TikTok売れとは?企業が活用する方法と成功事例を紹介

TikTokは、主に短時間の動画を共有するためのSNSです。Shopifyの「TikTokのユーザー数や年齢層は?2024年の最新統計データ15選」によると、日本の10代~20代の48%が利用しています。

そして、若年層に人気のTikTokを活用したマーケティングで注目されているのは、TikTok売れです。今回は、TikTok売れの概要や企業が活用する方法、成功事例を紹介します。

Contents

TikTok売れとはどんな現象

TikTok売れとは、TikTokの投稿や広告が多くの人に拡散されることで、爆発的に商品が売れることです。

特に、2021年にTikTokから多くの製品が大ヒットしました。そのため、日経トレンディの「2021年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」では、1位のキーワードにTikTok売れが選出されました。

TikTokで商品が売れる背景

TikTokで爆発的に商品が売れる背景には、以下の3つが挙げられます。

  • ユーザー生成コンテンツであること
  • 商品の魅力が伝わりやすいこと
  • 拡散性が高いこと

3つの背景について詳しく解説します。

ユーザー生成コンテンツであること

TikTokで投稿されるコンテンツは、ユーザーが生成したコンテンツのため、他のユーザーから親近感や信頼感を得やすいのが特長です。そのため、商品・サービスの認知度の拡大や購買意欲を高める効果が期待できます。

商品の魅力が伝わりやすいこと

TikTokは、商品の使い勝手や口コミを動画で伝えられるので、画像やテキストに比べて分りやすいのが特長です。例えばコスメであれば、使用前・使用後を比較することで、使用感をイメージしやすくなります。

拡散性が高いこと

TikTok売れが起きる背景の1つは、拡散性の高さです。企業やインフルエンサーの投稿を見たユーザーが商品を購入し、新たに投稿することで、さらに広がっていくためです。このような流れで拡散されることにより、認知度が高まります。

企業がTikTokを活用するメリット・デメリット

企業がTikTokを活用したマーケティングを展開する場合、メリットだけではなく、デメリットについても押さえておく必要があります。メリット・デメリットの一覧は、以下のとおりです。

メリット・費用対効果が高い
・拡散されやすい
デメリット・炎上するリスクがある

メリット① 費用対効果が高い

企業がTikTokを利用するメリットは、費用対効果が高いことです。TikTokは基本的に無料で利用できるSNSのため、費用をかけずに情報を発信できます。また、個人アカウント・ビジネスアカウントのどちらも無料で利用できます。

メリット② 拡散されやすい

TikTokはフォロワー数が少なくても、おすすめ動画として表示されることもあるため、多くのユーザーに見てもらえます。一方、InstagramやX(旧Twitter)は、フォロワー数が少ないと投稿を見られる機会も多くありません。そのため、TikTokは情報が拡散されやすいSNSで、商品・サービスの認知度を高めたい企業にとって有効なプラットフォームです。

デメリット① 炎上するリスクがある

TikTokを活用したマーケティングのデメリットは、投稿内容によって炎上するリスクがあることです。1度炎上すると、ブランディングにマイナス影響を与えるため、投稿内容は適切かどうかを確認する必要があります。

企業がTikTok売れを狙う方法

企業が意図的にTikTok売れを狙うには、以下の3つの方法があります。

  • 自社アカウントで情報を発信する
  • インフルエンサーマーケティングを実施する
  • TikTok広告を活用する

各方法について解説します。

自社アカウントで情報を発信する

1つ目の方法は、自社アカウントで情報を発信する方法です。

企業が自社アカウントを作成する際は、ビジネスアカウントをおすすめします。プロフィール情報の追加やインサイト分析、投稿動画の分析など、マーケティングに役立つ機能を利用できるためです。

インフルエンサーマーケティングを実施する

2つ目の方法は、インフルエンサーマーケティングです。

インフルエンサーマーケティングはインフルエンサーに依頼して、商品・サービスを紹介してもらう方法です。多くのフォロワー数がいることから、より拡散されやすいのが特長です。フォロワーやファンの購買意欲を高めるのにも役立ちます。

TikTok広告を活用する

TikTokには、個人アカウント・ビジネスアカウント以外に広告アカウントがあります。広告アカウントを作成すると、TikTok広告に出稿できます。

TikTok広告の代表例は、「ハッシュタグチャレンジ広告」です。ハッシュタグチャレンジ広告は、同じハッシュタグでユーザーが動画を撮影・投稿することを促すことで、一気に拡散される広告です。このような広告はTikTok売れを意図的に作り出すのに役立ちます。

TikTok売れの成功事例3選

TikTokを活用したマーケティングを検討している方のために、成功事例3選を紹介します。

書籍:残像に口紅を

「残像に口紅を」は、筒井康隆氏の著書で1989年に出版された小説です。

2021年7月、出版から30年以上経過しているのにも関わらず、通販サイトで突然大ヒットしました。その反響の大きさから3万5,000部の重版が決定しています。

突然の大ヒットの要因は、1人のTikTokユーザーが投稿した動画です。動画が拡散されたことにより、魅力が多くの人に伝わり、TikTok売れにつながりました。

参考:Business Insider Japan「「TikTok売れ」で30年前の実験的SF小説が3万5000部の緊急重版……メガヒットに出版社も熱視線

化粧品:リップモンスター

リップモンスターは、カネボウ化粧品の口紅です。コロナ禍による影響で口紅が売れないという風潮の中、登場した商品です。マスクをしていてもメイクを楽しみたい方に向けて開発されました。マーケティングのプラットフォームとしてTikTokを選択し、オリジナル開発したエフェクトを利用することで、ユーザーが拡散しやすいように配慮しました。

すると、発売から約1年で累計出荷本数350万本という大ヒットにつながっています。

参考:TikTok for Business「「TikTok売れ」が起きる理由とは?「ケイト」“リップモンスター”の大ヒットの裏側をひも解く

飲料:ファイブミニ

ファイブミニは、大塚製薬が販売している食物繊維補給飲料です。開発されたのは1986年で、長い間、定番商品として人気がありました。しかし、30代以上の認知度が高い一方で、若年層の認知度の低さが課題でした。

そのようなとき、TikTokであるユーザーがファイブミニについて動画を投稿し、拡散されます。その結果、突然1日の販売数が2倍になるTikTok売れが起きました。

それまでは30~50代をターゲットにプロモーションを展開していましたが、この件をきっかけにTikTok広告へ出稿するようになり、大きな成果を上げています。

参考:TikTok for Business「TikTokで若年層を購買に結び付けた大塚製薬「ファイブミニ」

若年層へのアプローチはTikTokの活用を検討しよう

TikTokは費用対効果が高く、拡散されやすいことから、マーケティングに有効なプラットフォームです。実際にTikTok売れという言葉が注目されるほど、大ヒットにつながった事例が多くあります。若年層へのアプローチに悩んでいる方は、この機会にTikTokの活用を検討してみてはいかがでしょうか。