ライブコマースとは?導入するメリット・デメリットと始め方を紹介

ライブコマースとは、ライブ配信で商品を紹介し、購入を促すマーケティング手法です。

中国ではECの手法として定着しており、2025年の市場規模は2.1兆元(42兆円)に達すると予想されています。このように中国で大きな成功を収めているため、日本においても成長が期待できる分野です。

本記事ではライブコマースの意味やメリット・デメリット、始め方について紹介します。

Contents

ライブコマースとは?ECの新たな販売手法 

ライブコマースは、SNSや動画配信アプリでライブ配信を行い、視聴者にリアルタイムで商品を紹介するマーケティング手法です。リアルタイムで配信しているため、双方向のコミュニケーションが特徴です。

つまり、視聴者はライブ配信を見ながら気になった疑問点などを質問し、その場で解決できます。

実店舗の接客のメリットと、ECサイトの手軽さのメリットを組み合わせたマーケティング手法ともいえるでしょう。

ライブコマースを導入するメリット 

ライブコマースが新たなECのマーケティング手法として注目される理由は、以下の4つのメリットにあります。

・商品の魅力を伝えやすい

・双方向のコミュニケーションがとれる

・顧客の生の声が聞ける

・顧客との関係性を深められる

導入を検討している方は、まずメリットについて押さえておきましょう。

メリット①商品の魅力を伝えやすい

一般的なECサイトよりも商品の魅力を伝えやすいのがライブコマースのメリットです。ECサイトでは、主に文章や写真で商品を紹介しますが、使用感などを伝えにくいのが欠点です。

一方、ライブコマースは動画で商品を訴求します。例えば、アパレルであれば実際に着用したり、家電製品であれば使用したりといった具合です。また表情や声のトーン、身ぶり手ぶりなどの非言語コミュニケーションを組み合わせられることも、魅力を伝えやすい理由です。

非言語コミュニケーションはノンバーバルコミュニケーションと呼ばれ、プレゼンテーションや商談などでも活用されています。「言葉で言い表せない感情やニュアンスを伝えられる」や「相手との距離感を縮められる」などの効果があります。

メリット②双方向のコミュニケーションがとれる

ライブ配信のため、リアルタイムで視聴者とやり取りできるのがメリットです。

例えば視聴者が気になる点をその場で質問し、配信者が回答することで、視聴者の疑問や不安を解決できます。

このような双方向のコミュニケーションは、一般的なECサイトではできないコミュニケーション方法です。ECサイトの欠点をカバーできる手法として、ライブコマースは注目されているのです。

メリット③顧客の生の声が聞ける

双方向のコミュニケーションができることにより、顧客の生の声が聴けるのもライブコマースのメリットです。例えば、機能性について消費者のニーズを満たしているかを反応から判断できますし、改善して欲しい点などを聞くこともできます。

顧客の生の声から、販売価格の見直しや新商品のアイデアといった次の戦略につながることもあるでしょう。

メリット④顧客との関係性を深められる

双方向のコミュニケーションや配信者の対応などで、顧客との関係性を深められるのがメリットです。顧客との関係性を高めることで、リピーターやファンへの顧客育成につながり、売上の向上に役立ちます。

ライブコマースのデメリット・注意点 

ライブコマースの顧客育成・売上拡大などのメリットは魅力的です。しかし、以下のようなデメリットもあるため、導入する際は注意すべき点もあります。

・配信者にはある程度のスキルが求められる

・事前に集客が必要になる

・企業イメージが損なわれるリスクもある

ライブコマースで成功するために、デメリット・注意点を押さえておきましょう。

デメリット①配信者にはある程度のスキルが求められる

ライブコマースで成功するには、配信者の知識やスキルが重要です。そのため配信者を選定する際は、以下の知識やスキルが十分であるかを確認しましょう。

・コミュニケーション能力

・商品の知識

・動画を通したプレゼンテーションスキル

・配信に関する知識

例えば、メリットで紹介した非言語コミュニケーションの良さを発揮するためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。

このように配信者には知識やスキルが求められるため、適した人材を確保するのが難しい場合もあります。

デメリット②事前に集客が必要になる

ライブコマースで成功するには、多くの方にライブ配信を視聴してもらう必要があります。視聴者数が多いほど、販売数を増やせる可能性があるためです。しかし、ただ単にライブ配信をしても視聴者を増やすのは困難です。

そこで広告や告知などにより、事前に集客対策が必要になるでしょう。つまり、集客がネックになりやすいのがライブコマースのデメリットです。

デメリット③配信内容によっては企業イメージが損なわれる

ライブコマースは、配信内容によって企業イメージを損なう可能性もあります。なぜならライブ配信のため、配信者が嘘やネガティブな発言など不用意な行動をとると、そのまま発信されてしまうためです。場合によっては苦情や返品の対応で、業務に大きな負担がかかる場合もあります。

このような事態を避けるためには、ネットリテラシーの高い配信者の選定や入念なリハーサルが有効です。

ライブコマースの始め方 

ライブコマースはECサイトに比べて日の浅いマーケティング手法です。そのため、どのように始めれば良いか悩んでいる方も多いでしょう。

ライブ配信までの流れは、以下のとおりです。

1. 商品を決める

2. コンテンツを決める

3. 配信内容を決める

4. 配信者を決める

5. スタジオ・機材を準備する

6. 集客する

7. リハーサルをする

8. 配信する

各手順のポイントを紹介します。

商品を決める

ライブコマースで販売する商品を決めます。ライブコマースと相性の良い商品は以下のとおりです。

・アパレル

・コスメ

・食品

・生活雑貨

見栄えが良く、ECサイトでサイズ感や使用感、質感などがわかりにくい商品がライブコマースとの相性に優れています。そのなかで「人気商品をもっと売りたい」「季節商品を拡販したい」などより、販売する商品を設定します。

プラットフォームを決める

次に、どのプラットフォームで配信するのかを決定します。

代表的なプラットフォームは以下のとおりです。

・YouTube

・Facebook

・Instagram

・LINE LIVE

・HandsUP

初めての方は、上記のなかから選択するのがおすすめです。

コンテンツ内容を決める

どのようなコンテンツにするかを決めます。

単調に商品を紹介しただけでは、視聴者が飽きてしまうためです。視聴者が飽きないような、興味・関心を引き出せるコンテンツを作りましょう。

また、コンテンツ内容に合わせて台本を作成すると、配信時にスムーズに進行できるのでおすすめです。

配信者を決める

ライブコマースの配信者は自社スタッフかインフルエンサー、あるいはタレントを起用するのが一般的です。

予算があればインフルエンサーやタレントを起用するほうが、初期から集客力を高められるでしょう。

自社スタッフであれば予算を抑えられる、商品に詳しいスタッフが紹介できるなどのメリットがあります。

予算・人材などを考慮して決定しましょう。

スタジオ・機材を準備する

ライブコマースはスマホでもライブ配信はできます。しかし商品の見栄えにこだわりたい場合は、スタジオや撮影機材、撮影スタッフなどを準備します。

集客する

配信のスケジュールが決まると、次は集客です。視聴者数が増えないことには、成果を上げようがないためです。

例えば、以下のような集客方法で対策します。

・SNSやニュースリリースに広告を出稿する

・インフルエンサーやタレントを配信者に選出し告知してもらう

・SNSやオウンドメディア、メルマガなど自社の持つツールで告知する

集客できるかどうかがライブ配信での成功を大きく左右します。場合によっては、広告を使うことも検討しましょう。

リハーサルをする

ライブ配信の前に、リハーサルをします。配信者の話し方や話す内容、配信内容などを細かくチェックしてください。入念にリハーサルでチェックすることで、不適切な発言による信用失墜のリスクを下げられるためです。

配信する

ライブ配信は、台本に従ってリハーサルどおりに実施します。しかし、慣れないうちはトラブルが発生することもあるので、予備のスタッフを用意しておくと良いでしょう。

ライブコマースで販路拡大を目指そう

ライブコマースは、商品の魅力をライブ配信で伝えられるため、訴求力に優れたマーケティング手法です。集客と配信者の選定が成功を大きく左右します。

新たな販路を模索している企業は、これらのポイントを押さえたうえで、ライブコマースに挑戦してみてはいかがでしょうか。