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PROVENANSグループ / 事実で決め、実現まで伴走 — 1,400件超の実績

No.001 | 創刊号 | 2026.07.21

アイデアは150本あった。決められない理由は、たった1つだった

評価軸が一枚あるだけで、新規事業の会議は前に進む

sellwell セルウェル通信 No.001 | 2026.07.21
リニューアル創刊号
今号のテーマ ── 新規事業

アイデアは150本あった。
決められない理由は、たった1つだった。

ある中堅電機メーカーで、社内公募のアイデア150本が半年間動かなかった。
足りなかったのは、アイデアではありません。この会社を動かした一枚の「評価表」を、実案件の記録から公開します。

実案件の記録 FILE.001
リニューアル創刊号によせて

セルウェル通信は、本号よりリニューアルしました。これまでは新着コラムのご案内が中心でしたが、今号からは、支援先の実案件データと市場調査から得た知見を、テーマを一つに絞ってお届けします。

扱うのは、事業づくりの現場そのものです。新しい事業の立ち上げ、売り方の設計、商品の磨き込み、市場の見極め——回ごとにテーマを一つ。発行は月2回です。記念すべき第一号のテーマは「新規事業」。ある中堅電機メーカーの実案件から始めます。

題にある「決められない理由は、たった1つだった」——その中身から入ります。

なぜ150本あっても、一つも決まらなかったのか

この会社には技術力があり、社内公募で新規事業のアイデアが150本集まっていました。ところが「どれをやるか」が半年決まらない。現場を整理すると、止まっていた理由は次の3つに分かれました。

① 評価の基準が人によって違う
技術畑の役員は実現性を、営業出身の役員は市場規模を、経営企画は投資回収を見ていた。同じ案の評価が正反対になる。
② 基準の議論を、案の議論と同時にやっていた
「この案は良い/悪い」の議論の中で基準もぶつかるため、毎回ゼロから議論がやり直しになる。
③ 落とす理由を誰も言語化できない
提案者は現場のエース。基準がないまま落とせば「あの人の案を潰した」だけが残る。だから誰も決めない。

3つに見えて、根っこはひとつです。「アイデアが足りない」のではなく、決めるための共通言語がなかった。これが、決められない「たった1つの理由」の正体でした。

実際に使った「評価表」(簡易版を公開)

セルウェルが持ち込んだのは、151本目のアイデアではなく、次のような一枚です。実物を簡略化していますが、構造はこのままです。

評価軸(重み) 見る項目 判定に使う事実
市場性(40%) 市場規模と成長率/顧客の困りごとの深さ/競合の密度 公的統計・業界データ・顧客ヒアリングの一次情報
自社適合(35%) 既存技術の転用度/販路・顧客基盤との接点/担える人材の有無 技術棚卸し・販路マップ・スキル台帳
実現性(25%) 必要投資と回収期間/規制・認証のハードル/撤退のしやすさ 概算投資額・規制調査・撤退条件の事前定義

※重み(40/35/25)はこの会社の合意値。既存事業の成熟度や投資体力で変わります。数字そのものより「先に重みを合意する」ことに意味があります。

順番が9割——「重みの合意」を案の議論より先に

この表で重要なのは、中身より使う順番です。私たちは必ず、個別の案を一切見せる前に「重みだけ」を経営陣に合意させます。案が見えた後に基準を議論すると、自分の推す案に有利な基準を主張する政治が始まるからです。案が見えない段階なら、基準の議論は純粋な経営方針の議論になります。

この会社では、重みの合意に1か月かけました。遠回りに見えて、これが最短でした。基準が固まった後の採点・絞り込みは2か月。150案は7案に集約され、7案すべてが経営会議を通過しました。

1507
アイデアを事業案に集約
1か月
「重みの合意」に投じた期間
7/7
経営会議を通過

自社でやるときの、よくある失敗2つ

失敗①:項目を増やしすぎる。評価項目が15を超えると、採点が作業になり、差がつかなくなります。軸は3つ、項目は9つまで。落とす痛みに耐えられる粒度が上限です。

失敗②:全項目を社内の主観で採点する。「市場性」を社内の感触で点数化すると、声の大きい人の点になります。市場性の項目だけは、統計・顧客ヒアリングなど外の事実を必ず1つ添える。ここで初めて、評価表が政治に勝てます。

ここまで読んで、「うちは案が多すぎて決まらない」型なのか、「そもそもテーマがない」型なのか、思い当たる節があるはずです。止まっている場所によって、最初にやるべきことは全く違います。貴社がいまどこで止まっているか、5分で判定できる無料診断をご用意しました。

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この案件の全記録(どの案が残り、何が落ちたかの分岐まで)は FILE.001 で公開しています。

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※実案件を取り上げる号は毎号ではなく、支援先の公開ご了承がとれた案件のみ扱います。同業界の関係者が読者にいる場合は該当号の配信を除外するなど、運用面でも配慮しています。

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