スキマバイトとは?企業側のメリット・デメリット、注意点を紹介

株式会社メルカリは、2024年3月にスキマバイトアプリの「メルカリ ハロ」の提供を開始しました。その開始からわずか7カ月半で、ワーカーの登録者数が800万人、登録店舗数が12万店舗を突破しました。

このように、人手不足が深刻化する中、スキマバイトを活用する企業や店舗が増えています。そこで今回は、スキマバイトの概要に加えて、企業側のメリット・デメリット、注意点を紹介します。

参考:株式会社メルカリ「スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」、 すしざんまいやヤマト運輸などが続々と本格導入を開始。全国の中小・小規模事業者への本格提供も開始

Contents

スキマバイトとは

スキマバイトとは、単発や短期のアルバイトのことです。スキマバイトアプリは、スキマバイトをしたいワーカーと、単発や短期間で働ける人材を探している企業をマッチングするアプリケーションです。

ワーカーがスキマバイトアプリを利用するメリットは、履歴書の提出や面接が不要となり、最短即日から働けるとあって登録者数が増加しています。一般社団法人スポットワーク協会によると、日本国内のスポットワーク登録会員数は、2024年9月1日時点で2,500万人を突破したとのことです。2019年は300万人であったことから、5年間で8倍以上に増えています。

※スポットワークとは、スキマバイトのことです。

※一般社団法人スポットワーク協会とは、事業提供者がスポットワーカーの健全な発展を推進し、国民の幸福度向上に寄与することを目的として設立された協会団体です。

参考:株式会社メルカリ「スキマバイトサービス「メルカリ ハロ」、 すしざんまいやヤマト運輸などが続々と本格導入を開始。全国の中小・小規模事業者への本格提供も開始

ギグワークやフリーランスとの違い

スキマバイトと似た言葉に、ギグワークとフリーランスがあります。

ギグワークは、単発の仕事を受ける働き方です。ギグワークの代表例は、Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達員です。ウーバーイーツの配達員は飲食店から注文を受けると、飲食店に料理を取りに行き、お客様が指定した住所まで料理を配達します。ギグワークは継続した雇用契約を結ばないので、自由度の高い働き方ができます。

一方、フリーランスは、組織や団体に所属せずに仕事を請け負う働き方です。フリーランスは雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶことにスキマバイトとの違いがあります。

スキマバイト・ギグワーク・フリーランスの違いを以下にまとめました。

 スキマバイトギグワークフリーランス
拘束時間1時間~1時間~縛りなし
雇用契約××
ノルマ等への義務××

参考:一般社団法人スポットワーク協会「協会について

企業がスキマバイトを活用するメリット

スキマバイトを活用する企業が増えている背景は、多くのメリットがあるためです。ここでは、企業がスキマバイトを活用する5つのメリットを紹介します。

メリット① 急な人手不足に対応できる

企業がスキマバイトを活用するメリットは、急な人手不足に対応できることです。中には、当日の求人を募集できるスキマバイトアプリもあります。そのため、急な欠員の人員補充にも活用できます。

メリット② スポットで人材を募集できる

企業がスキマバイトを活用するメリットは、スポットで人材を募集できることです。例えば、「土曜日のみ」や「3時間のみ」といった具合です。このような人材を活用することで、忙しい時間帯のみ人数を増やすといった柔軟な対応ができます。

メリット③ 採用手続きを省ける

企業がスキマバイトを活用するメリットは、履歴書の確認や面接などの採用手続きを省けることです。また、スキマバイトアプリには、ワーカーの評価が掲載されているため、それを参考にすることで人選もスピーディにできます。

メリット④ 給与の支払いが簡単にできる

企業がスキマバイトを活用するメリットは、給与の支払いを簡単にできることです。ワーカーへの給与は、スキマバイトアプリの事業者が立て替えてくれるため、企業がワーカーの銀行口座に入金する必要はありません。給与や費用は、1カ月分をまとめてスキマバイトアプリの事業者から請求されます。なお、ワーカーが複数人の場合や複数回利用した場合も一括で支払える点がメリットです。

メリット⑤ 長期的な人材の確保につながる

企業がスキマバイトを活用するメリットは、長期的な人材の確保につながることです。ワーカーと合意を得られれば、長期間のアルバイトや正社員として雇用できるためです。

企業がスキマバイトを活用するデメリット

スキマバイトはメリットばかりではなく、デメリットもあります。利用してから「こんなはずではなかった」とならないように、デメリットも押さえておきましょう。

デメリット① 面接で事前に確認できない

企業がスキマバイトを活用するデメリットは、面接で事前にワーカーの人となりを確認できないことです。採用手続きを省けるのはメリットですが、どのようなワーカーが来るのかわからないので不安を感じるでしょう。ワーカーによっては、希望通りに仕事をこなせない可能性もあります。そのようなワーカーとのミスマッチが起こらないように、募集条件をしっかり検討する必要があります。

デメリット② キャンセルされるリスクがある

企業がスキマバイトを活用するデメリットは、ワーカーからキャンセルされるリスクがあることです。また、無断欠勤や当日キャンセルなども考えられます。これらを防ぐためには、ワーカーの評価を確認し、勤務をキャンセルした経歴がないかを確認することが大切です。

スキマバイトを活用する際の注意点

スキマバイトで人材を確保する際、労働条件などでワーカーとの認識に違いがあると、トラブルに発展することがあります。そのようなトラブルを防ぐために、以下の注意点を押さえておきましょう。

  • 法令を遵守する

最低賃金や労働時間、休憩時間、安全衛生教育の実施など、各種法令を厳守する必要があります。

  • 労働条件を明示する

雇用主はワーカーに対して、労働条件を明示することが義務付けられています。そのため、スキマバイトで人材を採用する場合は、就業場所や業務内容、労働時間、賃金などの労働条件を示す必要があります。

  • 教育プログラムを準備する

スキマバイトは単発や短期間のバイトのため、ワーカーを教育できる時間が限られています。そのため、スキマバイトで人材を受け入れる際は、短期間で業務ができるようになる教育プログラムが必要です。

スキマバイトアプリの代表例の一覧

スキマバイトアプリは複数の事業者が運営しています。ここでは、どのようなアプリケーションがあるのか知りたい方に向けて、スキマバイトアプリの代表例を一覧で紹介します。

アプリ名運営企業登録者数
タイミー株式会社タイミー900万人以上(2024年9月9日時点)
メルカリ ハロ株式会社メルカリ800万人以上(2024年10月15日時点)
シェアフルシェアフル株式会社800万件(2024年10月時点) ※ダウンロード数
ショットワークス株式会社ツナググループHC300万人以上(2024年3月時点)

スキマバイトをうまく活用して人材を確保しよう

スキマバイトは、柔軟な働き方を求めるワーカーや人手不足に悩む企業にとって、有効な選択肢の1つです。そのため、スキマバイトアプリでは急激に登録者数が増加しています。企業からすると、急な人手不足に対応できたり、採用手続きを簡略化できたりと多くのメリットがあります。人材不足にお悩みのご担当者様は、この機会にスキマバイトの活用を検討してみてはいかがでしょうか。