2019年の厚生労働省の人口動態調査によると、この年に入籍したカップルは約60万人でした。このうち、約半数が結婚式や披露宴を実施しない「ナシ婚」を選択しています。
結婚式の費用や準備の大変さや、新型コロナウイルス感染症の影響などで結婚式を挙げない「ナシ婚」が増えています。本記事では、「ナシ婚」を選択する理由や離婚に影響するか否か、現代の結婚式のスタイル変容についてご紹介します。
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近年の挙式の費用や傾向とは?
「ブライダル総研の結婚トレンド調査2021」では、挙式や披露宴・ウエディングパーティー総額の平均は292万3,000円で、昨年の調査から70万円減少しました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、挙式、披露宴・ウエディングパーティーの予算・金額を当初予定より縮小して実施した人の縮小した金額は、平均124万8,000円縮小となっています。披露宴・ウエディングパーティーの招待客人数を見ても、平均は42.8人で昨年の調査から23.5人減少しており、費用、人数とも縮小傾向にあります。
一方で増加したものとしては、年々増加傾向にあった「一人当たりの飲み物を除く料理費用」の平均は1万6,100円で、2020年の調査からは、500円増加しました。一人当たりのギフト費用の平均も6,800円で、昨年の調査から900円増加し、招待客の一人ひとりの「おもてなし」を重視する傾向にあります。
結婚式を挙げない割合とナシ婚とは?
ナシ婚とは、挙式や披露宴などの結婚式を挙げず、籍だけをいれる結婚スタイルのことです。2010年代以降、ナシ婚の割合は増加傾向にあり、約50%(※)がナシ婚だと言われています。
ナシ婚を選択する理由は?
「ナシ婚」は、2018年に減少したものの、2019年では過去で1番多い48.9%になりました。
ナシ婚を選択した理由としては、経済的事情と授かり婚の増加が相関していると考えられており、主に以下4点でした。
・結婚資金への懸念
挙式や披露宴にかかる費用の総額は平均362.3万円/66.3人とされています。かつての派手婚ブームは去り、結婚式にかかる総額費用は年々減少していますが、逆に招待客1人あたりに充てる費用は増加傾向で結婚式や披露宴を行うには大きな費用がかかります。経済問題で費用を捻出できない方や、結婚式はせずにその分の費用を結婚後の生活費に充てたい方がナシ婚を選択しています。
・式以外にお金を使いたい
結婚式にお金を掛けるよりも、新郎新婦の共通の趣味や生活に費用を遣いたいので結婚式を挙げない選択をする方もいます。
・授かり婚
授かり婚の場合、子供の教育費に充てる傾向もあり、妊婦さんの健康面の懸念やスケジュールの面で、結婚式の開催を選択しないパターンもあります。
・セレモニー行為が苦手
慣例に捉われたくない考えを持ったカップルや、全くウエディングセレモニーに興味がないので記念に特段記念に残す過程を実施しないカップルもいます。
旧来型のセレモニーが苦手な方に人気なのが、現代型の新たな結婚スタイル「フォト婚」「マイクロウェディング」「オリジナルウエディング」です。後段でご紹介します。
ナシ婚」に繋がる?コロナ禍で結婚式の実施率や実施判断とは?
新型コロナウイルス感染症流行後、結婚式を実施することを迷ったと答えた割合は9割でした。 コロナ禍で結婚式の実施に踏み切った理由としては、半数以上が「親・親族が背中を押してくれたから」と回答し、「衛生面で安全な実施が可能だと思ったから」が、次に多い回答でした。また、入籍から挙式までの期間の平均は8.5カ月で、2013年調査以降、最も期間が⾧くなっている点はコロナ影響があると見られています。一方で、「ナシ婚」などの結婚式の形態にコロナの影響が直接的に反映されているとは推察されておらず、”現代の婚姻形式の多様化”や”自分たちらしさ”を求めた趣味、趣向を反映したウエディング形態の選択から、「ナシ婚」が増加しているものと推察されています。
結婚式のご祝儀の金額とナシ婚カップルへの ご祝儀の相場はいくら?
「結婚式 ご祝儀」などのワードで検索すると相場がすぐにでてきますが、結婚式を実施していないカップルへのご祝儀を渡すタイミングや金額に悩む方もいるかと思います。
以下に結婚式に参列する方やナシ婚カップルへのご祝儀相場について記載します。
関係値/相場 | 結婚式相場 | ナシ婚相場 | 備考 |
---|---|---|---|
親族・兄弟 | 3~10万円 | 5千円~3万円 | |
友人 | 3~5万円 | 3千円~1万円 | |
上司・同僚 | 3~5万円 | 1万円 | 会社や部署としてご祝儀を渡している場合は、個人で贈るのは5000円程度でも問題ない。 |
ナシ婚は後悔する?後悔する理由は離婚率の高さって本当?
アニヴェルセル総研が実施した全国の20~30代の既婚男女600名(男性・女性各300名)と、婚姻歴のある143名を対象に結婚式を挙げたか否か、質問事項の当てはまるものへの回答を求めるアンケート調査を実施しました。
その結果は以下の通りです。
この調査結果では、結婚式や写真撮影などを「何もしていない」カップルの離婚率は、結婚式を実施したり、フォト婚を実施したカップルと比較して群を抜いて離婚率が高いことがわかりました。
明るい未来を想像し結婚するのに「離婚」は避けたい・・・。そうお思いの方にフォト婚や手軽に開催できるマイクロウェディングをご紹介します。
ナシ婚のスタイルは?結婚写真だけ撮るフォトウェディング:フォト婚とは?
近年、InstagramやFacebook、TikTokなど画像やSNS動画の投稿が手軽にできるSNSの流行の後押しもあり、コロナ禍で「フォトウェディング」の数が急増しています。
フォトウェディングとは、挙式や披露宴をしないカップルが結婚式の代わりに写真を撮影する「写真だけの結婚式」です。
結婚式の前撮りで写真撮影をするウェディングフォトとは異なり、挙式や披露宴を行わないのが特徴です。
フォトウェディングがおすすめの方とは?フォト婚の費用は?
フォトウェディングは、”準備コスト(費用・時間)を掛けずに結婚の記念を残せる”というメリットから「若年層」や「子どもができて費用を掛けたくないが家族になった記念は残したい」、「結婚式に費用を掛けたくないという価値観の方」に選択されています。
スタジオ、美しいロケーションを背景に自分達らしさを追及した写真を残せるのが特徴です。衣裳は、ウェディングドレスや和装を残す方が一般的で、撮影環境に合わせた小物や演出、背景、アイテム選びを楽しめます。なかには私服での撮影が可能な式場もあるため、新郎新婦にあった会場や写真ロケーション選定が重要です。
以下の方にフォトウェディングは、選択されています。
・大規模な結婚式は挙げたくない
・費用は掛けたくないが、結婚の思い出を記念に残したい
・再婚のため、つつましい結婚をしたい
・授かり婚で式を挙げる余裕がない
・結婚から数年経ったが、記念に残したい
近年、日本でも「別居婚」や「事実婚」を選択するカップルが増加し、多様な結婚形態が普及しています。現代の柔軟な”結婚のカタチ”に合致することもフォトウェディングの普及を底上げしています。
フォトウェディングの費用や特徴
フォトウェディングの特徴は、主に4つあります。
・費用
フォト婚は結婚式の10分の1の費用でできます。
結婚式は292.3万円(※1)、フォトウェディング平均は約20万円(※2)
・自分たちらしさの追及が可能
形式に捉われない自分達らしいカップル写真を残せる
・記念や思い出の場所など好きな場所で撮影できる
式場のみでなく、思い出の場所や観光地などでロケーション撮影をする事で自分達だけの特別な写真が撮れる
・スケジュール調整が容易
招待客を気にすることなく、結婚するカップル2人のスケジュール調整可能
※1 ゼクシィ結婚トレンド調査2021調べ
※2 ゼクシィ相談カウンターのユーザーの2019年8月〜2020年7月の集計
コロナ禍で流行中?!マイクロウェディングとは?
多くのゲストを招いて行なうウエディングスタイルではなく、小人数の家族や親しい友人を招待し実施するウェディングスタイルを「マイクロウェディング」と呼んでいます。
小人数で実施するため、こだわった演出、ロケーションなど新郎新婦のこだわりの結婚式が挙げられる点が注目されています。コロナ禍以前は、海外での「リゾート婚」も家族を中心にした30~50人程度の小規模で実施していたという点では、マイクロウェディングのはしりと言えます。
オリジナル(オーダーメイド)結婚式とは?
オリジナル(オーダーメイド)ウエディングとは、結婚式場で提示されたプランから選択するのではなく、新郎新婦が”自分達らしい結婚”のコンセプトの検討や会場やテーブルのコーディネート、演出、手作りアイテムなど様々な所に2人の趣向を凝らすことができます。そのため、挙式スタイルも新郎新婦によって異なります。オリジナルウェディングは、ホテル、結婚式場、レストラン、ゲストハウスや屋外でも行うことが可能です。
オリジナルウェディングの開拓者!CRAZY WEDDING(クレイジーウエディング)の事例
世界でたった一つのオリジナルウェディングができる「CRAZY WEDDING」が支持されています。株式会社CRAZYは2012年に創業した企業で、創業当初から”世界でたった一つの「人生が変わるほどの結婚式」”をプロデュースしています。これまで1500組以上のオリジナルウェディングを実施しています。
オリジナルウェディングの事例をWEBサイトやSNSで公開しています。結婚式のコンセプトや写真やストーリーが事例公開されていて「名作映画のような結婚式」「前代未聞(?)の挑戦を叶えた結婚式」「ほしあかり」をコンセプトにした結婚式など、一見するとどんな結婚式なのかわからない”オリジナルコンセプトの結婚式”を開催しています。旧来型の結婚式スタイルに捉われない、自分達らしい趣味や趣向を反映した結婚式をしたい方に支持されています。
まとめ
結婚形態や様式の変容に伴い、”自分達らしさ”を求める新郎新婦が自分達にあった結婚形態を選択できるようになりました。「費用」「人数」「手軽さ」「記念の形態」「価値観」など、結婚するそれぞれのカップルのスタイルに対応できるウエディング形態の提供が増加しています。
「結婚」という重大なライフイベントを迎える上で本記事が、選択に寄与できる事を願っています。