sellwell Contents
Z世代って？
「Z世代」とはどんな世代のことをいうのでしょう？令和に産まれた子供たち？それとも、今までとは違う価値観を持つ世代のことでしょうか？実は、Z世代とは「自分の価値観を大切にする10〜20歳くらいの年代」のことを言います。特に、これまでの世代より「自分の価値観を大切にする」傾向が強いのがZ世代の代表的な特徴と言えるでしょう。
因みに、1970年〜1980年前半に生まれた人たちをX世代、1980年〜1990年前半に生まれた人たちをY世代と呼んでいます。2000年の後半に生まれた人たちはα世代と、既にZ世代の次の世代を呼ぶ名称も存在しています。
このように世代が分けられているのには理由があるのです。理由には諸説ありますが、ここでは2つの理由を紹介します。
1つ目は「商品やサービスを提供するターゲットを明確にするため」と言われています。普段マーケティングに携わっている方は、ここで伝えたいことの本質が分かったかと思います。皆さんにここでお伝えしたいのは、世代間の特徴が定義されていることで商品やサービスを売りたい消費者を決めやすいということです。つまり、マーケティングにおいて消費者のターゲットを分かりやすくする場合です。「ターゲット＝買ってもらいたい世代」を分けるために定義していると言われています。
2つ目は「世代間の格差（ジェネレーションギャップ）を研究する場合」に定義されているようです。年齢が10歳や5歳違う人との会話で、知っていると思って話した単語を相手が知らず、会話が成り立たなかった経験はありませんか？いわゆるジェネレーションギャップですよね。世代によって、文化や価値観、思想が違うことでコミュニケーションを上手くとれない。このギャップを解決する意識が世界的に広まり、相互理解のために世代毎の特徴などを紐解いて世代を定義し研究することが増えてきたそうです。そして、この背景が2つ目の理由と言われています。
では、どのように世代を分けているのか。世代を区別するのに強い影響を与えているのが、インターネットなどの情報技術の普及度合いが関係していると判明してきたそうです。生まれてからどのタイミングでインターネットなどに触れるかが、その人の価値観に深く影響するそうで、触れる時期や回数によってコミュニケーションの取り方や情報収集の仕方、感性にまで影響を及ぼすと言われています。
Z世代は幼い頃を過ぎた時早い時期から、インターネットなど情報技術が発達した環境に囲まれ、オンラインのコミュニケーションやネットを通じて世界の情報に触れることが当たり前になっています。SNSやインターネットの普及により、物心ついた時から様々な価値観を持った人に触れられる環境で育っているのです。そのため、「自分の価値観を大切にする」その傾向が強いと言われているのがZ世代なのです。
Z世代が注目される理由
2020年の時点で、世界の人口の約4分の1がZ世代になったそうです。アメリカでは消費者の中心がZ世代へと移り変わっているようで、Z世代への注目が高まっています。そして、日本でもあらゆる企業がZ世代に注目しています。少子高齢化が進む日本において、なぜZ世代が注目されるのか？その理由を2つ紹介します。
1つ目は「社会人を迎え、今後消費のメイン層となるため」と言われています。
これから、Z世代の多くの人が社会へ進出していきます。そして、Z世代が社会進出を果たした人口とミレニアル世代の人口を足すと、日本全体の人口の約30%をZ世代とミレ二アル世代が占めると予想されています。今後、最も重要な消費者になっていくと予想されているため、Z世代への注目が高まっていると言えるでしょう。
2つ目は「新しい価値観を持っているため」と言えるでしょう。
Z世代の消費行動はミレ二アル世代と似ている点があり、コストパフォーマンスを大切にする特徴が見られます。さらに、コストパフォーマンスへの高い意識に加え、商品やサービスに対し「本当に価値があるのか、使うことで得られる効果は？」など、情報に惑わされず自分にとって価値があるかどうかも大切にしているようです。そのため、購入する前にSNSで検索したり口コミサイトで情報収集したりと、リアリティな情報を重要視している傾向にあるでしょう。今までは、「社会人になったら車は1人1台」「ブランドの鞄や洋服がステータスの一部」といった価値観で購入せず、自分の価値観を軸に消費している点で「新しい価値観を持っているため」と言えるでしょう。
ミレニアル世代との比較
一般的にミレニアル世代は、おおよそ20代半ば〜30代前半の人を呼びます。先程説明したY世代に該当する人たちです。ミレニアル世代は、Z世代に比べて比較的景気が良かった時代を過ごしており、少し楽観主義な傾向があるようです。一方、Z世代はコロナウイルスの流行や東日本大震災など、社会人になる前に不況を経験しており現実主義な面があるとされています。ここでは、「ミレニアル世代とZ世代の価値観の違い」について紹介します。
主に、次のような価値観の違いがあると言われています。
・デジタルの強さ Z世代＞ミレ二アル世代
・Z世代の方が情報技術に対し警戒心が強い
・Z世代の方が個性的な表現を好む傾向がある
ミレニアル世代もデジタルに強いと言われていますが、Z世代の方がよりデジタルに対して強いと言われています。なぜそのような違いが生まれるのでしょうか？それは、生まれてからどの時期にデジタル技術に触れ、以降も触れる機会が多かったかが要因と考えられるでしょう。日本で本格的にSNSが普及し始めたのは、2000年代の始め頃とされており「mixi、GREE、フレンドマップ」などが代表的だったかと思います。ミレニアル世代が10代半ば〜20代前半の時期に流行りました。Z世代がその年齢を迎える時期には「Twitter、Facebook、Youtube」が既に身近にあります。物心が着く年齢からデジタルに触れる環境が整っていることで、デジタル技術に触れる時期が早くなり、触れる機会も多くなりデジタル技術に強い傾向があると考えられるでしょう。
SNSなどに触れる機会が多いだけに、情報への警戒心が強いようです。フェイクニュースやフェイク動画など、誰でも簡単にデジタル情報を加工できるようになりました。そのため、どの情報が正しいのか見極める力が必要とされます。Z世代は、簡単に情報を加工できることも知っているためデジタル情報に警戒心が強い傾向があるようです。
また、Z世代は、どのように作られたのかといった製品が出来上がるまでの過程を大切にしているだけでなく、自分に合ったものやオリジナリティーも求めているようです。コロナ禍においてTikTokでは、手軽に作れるお菓子のレシピやアート体験ができるお店が流行って おり、皆さんもよく見かけるのではないでしょうか。Z世代の自分らしさや自分に合ったものを好む傾向が強いのもミレ二アル世代との違いと言えるでしょう。
Z世代の特徴
様々な特徴があるとされていますが、ここでは3つの特徴に絞って紹介します。
情報収集に使うツールが違う
Z世代の多くは、情報収集のツールとしてインターネットを主流としています。その結果、マスメディア離れがおきているようです。Z世代の情報収集ツールの主流は、Youtube、Instagram、TikTokなどであり、特に新聞や雑誌、ラジオといったマスメディア離れが顕著になってきています。電通若者研究部が実施した大学生を対象としたアンケートによると、Z世代が最も触れているメディアがYoutue、次にテレビ、LINEやSNSの順番になったそうです。しかし、総務省が行ったメディア別の信頼度調査においては、テレビや新聞の情報信頼度は10代や20代にとっても高く、インターネットよりも信頼度は高いようです。
それでは、なぜ、Z世代が新聞や雑誌などから離れているのか？これは、コロナ禍が後押ししているかと思われます。外出を自粛する人が増え、Youtubeを筆頭にNetflixやAbemaなどのネット動画配信サービスが多くなりこのようなサービスに時間を費やす時間が多くなったことが1つの要因と言えるのではないでしょうか。
また、好きな情報や興味ある情報に辿り着きやすいのも背景にあるかと思います。インターネットやSNSの普及により、自分で情報を選べるようになり時間を有効的に使う人が増えたのもマスメディア離れが起きている1つかと思われます。
社会問題に対して意識が強い傾向にある
Z世代は幼い頃に、東日本大震災や異常気象に伴う自然災害を経験してきています。それらの影響なのか、環境問題が引き起こす災害に対して強い関心があり将来の環境に興味が強いと言われています。航空機が与える環境問題にういて「Flying Shame」という言葉が世界的に広まった、有名な環境活動家であるグレータ・トゥンベリ氏もZ世代です。
また、SDGsが発表され環境問題を含め人権問題などにも触れる機会が多くなりました。社会問題に接する時間が増えたことや同世代で活躍している人を目の当たりにしていることで、他の世代よりも意識が強い傾向にあるかもしれません。
所有物が少ない
Z世代はコロナ禍で社会人になった人も多く、経済面で余裕が少ない人が多いためか、物を所有したい欲が小さいとも言われています。その傾向を理由づけるのが、サブスクの利用者層です。GMOが調査した結果によると、サブスク利用者を年代別で比較すると、10〜20代で40%近くを占めており若者の利用が多いようです。
サブスクの利用者がZ世代に多いのは、先程説明した「社会問題に対する意識」や「価値ある商品やサービスに対して消費する」特徴の結果ではないかと思われます。子供のおもちゃのサブスク、洋服や家具のサブスクと様々なサービスがありますが、それらの中でも、特に所有物が少ない特徴を捉えているのがカーシェアリングではないでしょうか。
これらのように、「情報収集に使うツール」「社会問題への意識」「所有物が少ない」3つが主な特徴と言えるでしょう。
Z世代に刺さるマーケティング成功事例
ユニビューティ株式会社の事例を紹介します。ユニビューティーは、クリアコンタクトレンズやカラーコンタクトレンズを販売している企業です。期間限定のポイント10倍キャンペーン情報を、ファッションのコーディネートやコスメ紹介などでInstagramやYoutubeで人気を誇るインフルエンサーを起用して投稿してもらい、同社の公式アカウントへ誘導するようにしました。Z世代から多くの支持を集めるインフルエンサーを起用したことで、集客力が向上した実績があります。
tiktok
TikTokのハッシュタグチャレンジ（＃Chanllenge）を知っていますか？この企画は、「企業がTikTokユーザーにコンテンツ作成や投稿を促し、販売促進に繋げる」ことを目的としています。国内の企業に留まらず、海外の企業も取り組んでおり、食品や医療業界と様々な業界が挑戦しています。その中で代表的な成果をあげたのが、ドミノ・ピザ。新商品の発売と一緒に「＃ドミノチーズ100万」というハッシュタグチャレンジに挑戦したことで有名です。 動画クリエーターで人気を誇る「しなこ」さんを抜擢し、新商品に関する動画投稿をユーザーに投げかけた結果、多数のユーザーが動画を投稿し認知度と売り上げ向上に繋がった実績があります。なんと、グランプリに選ばれた動画投稿者には、100万円の報酬と1日限定本社勤務を提供したそうです。
Youtube
ビスケットで世界から絶大な人気を誇る「OREO」の事例を紹介します。Z世代のマーケティングに力を入れ、アメリカのZ世代が選ぶ好きなブランドランキングにおいて、GoogleやNetflixなどの企業に混じり第5位を取った実績があります。Twitter、Facebook、Instagram、YoutubeとSNSに積極的な活動をしており、Youtubeでは、アレンジレシピや商品紹介をしています。多言語でYoutubeに投稿しているのもあり、現在のチャンネル登録者数は約45万人と驚異的な数字になっています。
まとめ
今回、Z世代の言葉の定義から特徴、Z世代向けSNSマーケティングの事例など、盛りだくさんにお伝えしてきました。情報量が多かったので最初のあたりの内容は記憶に薄いかもしれませんので、紹介した内容をまとめてみました。
- Z世代は「自分の価値観を大切にする10〜20歳くらいの年代」
- Z世代が注目される理由には「今後消費のメイン層となる」「新しい価値観を持っている」を考えられる
- Z世代の主な特徴は3つ。「情報収集に使うツールが今までと違う」「社会問題に対して意識が強い」「所有物が少ない」
また、Z世代の次の世代として、α世代が誕生しています。日本は少子高齢化が加速していきますが、SNSを上手に活用することで、事例で紹介した企業のように成功できる可能性は秘めていると思います。また、タピオカドリンクのようにSNSで話題になり社会現象を巻き起こすこともできるでしょう。ライバル企業がインターネット事業の波に乗り切れていないならチャンスです。是非、SNSなどを駆使して事業の成功に繋げていきましょう。