サステナブルが重要なワケ!意味や取り組み、SDGsとの違いを解説

サステナブルの意味を簡単に説明すると、「持続可能な」です。サステナブルのキーワードは、世界の様々な問題を解決するために注目されています。しかし、以下のような疑問を持っている方もいるでしょう。

「SDGsと何が違うの」

「具体的な取り組みを知りたい」

「なぜ注目されているの」

本記事ではそのような疑問を解決すべく、サステナブルの意味や注目される理由、取り組み事例などを紹介します。

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サステナブルの意味

サステナブル(Sustainable)は、「持続可能な」という意味を持つ言葉です。地球環境や世界経済、文明などが持続可能であるかを表す際に、よく用いられます。具体的には「サステナブルファッション」や「サステナブルな暮らし」といった具合です。

最近よく聞くようになったと思う方もいるでしょうが、実は40年以上前から持続可能性が重要と考えられてきました。例えば1987年の「環境と開発に関する世界委員会」では、「将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズも満たすような開発」を意味する「持続可能な開発」が提唱されました。

SDGsとの違い

引用:外務省「JAPAN SDGs Action Platform

「持続可能」と聞くと多くの方は、「SDGs」を思い浮かべるでしょう。テレビ番組やニュースなどで取り上げられる機会も多く、実際に取り組んでいる企業も増えているためです。

SDGsは「持続可能な開発目標」を意味し、サステナブルとの違いは達成すべき目標値を掲げていることです。具体的には「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」など、17の項目があります。それらを達成するために、「2030年までに、世界中で「極度に貧しい」暮らしをしている人をなくす」といった、さらに細かな169の目標が掲げられています。

つまり、サステナブルの社会を実現するために、2030年までに達成すべき目標を定めたのがSDGsです。

サステナブルが注目される理由

サステナブルが注目される理由は、発展とともに世界中で様々な問題が出てきているためです。このままでは、環境汚染などが深刻になり、後戻りできない状態になるかもしれません。具体的には以下のような問題が指摘されています。

  • 気候変動

世界に影響を及ぼしている気候変動の代表例は地球温暖化です。地球温暖化はCO2などの温室効果ガスの影響により、地球の温度が上昇する現象です。このまま進行すると、21世紀末の平均気温は現在より2.6~4.8度も高くなると予想されています。

たかだか数℃と思うかもしれません。しかし、国内でも急に大雨が降る割合の増加、熱中症の増加、生態系への影響も危惧されています。また2081~2100年の平均海面水位は、1995~2014年と比較すると0.32~1.01mも上昇すると考えられており、ツバルやモルディブといった海抜の低い国が海に沈む可能性が指摘されています。

このような最悪のシナリオを避けるためには、CO2を排出する石油・石炭といった化石燃料からの脱却が必要です。そのため、サステナブルな取り組みとして脱炭素社会を目指すカーボンニュートラルが推進されているのです。

参考:気象庁「地球温暖化

参考:気象庁「世界の過去および将来の海面水位変化

  • 汚染問題

人々の経済活動による汚染問題も深刻です。その一例として、世界中に拡散されているマイクロプラスチックが挙げられます。マイクロプラスチックは5mm以下のプラスチックのことで、分解されるまでに非常に長い年月がかかります。人類の経済活動の少ない北極海からも検出されているほど、環境汚染が進んでいるのが現状です。

マイクロプラスチックの何が問題かといえば、海中に多く漂っているため海洋生物が体内に取り込んでしまうことです。それらの海洋生物を食べると、私たちの体にも取り込むことになります。このような、マイクロプラスチックを取り込んでしまう影響ははっきりと判明していません。しかし、化学物質を体内に取り込んでしまうのは、人や生物にとって決して良いことではないでしょう。

そのため、世界的にプラスチックに関する規制が強化され、国内でもレジ袋が有料になっています。

参考:ArCS II「海面を漂うマイクロプラスチックを調査

個人でできるサステナブルな暮らしとは

サステナブルな社会の実現には、国や企業だけではなく、個人の取り組みも重要です。そこで、個人でできる3つのサステナブルな暮らし方について紹介します。

食品ロスを減らす

我が国で1年間に廃棄される食品の量は、年間522万トンにもなり、日本人1人あたり年間41kgです。食品を作るためには環境への負荷がかかるため、食品ロスは環境にやさしくありません。また、世界中の飢餓をなくすためにも、このような食品ロスをなくすことが重要です。

そのため、まず個人でできるサステナブルな暮らしは「食品ロスを減らす」ことです。具体的には以下の4つがポイントとなります。

  • 食べきれないほどの量を買わない
  • 残っている食材から使う
  • 買い物の前に本当に必要な食材を確認する
  • 消費期限の近いものを避けない

ついつい消費期限の近いものを避けて、陳列の後ろから商品を取ってしまうかもしれません。しかし、すぐに料理に使うのであれば、消費期限・賞味期限の近いものを選ぶことで食品ロスを防げます。

参考:農林水産省「食品ロスとは

プラスチックゴミを減らす

プラスチックゴミは先述したように、海洋汚染の原因となります。サステナブルな暮らしをするには、できる限りプラスチックを使わないことが重要です。個人でもできるおすすめの方法は以下のとおりです。

  • マイバッグを利用する
  • プラスチックのフォークやスプーンの代わりにマイ箸を使う
  • 詰め替え用ボトルを繰り返し使う
  • プラスチックの使い捨てコップの代わりにマイボトルを使う

このように、ちょっとした工夫をすることでプラスチックゴミの量を減らせるでしょう。

サステナブル商品を選ぶ

サステナブルな暮らしを実現する方法として、サステナブル商品を積極的に選択するのも1つの方法です。例えば、リサイクル素材を原料としたサステナブルファッションや、梱包をプラスチックから紙に変更した食品などです。

企業のサステナブルな取り組み事例3選

企業においてもサステナブルな取り組みが求められています。なぜなら、持続可能な社会を実現するという気運が高まるなか、企業価値を高めるのに重要なためです。ここでは国内企業の3つの事例を紹介します。

ユニクロ

引用:ユニクロ「UNIQLO Sustainability

ユニクロでは、リサイクルした服から新たな服を生み出す循環型「RE.UNIQLO」に取り組んでいます。RE.UNIQLOの主な活動は以下の3つです。

  • 服を回収して服にリサイクル
  • 服を燃料や素材にリサイクル
  • 服を支援衣料としてリユース

これらの取り組みにより環境負荷・資源の無駄を抑え、サステナブルな社会の実現に貢献しています。

参考:ユニクロ「RE.UNIQLO あなたのユニクロ、次に生かそう。

TOYOTA

引用:TOYOTA「SDGsへの取り組み

TOYOTAは、トヨタ・キルロスカ・モーターで再生可能エネルギーの電力導入100%を達成しました。さらには、年齢や性別、人種、民族など多様性を尊重した働きやすい環境整備も評価されています。

参考:TOYOTA「サステナビリティ

森永製菓

引用:森永製菓「モリナガ・サステナブル~笑顔を未来へつなぐプロジェクト~

森永製菓はサステナブルな取り組みに熱心な企業です。例えば、「1チョコ for 1スマイル」は2008年から行っている取り組みで、森永チョコ1個につき1円を「カカオの国の子供たち」へ支援しています。支援総額は2022年時点で、2.9億円を突破しました。ほかにも主力商品のパッケージの変更によるプラスチックの削減や、カカオ産業における児童労働の撤廃など、様々な分野で持続可能な社会の実現に力を注いでいます。

参考:森永製菓「1チョコ for 1スマイル

まとめ:サステナブルな暮らしを始めてみよう

サステナブルとは「持続可能な」という意味で、世界の様々な問題を解決しつつ、さらなる発展を遂げるために重要視されているキーワードです。世界的な問題には環境汚染や気候変動などがあります。それらの改善・解決のために2030年までに達成すべき目標を示したのがSDGsです。

国内においてもすでに多くの企業がサステナブルな取り組みをしており、持続可能な社会の実現に向けて動き出しています。個人でもできることはありますので、ぜひこの機会にサステナブルな暮らしを始めてみてはいかがでしょうか。