マンダラートとは?メリット・作り方・ビジネスにおける活用例を紹介 

「新規事業のアイデア出しに悩んでいる」や「事業の目標達成に何をすべきか迷っている」という経営者様はいらっしゃいませんか。 

そのような時に役立つフレームワークがマンダラートです。 

マンダラートはメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が高校時代、プロ野球選手になるために活用していたことでも知られています。 

ビジネスにおいても有効なフレームワークですので、本記事ではマンダラートのメリットや作り方、活用例をわかりやすく紹介します。 

Contents

マンダラートとは 

マンダラートとは、9×9の合計81のマス目にメインテーマ・要素・目標を書き込むことで、アイデアの創出や目標達成に役立つフレームワークです。1987年にデザイナーの今泉浩晃氏によって考案されました。名前は仏教の曼荼羅(まんだら)模様に由来し、曼荼羅とアートを組み合わせた造語です。参考までに、以下の写真が曼荼羅模様です。 

構造 

マンダラートの構造を簡単に説明すると、中央のマス目は実現したいメインテーマです。そして、メインテーマを実現するための要素、要素を実現するための目標という順で周囲に広がるように構成されています。図示すると以下のとおりです。 

つまり、目標を達成することで要素を実現し、8つの要素を達成することでメインテーマを実現するのがマンダラートの基本的な考え方です。 

マンダラートのイメージが付きにくいと思いますので、大谷翔平選手が高校時代に作成したマンダラートを紹介します。「ドラ1 8球団」というメインテーマからそれを実現するための「スピード160km/h」などの要素、要素を実現するための目標でマスが埋められています。 

参照:Sponichi Annex「花巻東時代に大谷が立てた目標シート」 

マンダラートを活用するメリット 

マンダラートは、アイデアや情報を視覚的に整理できるシンプルなフレームワークです。そのため、ビジネスにおいても活用できます。この章では、ビジネスでマンダラートを活用する具体的なメリットについて紹介します。 

思考整理に役立つ 

マンダラートのメリットは、思考整理に役立つことです。頭の中にあるアイデアを視覚化することで、情報を整理できるためです。例えば、複雑なプロジェクトの計画を立てる際に活用することで、効率的な計画の立案に役立ちます。 

意外なアイデアが浮かぶ 

マンダラートは1つのメインテーマから8つの要素に加えて、64の目標のマス目を埋める必要があります。しかし、量の多さから、すぐに思いつくことだけで全てのマス目を埋めることは困難です。そのため、アイデアを絞り出さなければならず、これまでにはなかった意外なアイデアが生まれることもあります。 

すべきことが明確になる 

マンダラートは64の目標を達成することで、最終的にメインテーマを実現できるようにするフレームワークです。そのため、作成するとすべきことが明確になります。大谷翔平選手が高校時代に作成したマンダラートを見ても、メインテーマを実現するために何をすべきか明確になっていると感じるでしょう。

中間目標を明確に設定できる 

マンダラートにおける最終目標はメインテーマの実現です。そのため、中間目標は周囲の要素の達成と言えます。8つの要素の内、いつまでにいくつ達成するかなど、中間目標を明確に設定できるのが、マンダラートのメリットです。 

チーム全体で目標やアイデアを共有できる 

マンダラートのメリットは可視化することで、メインテーマ・要素・目標などをチーム全体で共有できることです。同じ目的に向かって行動できるようになるため、チーム全体に一体感が生まれ、より効果的にプロジェクトを進めることができます。 

マンダラートの作り方 

マンダラートはシンプルな構造ですが、効果的に活用するには正しい手順で作成することが重要です。この章では、初めて作成する方にもわかりやすいように、5つの手順を図解付きで解説します。 

ステップ① 9×9のマス目を用意する 

まずは、9×9の合計81のマス目を用意します。紙などに直接書き込む場合は、書くスペースを確保するために大きなサイズの紙を準備しましょう。また、紙以外にもExcelを利用して作ることもできます。 

ステップ② 中央のマス目にメインテーマを書き込む 

次に、中央のマス目に実現したいメインテーマを書き込みます。メインテーマは一番大きな目標です。例えば、「年商を前年比120%増」や「営業活動の強化」などです。 

ステップ③ メインテーマの周囲に要素を書き込む 

3番目の手順は、メインテーマの周囲に8つの要素を書き込むことです。要素はメインテーマを実現するために、必要と考えられる内容です。例えば、メインテーマを「年商を前年比120%増」とすると、「集客数を前年比120%増」や「人気商品の開発」などが考えられます。 

ステップ④ 周囲の中央のマスに要素を書き込む 

4番目の手順は、先のステップ③で書き込んだ8つの要素を、周囲の中央のマス目にそのまま同じ内容を書き込むことです 

ステップ⑤ 要素を達成するための目標を書き込む 

最後に、要素の周りを囲むように目標を書き込みます。目標は中央の要素を達成するために必要な内容です。例えば、要素が「集客数を前年比120%増」とすると、目標は「SNSのアカウントのフォロワーを1万人増やす」や「広告費を倍増する」などが考えられます。 

1つの要素に対して8つの目標を書き込むと、次の要素に進みます。これを繰り返して、全ての要素の目標を埋めると完了です。 

また、完了したからと言って、あとは何もしないで良いというわけではありません。定期的に進捗を確認するなどの対応が必要です。 

マンダラートの作成時の注意点 

マンダラートの作成時に注視すべき点は2つあります。効果を減少させることがないように、この章ではマンダラートの作成時の注意点を紹介します。 

全てのマスを埋める 

マンダラートの作成時の注意点は、全てのマス目を埋めることです。「思い浮かばない」や「十分検討した」などの理由で、マス目を空欄にしたくなるかも知れません。しかし、全てのマス目を埋めることがマンダラートの効果を高める重要なポイントです。どうしてもマンダラートのマス目が埋まらない場合は、要素の変更も検討しましょう。 

要素の重複を避ける 

マンダラートの作成時の注意点は、要素の重複を避けることです。要素に重複があると、実質的に7つの要素でメインテーマの実現を目指すことになり、本来の使い方と異なるためです。また、目標については重複しても問題ありません。実際に、大谷翔平選手の例では、「体幹強化」「下肢の強化」「可動域」など、目標の項目で複数重複していることが確認できます。 

ビジネスでのマンダラート活用例 

マンダラートは、様々なビジネスシーンで活用可能です。この章では、ビジネスにおけるマンダラートの活用例を紹介します。 

新規事業のアイデア出し 

1つ目の活用例は新規事業のアイデア出しです。例えば、メインテーマを「新規事業のアイデアを10件出す」とします。要素は「市場調査によるニーズの洗い出し」「他部署との連携」などと設定することで、それぞれの部門で新たなアイデアの創出を促進できるでしょう。 

マーケティングの強化 

2つ目の活用例はマーケティングの強化です。例えば、メインテーマを「マーケティングの強化」として、要素に「ターゲット顧客」「市場分析」「競合他社」などを設定します。これらの要素をさらに目標に落としこむことで、具体的なマーケティング計画を策定できるでしょう。 

マンダラートを事業の課題解決に役立てよう 

マンダラートは、アイデアの創出や目標達成に役立つフレームワークです。ビジネスにおいても、新規事業のアイデア出しやマーケティングの強化など、様々なシーンで活用できます。手軽に実践できるフレームワークですので、事業の課題解決に役立ててみてはいかがでしょうか。