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Column

2021/01/28

新規よりも既存?O2Oマーケで重視されるロイヤルカスタマー戦略

Introduction 

 2020年が終わり、2021年という新たな年を迎えました。昨年は未曾有の感染症「新型コロナウイルス」が世界中で猛威を振るい、多くの人々に悪影響を与えました。ビジネスの面では、世界の都市がロックダウン(都市封鎖)、外出禁止または自粛の措置が取られ、海外出張どころか、国内での外出もあまりできず、業務の遂行にも支障が出たケースもありました。 

 一方で簡単に外出ができなくなったことで、リモートワークが政府から推奨されるようになり、在宅で仕事を行うメリットを発見した企業や、この変化によって成長した企業・業界もありました。それとは反対に、打撃を受けて経営危機に陥る企業も多く現れるといった問題もありました。未だにそうしたコロナによる影響がいつどこで日本経済に大きな変化をもたらすのかという懸念が残ります。 

 そんな目まぐるしい変化があり、今後もコロナの影響が続いていく2021年を迎えた中、日本企業はどのようにマーケティング戦略を行えば、上手く乗り越え、成長していくことができるのでしょうか。今回はコロナを機に加速した「O2O (Online to Offline)」の利点を踏まえ、既存顧客の獲得の重要性やロイヤルカスタマーへのアプローチ方法などのビジネス戦略についてお伝えしていきます。  

O2Oビジネスとは?

O2Oという言葉は、昨年一度は聞いたことがあるかと思いますが、この意味を知っていますか?企業間の取引を意味する「B2B (Business to Business)」や、企業と顧客間の取引を意味する「B2C (Business to Custermer)」は勿論ご存じだと思いますが、O2Oはコロナをきっかけに注目度が大きくなったもので、Online to Offlineの略を表しています。意味はオンライン上の情報から、オフラインの実店舗へと顧客を誘導する販売同線を指しています。つまり、オンラインとオフラインの2つを組み合わせて販売活動を行うということです。  

 身近なところではまず、すかいらーく系列のガストや、ブロンコビリーなどのファミリーレストランの例を紹介します。 

 まず、来客に「アプリをダウンロードするとその場で使えるドリンク無料券が手に入る」というお得な情報を席やメニューの見えやすいところに広告を貼り、お客様にアプリのダウンロードを促します。アプリをダウンロードした方には、次回から使える期限付きクーポンの配布や新メニューの紹介など、「また行きたい」と思ってもらえる情報を配信し、再来店に繋げるといった仕組みです。まさに、オンライン上での情報からオフラインの実店舗へと顧客を誘導する典型的なO2Oビジネスですね。こうしたクーポン配信の仕組み以外にも、TwitterやInstagram、LINEなどのSNSを使って商品やお得な情報を同時配信したり、1 on 1の個人チャット機能などを利用して、そのお客様に合わせたタイミングでアプローチをするといったやり方があります。スマホが普及する前は紙媒体のクーポンを店頭のお客様に配布したり、ポストに投函するチラシにクーポンを付ける方法が一般的でしたが、現代ではそのやり方が多種多様化しているのです。 

 O2Oビジネスが近年伸び続けている理由としては、ここからもお察しの通り、スマートフォンの普及が関わっています。それに伴って、オンラインショッピングでの商品購入が進み、顧客に実店舗で購入してもらう割合が下がっていることへの対策として、いかに実店舗で顧客を呼び寄せ購入してもらうかという売り手側の需要が高まっていることにあります。 

 オンラインショップは確かに、わざわざ店まで足を運ばなくても商品が手に入る点や、場所を問わず自分がどこにいても買いたいタイミングで購入できる点など便利なメリットがたくさんあります。 

 しかし、店舗を構えて、実物の商品を店頭に並べることは、オンラインショップよりもコストや労働力がかかります。そのため、お店側としては何としても顧客を店頭に導きたいわけです。 

 実店舗にもオンラインショップにはないメリットが沢山あることも事実です。例えば、「商品の写真には魅力を感じなかったけど、実際に見てみたら迫力があって感動した」「口コミで良いと書かれていて興味を持ち、実際にテスターやお試しなどを使ってみたら思っていたよりもさらに良くて、思わずその場で買ってしまった」など、顧客を実物の商品に出会わせることで商品の良さが伝わり、購入に至るケースが多々あります。これこそが実店舗の魅力です。みなさんも、もし顧客の立場だったら、オンラインの写真や口コミ、レビューを見るだけで購入の判断するより、実際に見て触れ、使ってみた方が安心して購入できるのではないでしょうか?顧客目線で実店舗への誘導を行うことが大事なポイントです。 

O2Oの常態化と参入企業の増大

このようにスマホを介して集客を行うO2Oビジネスは、日本国内でもごく一般的に行われるようになってきました。その理由の1つとしては、O2Oでの買い物が心理的障壁を下げることが挙げられます。オンラインショッピングといったO2Oでの買い物は、クレジットカードでの決済が基本となります。また、家やどんなところでも自分の買いたいと思った時に変えるため、店頭で現金を支払うよりも心理的に「お金を使った」という感覚を感じにくい傾向があるのです。[文字列の折り返しの区切り] このように購入における顧客の心理的障壁が少なくなることは、商品を売る企業側にとって、とても利点の多い状況と言えます。そのため、現在O2Oに参入する企業は増加傾向にあるのです。この他にも、参入する企業が増加している理由はあります。例えば、多くの人々がスマートフォンを使い、生活の大部分でインターネット依存の割合が大きいため、オンライン上での情報配信の方が見てもらいやすい、顧客の獲得に向けてアプローチをしやすいといったメリットを把握して参入する企業もいます。 

 また、コロナショックも大きく影響しています。これまでオフラインの実店舗だけで経営していた企業もオンラインショップを開設したり、SNSアカウントを作って、遠く離れている多くの顧客とコミュニケーションが取れるようにシフトしたといったケースもあります。その他、同じ店の商品やサービスを利用する顧客同士で情報交換ができる「顧客同士のコミュニティ作り」に励む企業もあります。企業と顧客の1対1のコミュニケーションだけでは聞き出せないことや、顧客側が直接企業に言えないようなことをキャッチし、新しい商品開発にも繋げられるチャンスがあるからです。 

新規顧客を追うことが当然だったO2O初期 

 2015年頃からスマホの使用が浸透してきて、このO2Oビジネスが注目され始めました。2018年頃までのO2O初期では、実店舗で商品を選び、ネットで安く購入するというショールーミング対策として効果を出し、新規顧客を獲得する方法の1つとして活用されていました。この時は、新規顧客が実店舗に来てくれるよう、SNSなどを使って店舗で利用できるクーポンなどを配信するといった活動が頻繁に行われ、新規顧客の獲得に尽力していた時代でした。また、魅力ある商品を魅力ある価格で、売り抜くことが是としていたO2Oビジネスであったことも事実です。 

 しかし、昨年のコロナ禍でさらにO2Oビジネスは加速しているため、従来のO2Oビジネス戦略だけでは生き残っていくことが厳しい競争社会になりました。 

 そこで従来のやり方を続けるのではなく、新たに手法を変えていかなければなりません。その1つとして、これでは売る側主体のマーケティングが引き起こす落とし穴がいくつかあったことを振り返ってみましょう。[文字列の折り返しの区切り] まず1つ目は、売上至上主義が生む顧客の軽視です。ついつい、売り手側は顧客を定量的に分析することで顧客心理を見落としてしまいがちです。例えば、アクセス解析やアンケートで得られた年齢層、性別など、数値化できる情報だけで統計的分析をし、マーケティングを行うといったケースです。売上シェアなどの市場分析やブランド認知率、商品満足度といった消費者分析といった実態把握や、成果の検証の際にはそうした統計的な定量データは必要になりますが、それだけでは顧客をしっかり分析できているとは言えません。顧客の心理的状況を分析する定性調査を行うことも欠かせないのです。この定性調査は顧客ヒアリングなどで数値化できない声から新しい価値を見つけるものです。見落としがちで数値化できない消費者の本音などを分析することで、顧客満足度を上げることができるのです。ただし、ここでは顧客へのヒアリングの仕方も大事なポイントになってきます。しつこいと思われない、売り手側の「聞きたい」という思いだけで行わず、顧客との自然なコミュニケーションでさりげなく聞き出すなど、高度なテクニックが大きな効果に繋がります。 

 定量調査を行って、統計的分析を行った後に、深掘りしていきたい項目で定性調査を行う、というプロセスが最善の方法と言われています。どちらかに偏ることがないよう、双方のバランスを上手く考えながら、自社オリジナルのデータを生み出し、ロイヤルカスタマーへと導くようにしましょう。 

2つ目の落とし穴は、定期的なクリーニングを行わないことで起こるマーケティングの無駄です。時代は刻々と変化しており、たった1年でも大きく市場や顧客行動が変わる場合がほとんどです。そんな中、定期的に変化を見計らってマーケティング戦略を更新していかないと、もうすでに購買の需要が無いところで高いコストを投資していた、なんていうケースも起こりうるのです。そうした無駄を省いて、新たに参入できる市場に投資をした方がよほど効率が良く、高い利益率を期待できますよね。顧客行動や市場の些細な変化も見逃さないようにし、定期的にマーケティング戦略を改変していきましょう。 

顧客をロイヤルカスタマー化するカギは「定性情報」 

 定性情報が欠けているケースが多いため、定性情報も収集することに注意して、定量分析とのバランスを図りながら行うことが大事であると、前章で説明しました。 

 この章では、先程お伝えした定性調査について、重要なポイントをもう一度かみくだいて説明し、ロイヤルカスタマー化のカギを明らかにしていきます。 通常の既存顧客をロイヤルカスタマーにしていくメリットは、売上や粗利益に直結することです。ロイヤルカスタマーは、企業のブランドや商品価値に愛着を持ち、周りの人に紹介してくれる顧客のことを言います。そのため、ロイヤルカスタマーを増やせば、リピーターの割合が増し、LTV(顧客生涯価値)につなげ、売上が高くなります。また、自社の商品・サービスを第三者に紹介してくれることで、顧客獲得にかかるコストも削減することができます。一般的に、新規顧客の獲得にかかるコストは既存客を維持するよりも5倍のコストが必要になる言われています。こうしたことからも、新規顧客の開拓より、既存顧客に目を向けてロイヤルカスタマー化させていくことが効率よく成長していけることがわかります。それでは、まずロイヤルカスタマー化していくコツをお伝えします。[文字列の折り返しの区切り] まずNPS分析に見る、顧客満足度のポイントについて説明します。NPSとは、ネットプロモータースコアの略で、顧客ロイヤリティの実態を把握するために、企業やブランドに対し、どれくらいの愛着や信頼があるのかを数値化する指標を指しています。商品が良いから顧客満足度が高いとは限らないため、商品が好評でも顧客に満足具合を聞き出すことは大切です。分析方法としては、評価をした理由が書かれたフリーコメントをよく読み、定性分析の際に、コメントを同じトピックごとに分類していきます。そして、顧客ロイヤリティを構成する、抽出された要素を分析して満足度を定量調査していきます。よくこの分析で明らかになることは、顧客満足度が、商品の良さ、人に伝えたくなる感動体験から来ていることが多いということです。 

 企業への信頼度、購入することのステイタスとなる顧客満足度を高めるために、重視されていることは、アナログなコールセンターです。「お客様相談窓口」「商品に関する問い合わせ場所」は顧客と会話式でコミュニケーションができ、不安や悩みをすぐに話せる場なので、顧客の安心にも繋がり、企業側も相談内容の記録を取ることができるため、顧客がどういった悩みを抱えているのか、どんな相談が多いのかなどを分析し、新しい商品開発に活かすことができます。デジタル時代の現代では、チャット機能のみで相談窓口を設けている企業もありますが、チャットを使いこなせない人や、すぐにお話しして相談したいといった声には効果的とは言えません。こうした理由から、デジタル時代でも、アナログなコールセンターがロイヤルカスタマー育成にとって必要不可欠な存在なのです。[文字列の折り返しの区切り]   

まとめ 

 ここまで、O2Oビジネスとロイヤルカスタマー戦略についてお伝えしていきました。顧客へのアプローチ方法においてオンライン化が浸透している現代ですが、顧客目線でのアプローチはどの時代でも必要不可欠なポイントであることが分かりました。ターゲットとしている顧客がデジタル媒体の方がアプローチ効果があるのか、アナログな方が良いのか、企業それぞれの顧客に合わせた形でロイヤルカスタマー化させていくための戦略を立てていきましょう。 

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