マイカー広告とは?ビジネスモデルと広告主のメリット・デメリット

街を歩いていて、車に企業のロゴやキャッチコピーが貼られているのを見かけたことはありませんか?それは「マイカー広告」と呼ばれる、近年注目を集めている新しいプロモーション手法かもしれません。

マイカー広告とは、一般のドライバーが自家用車に企業の広告を掲載し、その対価として報酬を受け取る仕組みです。多くの企業が地域密着型の広告手段として関心を寄せています。

本記事では、マイカー広告のビジネスモデルや広告主側のメリット・デメリット、代表的なサービスを紹介します。

マイカー広告とは

マイカー広告とは、一般のドライバーが自家用車に企業のロゴやキャッチコピー、商品などの広告ステッカーを貼り、街中を走行することで不特定多数の人々にアプローチするプロモーション手法です。

バスや電車のような公共交通で行われるラッピング広告とは異なり、この手法は一般の自家用車に広がっている点が大きな特徴です。車を所有していれば誰でも始められるのに加えて、その手軽さから副業として取り組む人が増えています。

マイカー広告のビジネスモデルとは

マイカー広告のビジネスモデルは、「ドライバー」「広告主」「プラットフォーム」の3者によって成り立っています。それぞれの役割と関係性について解説します。

  • ドライバー(広告を掲載する人)

自家用車に広告主のステッカーを貼り、日常的に走行することで広告による効果を生み出す役割です。報酬は走行距離や掲載期間に応じて、プラットフォームから支払われます。また、多くのプラットフォームではドライバーに対して、「一定距離の走行」や「位置情報の提供」といったルールを設けています。

  • 広告主(出稿する企業・個人)

自社の商品やサービスを広く認知させるために、マイカー広告を活用する企業や個人です。プラットフォームに出稿費を支払い、広告期間・実施地域・掲載台数などの条件を設定して広告を展開します。

  • プラットフォーム(ドライバーと広告主の仲介者)

ドライバーと広告主をつなぐ仲介者です。主な業務は広告ステッカーの制作・配送、ドライバーの走行管理や報酬の支払いなどです。広告主から受け取る出稿費の一部がプラットフォームの収益となります。

広告主側のマイカー広告のメリット・デメリット

マイカー広告は、従来の広告手法と異なる特性を持つプロモーション手法です。ここでは、広告主の視点から見たマイカー広告のメリットとデメリットを解説します。

メリット① 認知獲得に効果がある

マイカー広告は、企業の商品やサービスの認知度を高めるのに効果的なプロモーション手法です。

広告は主に、車の後方ガラスや側面にステッカーを貼る形で掲載します。走行中や停車中に多くの人の目に触れやすく、印象に残りやすいのが特長です。また、通勤時間帯や人通りの多い場所を走行する車両に広告を掲載することで、繰り返し目にすることによる「刷り込み効果」も期待できます。これらの理由から、マイカー広告は効率よく認知度を高めることができるのです。

※「認知獲得」とは、ターゲットとなる顧客に自社商品やサービスの存在を知ってもらうことです。

メリット② 地域密着型のプロモーションを展開できる

広告車両はドライバーの生活圏内を走行するため、地域密着型の広告展開に向いています。例えば、特定の地域に新店舗をオープンする場合や、エリア限定の商品やサービスの認知度を高めたい場合などです。マイカー広告は自然と視界に入りやすく、特定のエリアの顧客に対して効果的に訴求できます。

メリット③ 顧客ロイヤリティを高められる

マイカー広告のメリットの一つは、実際の利用者やブランドのファンがドライバーとして参加できる点です。企業の商品やサービスに好意を持つ顧客が、自分の車にその広告を掲載することで、「好きなブランドの拡販に役立っている」という実感を得られます。このような体験は、ブランドに対する愛着や信頼感を深めるきっかけとなり、顧客ロイヤリティの向上へとつながります。

※顧客ロイヤリティとは、特定のブランドや商品、サービスに対する愛着や信頼のことです。

デメリット① ドライバーの運転マナーによってリスクがある

マイカー広告では、ドライバーの運転マナーが企業のブランドイメージに直接影響を与える可能性があります。例えば、次のような運転をしている車に企業の広告が貼られていたら、どのように感じるでしょうか。

  • 荒い運転をする
  • 交通ルールを守らない
  • 無理な割り込みをする
  • クラクションを頻繁に鳴らす

おそらく、多くの人が不快感を覚え、そのネガティブな印象が広告主のブランドイメージにも悪影響を及ぼすことになります。そのため、マイカー広告を活用する際は、ドライバーの選定に配慮が必要です。

デメリット② 詳細なターゲティングができない

マイカー広告は、走行ルートや時間帯がドライバーの生活スタイルに左右されるため、広告の露出先をコントロールしにくいという特性があります。そのため、「年齢」「性別」「興味」「関心」などの属性に基づいた細かなターゲティングが困難です。特定のセグメントに向けて訴求したい広告主にとっては、この点がデメリットとなる場合があります。

デメリット③ 広告効果の検証が難しい

マイカー広告はオフラインのプロモーション手法のため、視認回数や反応率など、具体的な数値で効果を測定するのが困難です。一部のサービスでは、GPSを活用して走行ルートを追跡するといった取り組みも行われていますが、それでもWeb広告のように正確なデータをもとにした効果の検証はできません。そのため、効果測定を重視する広告主にとって、マイカー広告はやや扱いにくい手法となる可能性があります。

マイカー広告の代表的なサービス

日本国内には、マイカー広告を手がけるプラットフォームが複数存在します。その中から、代表的な2つのサービスを紹介します。

CheerDrive

出典:CheerDrive

CheerDriveはマイカー広告の日本最大級のプラットフォームです。ドライバーの登録者数が80,000人を突破しており、多くのユーザーの協力を得ることができます。CheerDriveの特長は以下のとおりです。

  • 1カ月30万円(1台当たり月1万円で最低30台)から広告出稿できる。
  • 130社以上の豊富な広告出稿の実績がある。
  • ファン巻き込み型の広告出稿ができる。
  • 顧客獲得につながったエリアを把握できる。

WithDrive

出典:WithDrive

WithDriveは、都市部の歩行者に向けた訴求力の高いマイカー広告サービスを提供しています。一般ドライバーの自家用車に加え、配送車両・タクシー・福祉車両など、多様な車両との連携が可能です。WithDriveの特長は以下のとおりです。

  • すべての車両の走行ルートをリアルタイムに追跡できる。
  • 複数台の車両を同時に活用して集中的にPRできる。
  • オンライン広告との連携により、オフラインとデジタルを組み合わせたプロモーションを展開できる。

地域密着型のプロモーションならマイカー広告

マイカー広告は、地域密着型で認知獲得に優れた新しいプロモーション手法です。ファンがドライバーとして参加することで、顧客ロイヤリティの向上にもつながります。一方、運転マナーや効果測定の難しさといった課題もあります。話題性のあるプロモーションを展開したい、特定の地域で認知度を高めたいというビジネスパーソンは、マイカー広告への出稿を検討してみてはいかがでしょうか。