DCMホールディングスの2026年2月期連結営業収益は約5,423億円、コーナン商事は約5,198億円です。売上規模は近い一方、営業利益はDCM約310億円、コーナン約224億円と差があります。本記事では上場2社を起点に置き、資材・住設・店舗開発の担当が今週固定する接点をわかりやすく解説します。
| 会社 | 2026年2月期営業収益 | 営業利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 法人の典型接点 |
|---|---|---|---|---|
| DCMホールディングス | 約5,423億円(△0.4%) | 約310億円(△6.7%) | 約173億円(+1.0%) | 全国のHCブランド・PB・店舗資材 |
| コーナン商事 | 約5,198億円(+3.7%) | 約224億円(△10.4%) | 約123億円(△13.7%) | 関西起点の店舗網・プロ向け売場 |
数値は各社の2026年2月期決算短信(連結)を正本にしています。百万円は億円表記に四捨五入で換算しています。非上場のカインズ等は短信が無いため、同じ表の本体からは外します。規模感の参考に留めてください。
起点企業① DCM:営業収益ほぼ横ばい、営業利益は減益
DCMの連結営業収益は542,317百万円(前期比△0.4%)、営業利益は31,014百万円(△6.7%)、経常利益は29,158百万円(△5.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益は17,310百万円(+1.0%)です。営業収益はほぼ横ばいでも、営業利益は減っています。
損益計算書では売上高533,107百万円、不動産賃貸などの営業収入を加えて営業収益になります。ホームセンターの「店頭売上」だけを見ると、短信の営業収益と桁がずれることがあります。社内表の見出しは「営業収益/売上高」を分けて書いてください。
補足説明では、ホームセンター事業とエクスプライスなど他事業の内訳、PB構成比の上昇などが触れられます。補足資料の内訳は短信本体と時期が同じでも、定義が細かいです。本体の営業収益を先に固定し、内訳は添付に回します。
法人接点は、グループ各ブランドの店舗への納品、PBへの供給、店舗改装時の資材です。エリアは全国に広がるため、拠点住所と納品先ブランド名の対照表を1枚持っておくと、本部ニュースと現場発注が噛み合いやすくなります。
対照表の更新は四半期に1回で足ります。更新日が空欄の週は、全国の営業収益ニュースだけを共有しない運用にします。
更新の担当は営業事務1名で足ります。更新後は、主要カテゴリーの担当者に「ブランド名の変更有無」を1行で返してもらいます。返ってもらわないと、旧ブランド名のまま発注書が残ります。
旧ブランド名の発注書は、検収で止まります。止まった検収は、月末の売上計上を遅らせます。遅れを防ぐには、対照表のファイル名に「YYYY-MM」を付け、古い版は参考フォルダへ移します。
起点企業② コーナン:増収でも営業利益は減益
コーナンの連結営業収益は519,779百万円(+3.7%)、営業利益は22,397百万円(△10.4%)、経常利益は20,754百万円(△11.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,263百万円(△13.7%)です。増収減益の型です。
短信の説明では、販管費の増加や物流・人手の影響が利益面の要因として触れられます。売上だけを見て「勢いがある相手」と読むと、値引き交渉の前提がずれます。営業利益と販管費のコメントを同じ段落に置きます。
グループ店舗数は669店に拡大し、ホームセンターみつわやI’nTホールディングスの連結子会社化が事業基盤の強化として触れられています。店舗増=即納品増、とは限りません。新規連結の店舗が自社カテゴリーを扱うかは、売場担当への確認が先です。
確認の最小単位は、主要拠点1店の取扱カテゴリーを納品明細から転記することです。転記が無い週は、店舗総数のスライドを増やさない方が安全です。
関西起点のイメージが強い一方、連結後の店舗は広域です。本社が関西ニュースだけを見て地方拠点の納品条件を更新し忘れる、というズレが起きやすいです。拠点ごとの担当窓口を四半期に1回突合します。
突合結果は「一致/不一致/未確認」の3値だけを共有します。長い解説は添付に回します。不一致が出た週は、契約名義の変更届が未提出でないかを先に疑います。
疑った結果は台帳に1行残します。行が無いと、翌月に同じ突合を繰り返します。繰り返しを止めるには、件名に拠点名を入れた確認メールの定型を1通用意します。
定型の文面は、「正式社名・請求先・納品先ブランド名」の3点で足ります。3点以外を同じメールに混ぜると、返信が遅れます。
営業収益と営業利益を同じ順位で並べない
2社の営業収益は5,000億円台で近いです。一方、営業利益はDCM約310億円、コーナン約224億円です。売上ランキングだけで優先取引先を決めると、利益余力の読みがずれます。
社内表では、列を「営業収益/営業利益/増減率/自社SKUの取扱有無」に分けます。取扱有無が空の行は、経営共有の前に埋めます。空のまま貼ると、未取引の相手の増収率コメントが混ざります。
増減率の読み方も分けます。DCMは営業収益ほぼ横ばい・営業減益、コーナンは増収・営業減益です。「業界全体が縮小」と一括りにしないでください。一括りにすると、カテゴリー別の棚割提案が雑になります。
雑な提案を止めるには、自社の主要カテゴリーについて「相手の店頭で見える/見えない」を先に書きます。見えないカテゴリーの相手に、業界全体の増収率を貼っても商談は進みにくいです。
進みにくい商談のあとに残るのは、未確認の取扱フラグだけです。フラグが空欄の行は、翌週の定例で「未確認」と明示します。
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PBとプロ向け売場を分けて見る
ホームセンターは、一般家庭向けとプロ・工事店向けが同じ店に並ぶことが多いです。DCMの補足ではPB構成比の上昇が触れられ、コーナンもプロ向け売場の強化が語られます。法人側が「ホームセンター=同じ棚」と一括りにすると、PB向けとプロ向けの提案が混線します。
混線を止めるには、提案書のSKU表に「家庭向け/プロ向け/PB候補」の列を1つ足します。列が無い資料は、相手のPB強化ニュースを読んだあとで条件交渉が空中戦になります。
空中戦を避ける週は、主要SKU10点だけを先に分類します。10点の分類が終わるまで、業界再編のスライドを増やさない運用にします。
分類結果は、営業と商品企画の共有フォルダに1枚だけ置きます。個人のデスクトップにしか無い表は、担当交代で消えます。
消えたあとに残るのは、口頭の「プロ向けは別だったはず」だけです。口頭だけを根拠に予算を組むと、監査で説明できません。表のパスをチャットの固定メッセージに貼っておきます。
固定メッセージには、更新日も入れます。更新日が無いリンクは、古い分類のまま残ります。
出店・子会社化を同じ表に載せる
コーナンは連結子会社化で店舗基盤を広げ、DCMも全国のブランド網と改装が並行します。「店舗が増えた=商圏が広がった」とだけ読むと、不採算店や改装の見直しが見落とされます。
商談前のチェックは、相手エリアの新規と閉店・改装の両方を1行でメモすることです。メモが無い週は、全国の店舗総数だけを資料に載せないようにします。
メモの担当は営業1名で足ります。結果は「新規/改装/不明」の3値だけを共有し、長い解説は添付に回します。
不明が続くエリアは、現地の店舗写真またはチラシ1枚を週次で回収します。回収が無い週は、そのエリアの提案を後ろに回します。後ろに回す判断を先に書いておくと、会議が店舗総数の話で終わりにくくなります。
カインズなど非上場を同じ表に足すときの注意
カインズは売上規模が大きい一方、非上場のため短信の形式が上場2社と揃いません。公式の成長紹介や業界報道の概数を、DCM・コーナンの短信と同じ行に足すと、定義が混ざります。
足す場合は、別シートに「非上場・出典別」と明記し、単位と時点を行ごとに書きます。同じランキング表の本体からは外す方が安全です。外さないと、会議の途中で「どれが短信か」と聞かれます。
聞かれたあとに残るのは、出典の無い概数だけです。概数だけの行は、翌週に必ず短信または公式PDFへ差し替えます。
差し替えできない行は、表から削除します。削除せずに残すと、次の四半期にも同じ質問が再発します。再発を止める方が、概数を守り続けるより早いです。
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日本企業の調達・販促で起きやすいズレ
想定されるズレの例として、いちばん多いのは、営業収益の増減率を「今なら値下げ交渉が通る」と読むことです。増収でも営業減益なら、条件交渉の余地は別物です。二つ目は、不動産賃貸などの営業収入を店頭売上と同じ列に混ぜることです。
三つ目は、本社が全国ニュースだけを見て、地方拠点の納品先ブランド名を更新し忘れることです。拠点住所とブランド名の対照表を四半期に1回突合します。
突合の担当は総務または営業事務の1名で足ります。結果は「一致/不一致/未確認」の3値だけを経営共有に載せます。
未確認が2週続く拠点は、発注を止めるのではなく、確認メールを先に送る、と決めておきます。止める判断と確認する判断を混ぜると、現場が動きにくくなります。
今週の一手:営業収益と営業利益を1行で固定する
今週の1点は、主要取引先1社について「開示主体/営業収益/営業利益/自社の主要カテゴリー」を1行で固定することです。固定したら、家庭向けかプロ向けかを同じ行に追記します。
転記できたら、来月の商談資料の冒頭にその1行だけを置きます。業界全体のランキングは添付に回します。冒頭がランキングだと、現場の取扱確認が後回しになります。
作業は営業1名と、経理または総務1名で足ります。経営向けには1行メモだけを先に送り、短信PDFは添付にします。
1行メモの送付後は、台帳の「最終確認日」が空欄でないかを同じ日に確認します。空欄なら、窓口への確認メールを1通送り、返信を台帳に貼ります。
表の下の注記は、「単位:億円(短信の百万円を四捨五入)/出典:各社2026年2月期短信/調査時点:2026年9月」の1行に統一します。注記の書き方が資料ごとに違うと、どれが正本か分かりにくくなります。
よくある質問
Q. 営業収益と売上高、どちらを使えばよいですか?A. 短信の表紙比較なら営業収益、店頭の物販だけを見るなら売上高です。混ぜるときは列名を分けます。
Q. 増収減益のとき、値引き交渉はどう考えますか?A. 増収だけを根拠にしないでください。営業利益と販管費の説明を先に読み、自社カテゴリーの粗利への影響を別に見ます。
Q. カインズを同じ表に入れてよいですか?A. 参考としては可能ですが、非上場のため短信形式が違います。別シートにする方が安全です。
Q. 数字の出典は何ですか?A. DCMホールディングス・コーナン商事の「2026年2月期決算短信〔日本基準〕(連結)」です。調査時点は2026年9月です。
主な出典
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※2026年8月時点の情報をもとに作成しています。監修:森英朗。
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