顧客理解を深める共感マップとは?目的や書き方を徹底解説

新規事業や新商品の開発、マーケティング施策の成功には顧客理解が重要です。そのような際に役立つフレームワークが共感マップ(エンパシーマップ)です。 

共感マップを使うことで、顧客の感情や行動を様々な角度から整理でき、プロジェクトの精度を高められます。 
本記事では、共感マップの基本的な考え方や目的、作り方を徹底解説します。 

共感マップとは 

共感マップは、ペルソナの感情や行動をシートに書き出すことで、顧客理解を深めるフレームワークです。ペルソナとは、年齢や性別、職業、ライフスタイル、趣味・嗜好などを細かく設定した具体的な顧客像のことです。 

顧客理解を深める手法として、ペルソナを設定する方法はよく使われます。しかし、ペルソナだけでは顧客の感情や行動の背景を十分に捉えきれないことがあります。 

その弱点を補うのが共感マップです。ペルソナよりも深く顧客を理解できる手法として、多くのビジネスシーンで活用されています。 

目的 

共感マップの目的は、ペルソナの行動や感情を分析・共感することで、顧客理解を深めることです。顧客視点に立った意見やアイデアを出しやすくなります。 

メリット 

プロジェクトで共感マップを活用するメリットは次のとおりです。 

  • 顧客のニーズや課題を把握できる 
  • 質の高い商品やサービスを提供できる 
  • 顧客の不満や商品の改善点を明確にできる 
  • 顧客体験が向上する 

これらのメリットにより、顧客満足度の向上が期待できます。そのため、共感マップはプロジェクトの成功確度を高めるのに有効なフレームワークと言えます。 

共感マップの構成要素 

共感マップは6つの要素から構成されるフレームワークです。各要素について解説します。 

見ていること 

顧客が日常的に目にしている情報を整理する要素です。 

例 

  • SNSで友人の投稿をチェックする 
  • ファッション誌で最新のコーディネートを確認する 
  • 休日はお気に入りのYouTubeチャンネルを視聴する 

顧客がどのような情報に触れているかを把握することで、効果的な情報の発信方法を検討できます。 

言っていること 

顧客が実際に声に出している言葉や行動を整理する要素です。 

例 

  • 新たに機能を追加して欲しい 
  • 価格が高すぎる 
  • 価格比較サイトから最安値の商品を探している 

具体的な発言や行動は、顧客のニーズや課題の把握に役立ちます。この要素を整理することは、商品やサービスの改善点を洗い出す上で重要です。 

聞いていること 

顧客が周囲から得ている情報を整理する要素です。友人や同僚、テレビ、インフルエンサーからの情報などが該当します。 

例 

  • パソコンの買い替えにあたり、インフルエンサーの意見を参考にした 
  • 通勤時間にスマートフォンで洋楽を聴く 

この要素を整理することで、顧客が普段どのような情報に触れているのか、誰の意見を参考にしているのかを把握する手がかりになります。 

考えていること 

顧客が日常生活や購買行動の中で何を考えているかを整理する要素です。 

例 

  • 本当にこの商品は自分に必要なのか 
  • 価格に見合う価値があるのか 

この要素は口に出したり行動に表れたりするわけではありませんが、不安や願望などが含まれることもあります。 

痛み・ストレス 

顧客が不満やストレスを感じている部分を整理する要素です。 

例 

  • 商品の操作が複雑で、使いにくいと感じる 
  • 注文や手続きに時間がかかる 

こうした不満やストレスは、顧客満足度の低下につながります。事前に把握し改善策を講じることで、客離れを防ぐのに役立ちます。 

得られるもの 

顧客が望んでいる商品やサービス、体験を整理する要素です。 

例 

  • 新しいパソコンを購入できると嬉しい 
  • 仕事で上司からより高く評価されたい 

この要素は顧客のニーズや願望のため、満たすことで、効率的に顧客満足度を高めることができます。 

共感マップの作り方の手順 

共感マップはメリットが多いものの、作り方を誤ると情報が偏る可能性があります。そこで、ここでは共感マップの作り方の手順を紹介します。 

手順① ペルソナの設定 

共感マップを作成する際は、まずターゲットの顧客となるペルソナを詳細に設定することが重要です。背景が細かく設定されていることで、ペルソナは普段どのような考えを持ち、どのような行動をしているのかをイメージしやすくなるからです。 

手順② ブレインストーミングで要素を埋める 

ペルソナの感情や行動を推察し、共感マップの6つの要素を埋めます。この段階では、意見の量が大切です。そこで、MECE(漏れなく、ダブりなく)やブレインストーミングの考え方を取り入れましょう。 

2つの考え方については、「MECEとは」と「ブレインストーミングとは」の記事をご参照ください。 

手順③ インタビューやアンケートを実施する 

ペルソナを基に作成した共感マップの内容は、必ずしも顧客の実態と一致しているとは限りません。そのため、顧客にインタビューやアンケートを行い、仮説が正しいかを確認することが重要です。また、調査で得られた結果を共感マップに反映することで、より精度の高い顧客分析ができます。 

手順④ プロジェクトメンバーで共有する 

完成した共感マップは、プロジェクトメンバーで共有します。チーム全体で共通認識を持つことで、プロジェクトの方向性がぶれにくくなります。 

共感マップを作成する際の注意点 

共感マップを作成する際は情報が偏ったり混同したりするのを防ぐため、以下の3つの点に注意しましょう。 

  • 複数人で作る 

共感マップを1人で作ると、視点が偏ったり重要な情報を見落としたりする可能性があります。複数人で意見を出し合うことが大切です。 

  • サービスとのつながりを持たせる 

顧客の行動や感情を整理するだけでなく、自社のサービスや商品との関連性を意識しましょう。これにより、議論が脱線するのを防ぎつつ、実務に活かしやすくなります。 

  • ペルソナ1人あたり共感マップを1枚作る 

複数のペルソナで実施する際は、情報が混同しないようにペルソナごとに共感マップを作成します。 

顧客満足度の向上に役立つフレームワーク 

共感マップ以外にも、顧客理解を深め、顧客満足度の向上に役立つフレームワークは存在します。目的や状況に応じて適切に使い分けることが重要です。ここでは、その中でも2つのフレームワークを紹介します。 

カスタマージャーニー 

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを認知してから、購入に至るまでの道のりを示したフレームワークです。それぞれの段階で適した体験を提供することで、顧客満足度の向上が期待できます。 

同フレームワークの詳細については、「カスタマージャーニーとは」の記事をご参照ください。 

狩野モデル 

狩野モデルは、製品やサービスの品質と顧客満足度の関係を示すフレームワークです。効率的に顧客満足度を向上するための施策を検討する際に役立ちます。 

同フレームワークの詳細については、「狩野モデルとは」の記事をご参照ください。 

共感マップでプロジェクトの確度を高めよう 

共感マップは、ペルソナの行動や感情を整理することで、顧客理解を深めるフレームワークです。顧客満足度の向上が期待できることから、新規事業や新商品の開発の確度を高めるのに役立ちます。ただし、意見が偏りやすい点には注意が必要で、複数の視点から検討することが大切です。 

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