2025年の緑茶の輸出額は721億円と過去最高になり、2026年の鹿児島の一番茶は1kg 5,228円と前年の2倍を超えました。世界で抹茶が売れて、日本の茶葉の価格が上がった。ここまでは、だいたい知られている話だと思います。問題は、値上がりが抹茶だけで止まっていないことです。ペットボトル飲料としてよく使われる番茶は2.9倍、ほうじ茶や茎茶の原料になる出物は2.2倍。抹茶を扱う予定がなくても、お茶を使う商品を持っているなら原価に大きな影響を受けます。ブームはいつ、何をきっかけに始まったのか。海外の店頭では実際に何がいくらで売られているのか。そして日本側の供給はどうなったのか。社名と現時点でわかる数字だけで追いかけてみました。

緑茶の輸出は721億円、鹿児島の一番茶は2倍になった

農林水産省の資料「茶をめぐる情勢」(2026年8月)によると、令和7(2025)年の緑茶の輸出額は721億円で過去最高でした。2020年12月に決めた「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」では令和7年に312億円という目標を置いていたので、2倍以上で超えたことになります。勢いは止まっておらず、令和8(2026)年の1〜5月だけで402億円と、前年の同じ時期を上回るペースで進んでいます。国は次の目標を令和12(2030)年の810億円に置き直しました。

同じ時期、国内の取引価格が跳ね上がりました。JA鹿児島県経済連茶事業部の集計では、2026年産の一番茶のうち煎茶が中心の「本茶」の平均単価は1kgあたり5,228円で、前年の2,564円の2倍を超えました。記録が残る1975年以降で最高値です(南日本新聞 2026年6月4日)。抹茶の原料になる「てん茶」は13,910円で、前年6,013円の2.3倍でした。京都でも同じことが起きています。JA全農京都の宇治茶流通センターで2026年5月13日に開かれた碾茶(てんちゃ)の初入札は、平均落札単価が1kgあたり14,127円と前年の1.7倍で、初取引としては過去10年で最高値でした(京都新聞・食品新聞)。

注目すべきは出品量です。この初入札には375点・25,188kgが出品され、50社100人が参加しました。前年の初入札は1,678kgしか出ていません。量が15倍に増えたのに単価が1.7倍になった。買い手が増えるスピードに、作れる量が追いついていないということです。

きっかけは著名人とTikTok——2024年夏に何が起きたか

抹茶が海外で飲まれること自体は新しくありません。スターバックスは以前から抹茶ラテを出していますし、米国のThe Coffee Bean & Tea Leafは20年前から扱っています。変わったのは、飲む人の広がり方と速さでした。

転換点として振り返られることが多いのが2024年です。英ガーディアン紙は2024年7月31日に「The new green giant: how matcha took over the world(新たな緑の巨人——抹茶はいかにして世界を制したか)」という記事を出し、英国では手に入りにくかった抹茶が、アイスラテからエナジードリンク、バブルティー、パンケーキ、ムースまで広がったと報じました。同記事は、グウィネス・パルトロウ、カイリー・ジェンナー、リアーナといった著名人が抹茶を手にしている姿が目撃されていること、TikTokのハッシュタグ「#matcha」に72万本を超える動画が投稿されていることを挙げています。

米国側でも同じ時期に潮目が変わっています。業界誌Fresh Cupの取材では、複数の焙煎業者やカフェが2024年9月頃から抹茶の売れ方が急に変わったと証言しており、ある事業者は卸売の抹茶売上が1年で2倍、消費者向けも前年比15%増になったと話しています。

火をつけたのは日本側ではありませんでした。輸出戦略を強めた結果として売れたのではなく、海外の消費者のほうが先に動いています。日本の生産と流通は追いかける側です。だとすれば要るのは、海外で需要が広がる兆しを先に掴む機能でしょう。物が動く順番が変わった以上、供給を押さえにいくときの立ち位置もそこで決まります。

なぜコーヒーではなく抹茶だったのか

取材記事と各社の説明を並べていくと、同じ話が何度も出てきます。

まず色です。鮮やかな緑は撮ったときに強く、コーヒーの茶色では同じ絵になりません。それから、自分の手を動かす工程があること。抹茶は茶葉を湯に浸すのではなく、粉にした茶をまるごと湯に溶かします。茶碗に粉を入れて湯を注ぎ、茶筅(ちゃせん)という竹を細く割った道具でシャカシャカと泡立てる。この一連を「点(た)てる」といいます。淹れるのではなく、自分で仕上げる。この儀式めいたひと手間がそのまま短い動画になります。カフェインの効き方が穏やかだという受け止めもあって、エスプレッソからの乗り換え先に選ばれています。

ただ、商品を考えるうえで効いているのは四つ目だと思います。抹茶は甘さやフルーツと合わせても味の芯が消えません。だから、いくらでも重ねられる。

消費者データを扱うTastewiseの集計によると(Fresh Cup経由。同社は民間の調査事業者で、以下は推計値です)、SNS上の抹茶への関心は前年比19%増、外食で出される抹茶メニューの平均価格は14%上がりました。有機抹茶は関心の高まりと供給不足が重なって、調達コストが21.4%上昇しています。それでもメニューから落ちない。安いから選ばれているのではなく、自分の好みに合わせて選ぶ飲み物になったということでしょう。

冷たい飲み物であることが効いている

英Costa Coffeeによると、2026年1月の全国発売以降に売れた抹茶飲料のうち、7割がアイスでした。真冬に、です。同社が引用する調査会社Allegraの「Project Café 2026」では、英国の消費者の11%が過去1年にアイス抹茶を買っており、30歳未満に限ると18%まで上がります。伸びているのは和のカテゴリーとしての抹茶ではありません。冷たくて、見た目が強くて、自分の好みで組み替えられる飲料としての抹茶です。商品を考えるならこちらの棚から入ることになります。

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Blank Streetの飲料の半分が抹茶になるまで

一社を追ってみます。Blank Streetはニューヨーク・ブルックリン発のカフェチェーンで、2022年夏にロンドンへ進出しました。転機は2023年春に出したBlueberry Matcha(ブルーベリー抹茶)で、TikTokと口コミで一気に売れたと同社の英国責任者が業界誌に語っています。

英国法人Blank Street UK Limitedの決算を見ると、伸び方がわかります。2024年12月期の売上高は3,578万ポンドで、前年の1,142万ポンドから214%増。税引前損益は前年の420万ポンドの赤字から130万ポンドの黒字に転じ、英国で初めて利益を出しました(City A.M.・The Grocer)。英国の店舗数は3年で50を超えています。報道では抹茶が飲料注文の約半分を占めるとされており、同社は企業価値約5億ドルで1億ドル規模の調達を協議中と伝えられています。

最近のメニューにはLemon Loaf Matcha、Cherry Glaze Matcha、Banana Bread Matchaが並びます。レモンケーキ、チェリーグレーズ、バナナブレッド。抹茶にお菓子の名前をつけた組み合わせです。伝統的な飲み方からは遠いところで売れています。

店舗の作り方も変わりました。ブルームバーグが2026年3月17日に報じた新型店は、約1,300平方フィートと従来の3倍の広さで、自撮り用の大きな鏡、ミントグリーンの天井、飲み物がきれいに映るよう照明を考えた受け取り台、会話用のブースを備えています。コーヒーを手早く渡す店から、滞在して撮る場所へ、店の役割を変えにいっています。

Caffè Nero、Costa、Greggs——英国チェーンが2025年から2026年にやったこと

抹茶が一部の専門店の話で終わっていないことは、大手チェーンの数字に表れています。

企業時点公表内容
Caffè Nero(英)2025年6〜11月アイス飲料の売上が50%増加。その増加分の85%を抹茶が牽引。英国売上は1億8,540万ポンドで過去最高
Costa Coffee(英)2026年1月〜全国発売。以降、英国全体で4秒に1杯の抹茶を提供。販売の7割がアイス。3月から新フレーバーを追加
Greggs(英)2026年4月〜アイス抹茶ラテを投入。ブルーベリー抹茶が若年層に好評と説明。26週間の総売上は11億ポンド(7.2%増)
Klatch Coffee(米・カリフォルニア)2025年抹茶の販売量が2022年の4倍、前年比60%増の見込み。オーツミルクを標準にした点とアイス人気を要因に挙げる
The Coffee Bean & Tea Leaf(米)2025年20年扱ってきたが直近1年で需要が急増。期間限定のアイス抹茶を追加投入

Caffè Neroの数字は特に示唆的です。アイス飲料全体が50%伸びて、その伸びのうち85%が抹茶。既存のコーヒーを食い合ったのではなく、新しい需要が乗ったという読み方ができます。同社を運営するThe Nero Groupの2026年度上期(2025年6〜11月)はグループ売上3億3,800万ポンドで、2年連続の記録更新でした。

売り方に共通点があります。どこも抹茶を単体で売らず、フレーバーと季節限定で回しています。Costaはストロベリーココナッツ、続いてチェリーバニラ。Greggsはブルーベリー。Blank Streetはレモンとチェリーとバナナ。抹茶そのものではなく、抹茶を土台にした組み合わせを商品にしている。ここが日本の売り方と最も違うところです。

米国は粉末85%、台湾は茶葉88%——同じブームでも買われ方が違う

日本からどこへ何が出ているのか。農林水産省が財務省貿易統計をもとに整理した2025年の形状別輸出実績を見ると、国によってかなり様子が違います。

仕向先輸出量(うち粉末状)輸出額(うち粉末状)
米国4,431t(粉末状85%)293億円(粉末状87%)
EU・英国2,393t(粉末状78%)186億円(粉末状88%)
台湾1,589t(粉末状12%)26億円(粉末状38%)
世界計12,612t(粉末状69%)721億円(粉末状84%)

米国とEU・英国では、出て行く緑茶のほとんどが粉末です。台湾は逆で、量の88%が粉末以外、つまり茶葉のまま出ています。同じ「日本茶の輸出が伸びている」でも、北米と欧州で伸びているのは抹茶を原料にしたカフェ飲料、台湾で伸びているのは茶葉です。中身が別物なので、ひとつの商品設計を全市場に持っていくわけにはいきません。

単価も違います。2025年の輸出単価は粉末状が1kgあたり6,927円、それ以外が3,007円で、2.3倍の開きがあります。輸出額が急に伸びたのは、量が増えただけでなく、単価の高い粉末の比率が上がったからでもあります。

統計の「粉末状」は抹茶そのものではない

ここは若手が最もつまずくところなので、先に書いておきます。貿易統計に「抹茶」という項目はありません。あるのは「粉末状のもの」(HS0902.10-100ほか)という形状の区分で、ここには抹茶のほかに、茶を粉砕器で粉にした粉末茶も入ります。逆に、仕上げ工程でふるい分けられた粉茶は「その他のもの」に分類されます。社内資料に書くときは「抹茶の輸出額」ではなく「粉末状の緑茶の輸出額」と書いてください。もうひとつ、仕向地はあくまで荷物の届け先であって、現地でどう飲まれているかを示すものではありません。米国向けの粉末が多いことは分かっても、それがカフェで出されたのか家庭で飲まれたのかまでは統計に出てきません。

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電動茶筅19,800円と宇治の体験教室——飲料以外に価格がついている

抹茶を飲料の原料としてだけ見ていると、伸びている層をまるごと見落とします。

ひとつは道具です。TZEN株式会社が運営する抹茶カフェATELIER MATCHAは、電動茶筅「MATCHA FORMER CHARAKU」を販売しています。茶道の先生が茶を点てるときの手の動きを研究し、茶筅を縦方向に高速で動かすことで、スイッチを入れて約10秒で細かい泡の抹茶ができるという製品です。2021年12月に限定60個の予約販売で始まり、2023年7月にはクラウドファンディングで一般向けに広げました。当時の価格は本体14,800円(茶筅付き16,800円)で、現在は公式オンラインショップで本体19,800円(茶筅付き23,540円)です。カフェやレストランで多くの客に出すための業務用途も想定されています。

点てる作法のハードルを下げること自体に、2万円前後の値段がついたわけです。同社は江戸時代から続く宇治の製茶問屋・山政小山園と組んで「MATCHAのサードウェーブ」を掲げており、原料と道具と店をひとつながりで設計しています。

もうひとつは体験です。ガーディアン紙が2025年4月5日に報じた記事では、京都・宇治の抹茶体験教室に外国人観光客が集まる様子が描かれています。2021年に教室を開いた運営者は、来訪者の関心が急に高まって皆が抹茶を求めて来るようになり、体験のあとにそれぞれ投稿していくと話しています。売れているのは飲むところまでではなく、点てる時間のほうです。

飲料か、道具か、体験か。どこで課金するかは設計の問題であって、抹茶という原料に自動的に決まるものではありません。

碾茶13,910円、番茶2,689円——抹茶を使わない商品にも請求書が回る

抹茶を扱う予定がない会社にも、ここから先は関係してきます。

日本側の供給は増えてはいます。農林水産省の資料によれば、てん茶の生産は増加傾向で、令和7年産は平成26年産の約3.2倍になりました。全国茶生産団体連合会の集計をもとにした参議院常任委員会調査室の整理では、令和6年のてん茶生産量は5,336トンで、この10年でおよそ2.7倍です。農林中金総合研究所の分析でも、碾茶の生産量は5年間で5割増えています。

それでも足りていません。理由は簡単で、茶畑の総量が増えていないからです。てん茶の生産割合は茶全体の8.6%(令和7年)にすぎず、荒茶価格は1kgあたり8,562円と、せん茶の1,746円の約4.9倍です。約5倍の値がつく作物があれば、煎茶からてん茶へ切り替えるのは生産者として当然の判断でしょう。しかも茶樹は植えてから摘めるまでに数年かかります。新しく畑を起こす方法では間に合わない。限られた茶畑の中で、煎茶の取り分が減りました。

その結果が、鹿児島の数字にはっきり出ています。2026年産の一番茶で、抹茶とは関係のない品目まで軒並み上がりました。

区分2026年産 平均単価前年比主な用途
本茶(煎茶中心)5,228円/kg2.0倍(1975年以降で最高)急須で入れるリーフ茶
てん茶13,910円/kg2.3倍抹茶の原料
番茶2,689円/kg2.9倍ペットボトル等ドリンク原料
出物2,185円/kg2.2倍茎茶・ほうじ茶の原料

倍率が最も大きいのは、抹茶原料のてん茶(2.3倍)ではありません。ペットボトル飲料に使う番茶の2.9倍です。抹茶を1グラムも使わない商品を作っている会社にも、ブームの請求書が回っています。しかも2026年産の一番茶全体の取引数量は前年より12.5%増えていますから、量が減ったから上がったという説明も成り立ちません。JA県経済連は、価格が低迷していた時期に離農が進んで全体量が減っていたことも要因のひとつと見ています。

供給の逼迫は、老舗の売り方にも表れています。一保堂茶舗は2024年10月8日に抹茶の購入点数制限を告知し、同月17日には一部商品の販売休止を発表しました。2025年8月には、海外からの引き合いが増えるなかで買い占めて転売する動きが出ていることにも触れています。丸久小山園の元庵オンラインショップは、販売休止を経て2025年8月から不定期に再開しましたが、注文は月1回・最大5点まで(一部商品は1〜2点)で、ホテル・転送会社・物流倉庫宛の発送は受け付けていません。いま日本で起きているのは、売り先を探す局面ではなく、売り先を選ばざるを得ない局面です。

もうひとつ、動きが出ています。日本茶業中央会が申請していた「日本茶」の地理的表示(GI)が、2026年7月10日に登録されました。農林水産省は、緑茶の輸出額が過去最高を更新するなかで中国産の「宇治抹茶」が流通するなど知的財産の侵害事例が増えていることを背景に挙げています。産地単位ではなく日本茶全体としてブランドを守る仕組みができた、という位置づけです。海外向けに商品を出すなら、産地表示と証明の扱いは早めに詰めておく必要があります。

ここから何を確かめるか

ここまでに書いたことは、時間をかければ誰でも辿り着けます。判断が分かれるのはこの先です。

まず現地の棚と、買っている人です。どの店で、いくらで、誰が、どの時間帯に買っているのか。メニューの並びと価格帯、カップを持ったときの見え方。Blank Streetが自撮り用の鏡を店に入れたのは、そこを見た結果です。この種のことは、店に立つ、買う人に聞く、店員に聞く、それ以外に取りようがありません。

供給の押さえ方も、早めに決めておいたほうがいい話です。てん茶が1kg 14,000円前後、初入札の出品量が15倍に増えてなお単価が上がる。こういう市場で、必要になったら買うという調達は通りません。産地や問屋との複数年の関係、等級を動かせる余地、一番茶が始まる前の数量確保。ここを詰めずに商品を設計すると、発売してから原価が動いて計画が崩れます。抹茶を使わない商品でも、番茶や出物の値動きは前提に入れ直したほうがいい。

最後に、どこで課金するか。飲料なのか、道具なのか、体験なのか。電動茶筅に2万円が払われ、体験教室に人が並んでいるのを見たあとで、飲料だけで考えるのはもったいないと思います。

Sellwellは、国内の商品・棚・価格の設計をお手伝いします。海外の店頭を実際に見て確かめる部分は、グループのPROVEが現地で担当します。装置や体験のデジタル面は個別の案件として承ります。まだ方向が固まっていない段階でも構いません。いま持っている商品と、気になっている市場を持ち込んでいただければ、確かめるべき順番から一緒に整理します。

持ち帰りのポイント ①2025年の緑茶輸出は721億円で過去最高、2026年1〜5月も402億円と前年超のペース ②火がついたのは2024年の海外消費者側。日本の供給は後追い ③海外では「冷たい・映える・フレーバーで選べる」飲料として売れている ④米国は粉末85%、台湾は茶葉88%で買われ方が違う ⑤番茶2.9倍・出物2.2倍。抹茶を使わない商品にも原価の影響が及ぶ

よくある質問

Q. 抹茶ブームはいつ、何がきっかけで始まったのですか?

2024年が転換点として振り返られます。英ガーディアン紙が2024年7月31日に世界的な広がりを報じ、著名人の露出とTikTokのハッシュタグ「#matcha」への72万本超の投稿を要因に挙げました。米国の業界誌Fresh Cupの取材でも、2024年9月頃から売れ方が急に変わったという証言が複数出ています。日本側の輸出戦略が先にあったのではなく、海外の消費者側の変化が先でした。

Q. なぜコーヒーや紅茶ではなく抹茶なのですか?

写真に映える緑色、茶筅で泡立てて自分で仕上げる所作の面白さ、カフェインの効き方が穏やかだという受け止め、そしてフレーバーを重ねても味の芯が消えないことの四つが重なっています。実際に売れているのはBlueberry MatchaやCherry Glaze Matchaのような組み合わせで、抹茶単体ではありません。英Costa Coffeeでは販売の7割がアイスで、冷たい飲み物として選ばれている点も重要です。

Q. 抹茶を使わない商品にも影響はありますか?

あります。2026年産の鹿児島の一番茶では、ペットボトル飲料の原料になる番茶が前年の2.9倍、茎茶やほうじ茶の原料になる出物が2.2倍になりました。抹茶原料のてん茶(2.3倍)より番茶の上昇率のほうが大きい状態です。茶を使う商品を持っているなら、抹茶を扱うかどうかに関わらず原価計画の見直しが要ります。

Q. 海外で実際にどう売られているかは、どうすれば分かりますか?

貿易統計では分かりません。統計が示すのは荷物の届け先までで、店頭の価格帯やメニュー構成、買っている人の層は出てきません。実際に店に立って見る、買う人と店員に聞く、という方法が必要です。Sellwellでは国内の商品と棚の設計を、海外の現地確認はグループのPROVEが担当し、確かめる順番から一緒に組み立てます。

主な出典

農林水産省「茶をめぐる情勢」(PDF)同 茶のページ(2026年8月/令和7年輸出額721億円・令和8年1〜5月402億円・国別実績・形状別輸出実績2025年・てん茶生産割合8.6%・荒茶価格8,562円/kg・「日本茶」GI登録2026年7月10日)/財務省貿易統計(緑茶HS0902系。農林水産省が再集計)/JA鹿児島県経済連茶事業部(2026年産一番茶の取引結果。南日本新聞 2026年6月4日/MBC)/JA全農京都 宇治茶流通センター 第1回碾茶入札販売会(2026年5月13日。京都新聞/食品新聞 2026年5月21日/朝日新聞)/参議院常任委員会調査室「茶の生産・流通をめぐる課題」(2025年12月・てん茶5,336トン)/農林中金総合研究所「抹茶需要の拡大と加工施設の整備動向」(2026年1月・碾茶5年で5割増)/一保堂茶舗 公式お知らせ(2024年10月8日・10月17日・2025年8月1日)/丸久小山園 元庵オンラインショップ 公式案内(2025年8月〜)/The Guardian「The new green giant: how matcha took over the world」(2024年7月31日)/同「’Skyrocketing’ demand for matcha raises fears of shortage in Japan」(2025年4月5日)/City A.M.・The Grocer(Blank Street UK 2024年12月期決算・売上3,578万ポンド・税引前利益130万ポンド)/Bloomberg(2026年3月17日・Blank Street新型店)/The Nero Group 2026年度上期業績発表(2025年12月・Caffè Nero)/Costa Coffee プレスリリース(2026年2月)/Greggs 2026年上期業績(The Independent)/Fresh Cup「The Matcha Boom Is Reshaping Cafes」(Klatch Coffee・The Coffee Bean & Tea Leaf・Tastewiseの推計値)/PROVE DataLake(香港・韓国の飲料セル。日本産茶の需要動向を補助線として参照)/調査時点:2026年8月14日。

セルウェルは市場調査・マーケティング支援の会社として、国内市場のデータ整備から商品戦略の実装まで一貫して支援しています。検討中のテーマがどこまで固まっているかを短時間で確かめたい方は事業化スコア診断(無料)を、個別のご相談はお問い合わせからお気軽にどうぞ。

※2026年8月時点の情報をもとに作成しています。監修:森英朗。

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