OATHの法則とは?顧客の問題意識レベルを活用したフレームワーク

「顧客の心を掴み、売上を最大化するにはどうすればいいのか?」 

このような課題を抱えているビジネスパーソンに紹介したいのが、「OATHの法則」です。OATHの法則は、顧客の問題意識レベルに合わせたアプローチをするフレームワークです。活用することで、顧客の心に響くマーケティングを展開しやすくなります。 

本記事では、「売上を増やしたい」と戦略を模索しているビジネスパーソンに向けて、OATHの法則の概要や問題意識レベル別のアプローチ方法を解説します。 

Contents

OATHの法則とは 

OATHの法則は、以下の4つの要素から構成されるフレームワークです。 

Oblivious(無知):問題を認識していない状態 
Apathetic(無関心):問題を認識しているが無関心の状態
Thinking(関心):解決策を考え始めている状態 
Hurting(悩み):問題を今すぐ解決したいと感じている状態

このように、顧客の問題意識レベルを4つに細分化し、各レベルに応じたアプローチをすることで効果的なマーケティングが可能になります。OATHは要素の頭文字から取った言葉で、読み方は「オース」です。 

このフレームワークを考案したのは、世界的なコピーライターの権威であるマイケル・フォーティン氏です。同氏は、35年にわたりマーケティング戦略の開発に携わり、業界を代表するリーダーとして活躍しています。 

顧客の4つの問題意識レベル 

OATHの法則は、顧客の問題意識レベルを4段階に区分する手法です。活用するには、各レベルの顧客がどのような状態かを押さえておくことが大切です。ここでは、各レベルの顧客の状態とその特徴を紹介します。 

Oblivious:問題を認識していない 

Obliviousは、「無知」や「気づいていない」という意味です。このグループの顧客は、問題があることに気づいていません。問題意識を抱えていないため、4つのレベルの中で最もアプローチが難しいグループです。 

例えば、音声やスマートフォンで操作できるスマート家電は、生活を便利にする製品です。しかし、そもそもスマート家電を知らない人やその利便性をイメージできない人は、自宅の家電がスマート家電でなくても問題と認識することはないでしょう。 

このような顧客に、スマート家電であることを強調してもあまり響きません。「外出先からエアコンを操作できる」や「声だけで照明を調整できる」など、利便性を具体的に伝え、問題意識を芽生えさせることから始める必要があります。 

Apathetic:問題を認識しているが無関心 

Apatheticは、「無関心」や「無感情」という言葉です。このグループの顧客は、問題を認識していますが、問題を解決することに関心がありません。例えば、自宅の家電製品の使い勝手が悪いと思いながらも、「使えればいいや」と買い替えを検討していない人が該当します。 

このような顧客は、「解決しても大きなメリットはない」と感じていることでしょう。そのため、「最新家電に買い替えると、時間の大幅な節約になる」のように、問題を解決することでどのようなメリットがあるかを伝え、課題解決の関心を引き出す必要があります。 

Thinking:解決策を考え始めている 

Thinkingは、「思考」や「考える」という意味です。このグループの顧客は、問題解決に関心があり、解決策を考え始めている方です。例えば、「最近、洗濯機の調子が悪いから、壊れる前に買い替えよう」という方が該当します。 

このような顧客は、問題を解決する意思があるため、「おすすめの洗濯機を紹介する」といった具体的な解決策を提示することが有効です。つまり、問題解決の方法を提案することで売上アップにつながるグループと言えます。 

Hurting:今すぐ解決したい 

Hurtingは、「痛み」や「苦悩」という意味です。このグループの顧客は、今すぐ問題を解決したいと考えている方です。例えば、「洗濯機が壊れてしまい洗濯できなくて困っている。今すぐ買い替えたい」という方が該当します。強いニーズがあることから、4つのレベルの中で最も成約につながりやすいグループです。 

OATHの法則の特徴 

OATHの法則には、2つの特徴があります。効果的に活用するために、ここで特徴について押さえておきましょう。 

ターゲットの数は問題意識が深化するほど減少する 

OATHの法則では、顧客の問題意識のレベルがOからHに深化するほど、対象となる顧客の数が減少します。つまり、最もターゲットの数が多いのは「Oblivious」で、最も少ないのは「Hurting」です。 

そのため、売上アップにつながりやすいグループは「Thinking」や「Hurting」ですが、このグループばかりにアプローチしてもいずれは見込み顧客が枯渇してしまいます。そこで、数の多い「Oblivious」や「Apathetic」のグループにアプローチして、「Thinking」や「Hurting」に育成することが大切です。 

問題意識レベルごとに適した訴求方法が異なる 

OATHの法則のもう一つの特徴は、顧客の問題意識のレベルごとに最適な訴求方法が異なる点です。例えば、Obliviousは問題を認識していないため、強いニーズがあるHurtingのグループと同じように訴求してもほとんど響きません。自社のビジネスモデルに合わせて、各レベルに応じたアプローチを検討する必要があります。 

各レベルのアプローチの仕方 

先に紹介したように、OATHの法則では、各レベルのアプローチを最適化することが重要です。ここでは、各レベルのアプローチの仕方を紹介します。 

Oblivious:問題を認識してもらう 

Obliviousのグループには、問題を認識してもらうことが重要です。しかし、問題を認識していない顧客は、自分からインターネットなどで情報を積極的に収集することはほとんどありません。そこで、このグループにアプローチするには、テレビCMやラジオCMなどのマス広告が有効です。不特定多数の潜在顧客に向けて情報を発信することで、一人でも多くの方が問題を認識してくれる可能性が高くなるからです。 

ただし、Obliviousは最もアプローチが難しいので、短期間で結果を出したい場合やリソースに余裕がない場合は無理にアプローチする必要はありません。 

Apathetic:問題解決の必要性を理解してもらう 

Apatheticのグループには、問題解決の必要性を理解してもらうことが重要です。そのためには、ホワイトペーパーやオウンドメディアのコンテンツの作成が効果的です。例えば、導入事例や問題解決によって得られるメリットを紹介することで、顧客の関心を引き出すことができます。 

Thinking:自社製品の強みを伝える 

Thinkingのグループは、すでに問題を認識し、解決の意思も持っています。そのため、Web広告やSEO(検索エンジン最適化)などのように、ターゲットを絞ったアプローチが有効です。さらに、Thinkingの顧客数はHurtingよりも多いため、このグループへのアプローチが最も効率良く売上アップにつながります。 

Hurting:不安要素を除去する 

Hurtingは今すぐ解決したいと思っている一方で、解決方法の実施に踏み切れていない状態です。そのため、このグループには問題解決の背中を押してあげるのが良いでしょう。具体的には、購入に関する不安要素の除去や特典を付与するなどです。 

OATHの法則をビジネスに取り入れよう 

OATHの法則は、顧客の問題意識レベルに応じたアプローチをすることで、効果を高められるフレームワークです。具体的には各レベルに適したマーケティング手法を展開することで、売上の最大化を目指せます。マーケティング手法で悩んでいるご担当者様は、この機会にOATHの法則を取り入れてみてはいかがでしょうか。