
会議が形骸化し、発言が減ってしまうと、チームから活気や創造性が失われていきます。このような状態では、成果を上げることは難しいでしょう。
「会議の質を向上させたい」
「もっと意味のある議論をしたい」
このように感じているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そのような課題を抱える方に向けて、オフサイトミーティングの意味やメリット・デメリット、進め方をわかりやすく紹介します。
オフサイトミーティングとは何か?
オフサイトミーティングとは、オフィスを離れた外部の場所で行う会議のことを指します。「オフサイト(off-site)」は直訳すると「離れた場所」という意味です。なお、通常のオフィス内で行う会議は「オンサイトミーティング」と呼ばれます。
日本国内において、「オフサイトミーティング」という言葉は、株式会社スコラ・コンサルトによって商標登録された独自の会議手法です。自由な発言を引き出し、活発な議論を促す方法として、様々な企業が活用しています。
会場は、ホワイトボードやモニターなどの基本的な設備が整った場所が選ばれることが一般的で、議論をスムーズに進めるための環境づくりも重要とされています。
オフサイトミーティングのメリット

オフサイトミーティングには、オフィス内の会議では得られにくい多くのメリットがあります。非日常の空間で行うことにより開放感が生まれ、参加者の意欲が高まるからです。ここでは、主な3つのメリットを紹介します。
メリット① 新しいアイデアが生まれる
オフサイトミーティングの魅力は、非日常的な環境に身を置くことで参加者がリフレッシュできる点です。リラックスした雰囲気の中では、些細な疑問や意見も自然と発言しやすくなります。このように、多様な視点からテーマを捉えることで、今まで見過ごされていた課題や改善点が明らかになることも少なくありません。
さらに、非日常の場では参加者同士の緊張感が和らぎ、本音で意見を交わしやすくなります。こうした複数の要素の相乗効果によって、オフサイトミーティングは新しいアイデアを生み出すのに役立ちます。
メリット② チームの強化につながる
オフサイトミーティングは、チームの結束力を高める上で非常に効果的です。オフィスを離れた環境では参加者の緊張がほぐれ、自然と会話が増えやすいからです。また、場所が変わることで、普段意識されがちな役職や立場の壁が和らぎ、上下関係にとらわれない対話が生まれやすくなります。こうした自由な雰囲気の中で、活発な意見交換が促進され、本音でのコミュニケーションが可能です。
メンバー同士が本音で語り合うことで、互いの理解が深まり、信頼関係の構築にもつながります。その結果、チーム全体の一体感が生まれ、日常業務においてもスムーズな連携が期待できるのです。このようにオフサイトミーティングは、単なる会議ではなく、チームビルディングの場としても大きな価値を持っています。※チームビルディングとは、各メンバーが自身の力を最大限発揮し、目標を達成できるようにする取り組みのこと。
メリット③ 会議に集中できる
オンサイトミーティングでは、電話やメール、来客などが会議の妨げになることがあります。一方、オフサイトミーティングは、通常の業務から切り離された環境で行われるため、こうした中断が少なく、参加者は会議に集中できます。また、設備が整っている会場が多いのも集中しやすい要因の一つです。
オフサイトミーティングのデメリット
オフサイトミーティングには多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットもあります。ここでは、開催する前に押さえておきたい3つのデメリットを紹介します。
デメリット① 開催にはコストがかかる
オフサイトミーティングを開催するには、会場費用や交通費など、様々なコストが発生します。特に人数が多い場合は、コストも大きくなるため注意が必要です。
デメリット② 業務の調整が必要になる
オフサイトミーティングを実施する際は、参加者の業務の調整が不可欠です。会議の時間中に対応すべき業務がある場合、その対応を誰がどのように行うのかを、事前にしっかり決めておく必要があります。また、参加者全員が同じ時間に集まるには、できる限り早期にスケジュールを確保しておくことも大切です。
デメリット③ 場所を変えただけで終わる可能性がある
オフサイトミーティングの典型的な失敗は、「場所だけ変えて、内容が従来の会議と同じだった」というケースです。たとえ環境を変えても、目的が曖昧であったり、進行が不十分だったりすれば、参加者は何のために集まったのかわからず、成果につながらないまま終わってしまいます。
こうした事態を避けるには、事前に目的やテーマを明確にし、共有しておくことが大切です。オフサイトミーティングの開催には、このような形式だけで終わらせない工夫が求められます。
オフサイトミーティングの進め方

オフサイトミーティングを成功させるには、場所を変えるだけでは不十分です。ここでは、効果的に進めるための手順を紹介します。
手順① 目的やテーマを明確にする
オフサイトミーティングを実施する前に、まず「何のために行うのか」という目的やテーマを明確にすることが重要です。特に効果的なのは、参加者全員が意見やアイデアを出し合えるテーマにすることです。例えば、チームの課題の洗い出しや、業務改善のアイデア出しといった内容が適しています。
手順② 参加者を選定する
オフサイトミーティングを効果的に進めるには、参加者が自由に発言しやすい環境づくりが欠かせません。そのため、少人数での開催が理想的です。議論に必要な視点や知識を持つメンバーを選定しましょう。参加者が決まったら、目的やテーマを共有します。
手順③ 会場を選定する
オフサイトミーティングの魅力は、普段とは異なる「非日常的な空間」で会議できることです。そのため、会場選びは成功の鍵を握る重要なステップです。会場を選ぶ際は、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- アクセスのしやすさ
- 設備の充実度
- 開放的な雰囲気
- 適切な広さかどうか
目的やテーマに合った会場を選ぶことで、参加者の集中力や発言意欲を高めることができます。
手順④ 進行計画を設計する
時間配分や議題の順序、役割分担をあらかじめ設計しておくことで、当日の進行がスムーズに進みます。押さえるべきポイントは次の通りです。
- 必要な資料や備品
- 会議全体のタイムスケジュール
- 各セッションの目的やテーマ
- ファシリテーターの配置
進行計画は、事前に参加者に共有しておくと、より活発な議論につながります。
手順⑤ 会議を実施する
当日はファシリテーターを中心に、参加者が自由に発言しやすい雰囲気をつくることが重要です。また、ファシリテーターは時間配分に注意しつつ、議論の脱線を防ぐ柔軟な対応も求められます。
手順⑥ フィードバックをもらう
オフサイトミーティングが終了したら、参加者からのフィードバックを集めましょう。得られた意見や感想は、次回のミーティングをより効果的にするための貴重な材料になります。
フィードバックの方法としては、アンケートの配布や口頭でのヒアリングなどが一般的です。参加者が気軽に回答できる形式を選ぶことで、率直な意見を集めやすくなります。
チーム力の強化ならオフサイトミーティング
オフサイトミーティングは、いつもの会議では得られない気づきや関係性の変化をもたらす有効な手段です。ただし、場所を変えるだけでは、成果を上げられない可能性があります。
目的の明確化や適切な参加者選定、進行計画などの準備が不可欠です。メリット・デメリットを正しく理解し、丁寧に設計されたミーティングを実施することで、チームの成長と組織の活性化につながります。チーム力でお悩みのご担当者様は、この機会にオフサイトミーティングを検討してみてはいかがでしょうか。