品などの売れ行きが良くなりましたが、現在ではテレワークを行う企業も徐々に減り、また新たな購買動向になっています。

 このように、社会情勢に平行して変化する消費者の購買動向は、どんな分野の調査でも絶対に視野に入れていくべきです。

現状分析

 このように、仮説を立てたら、次に、自社の置かれた現状見直してみましょう。

 1つ目における現状分析では、なぜ現在の価格をつけたのかを考えることです。原材料、運搬、製造、など全ての生産過程を見て、どこか無駄なコストをカットできないか、現在の価格を安くすることを考えてみます。また、競合B社の価格設定も調べる必要があります。生産過程でどこにコストをかけているのかなどを調査します。そしてターゲットの客層もどれくらいの価格だったら、安いと感じて買いやすくなるのか、客層の収入なども調べるべきです。

 2つ目では、自社製品の現在の性能について分析します。現在競合B社と比べてどういった点が劣っているのか。顧客がどういう機能を自社の製品に求めているのかを考える必要があります。またB社の製品の性能も調べる比較するべきです。そして、性能を上げるには何をするべきかを考えます。技術力を上げることが得策なのかなどを現状と照らし合わせて考えます。

 3つ目は店舗の立地条件です。自社Aがターゲットとしている客層がどこに住んでいるのか、行きやすいと感じるのは車あるいは徒歩で行ける距離なのかなどを調査したらよさそうです。現在時自社の製品が売られている店舗は消費者にとって行きやすい場所であるのか、消費者はどう感じているのかといったことも考える必要が出てきます。

どんなサポートが必要かまとめる

 上記の過程でどのような調査が必要かを具体的にしたら、自社にとってどのようなサポートが必要かを定めていきます。この時は、自社で考えていっても良いし、まずは無料相談などで経験豊富なコンサルタントに話して、一緒にサポート内容を決めていくのも良いかもしれません。そこは、自社の状況を考えて決めましょう。

 1から3の仮説を検討していくためには、どれも3C分析が必要になってくることがわかります。3CとはCustomer(顧客), Company(自社), Competitor(競合)の頭文字を3つとった分析方法です。CustomerとCompetitorについては専門家が調査をする場合が多く、Companyは自社で行うことが一般的です。上記の過程で調査すべき具体的内容が明らかになっているので、あとは3C分析でそれらを調査するだけです。

 また、調査行う前に、自社で先程決めた調査項目の内容が、きちんと納得のいくものになっているのかを再度確認するべきです。

 調査の目的、項目内容、どういった結果を求めているのか、が明らかになっているかを確認し、筋を通していきましょう。

初めて調査を行う企業へのサポート

 私たちがそうした企業様の調査を行う上で、相談に乗らせていただいている際に、3Cの部分を照らし合わせると、企業様と私たちが考えている3Cが異なる場合があります。

 例えば、Amazon Prime Videの競合(Competitor)というと、NetflixやHuluなど、同業界の企業を挙げる場合がほとんどです。

 しかし、テレビを見ているときには、家の中に他にも楽しいことがあります。ゲームや読書、リラックスできるグッズ、フィットネス、料理などが考えられます。これは「おうち時間を楽しく過ごせるもの」という大きなカテゴリーにも含まれているからです。大きくカテゴライズすると、多種多様な分野の競合が見つかります。

 このように、Sellwellでは企業様自身が見えていない競合を明らかにしていき、分析していくことができます。

まとめ

 今回は、調査を行う上での基本ステップについてお伝えしてきました。今回のコラムをきっかけに、今後どんな順序で調査を行っていけばよいのか、基本的なところはお分かりいただけたと思います。

 しかし、実際調査を行う時には、思う通りにいかない問題が沢山出てきてしまいます。

 弊社sellwell(セルウェル)は、そうした状況に悩むに日本企業様のご支援をさせていただいております。どんな些細なお悩みでも構いませんので、ぜひ我々Sellwellにお声を聴かせてください。ご相談お待ちしております。