
顧客にアンケートを行い、得られたニーズを基に新商品や新サービスを開発しても成果につながらないとお悩みの方はいませんか。これは、潜在ニーズにアプローチできていないことが原因かもしれません。本記事では、潜在ニーズの意味と見つけ方、引き出す質問のコツを解説します。
潜在ニーズとは
潜在ニーズとは、顧客自身が気づいていない、または言葉にできていない欲求や要望のことです。この「自分では気づいていない」という点が、潜在ニーズの把握を難しくしている要因です。
顧客は、日々の生活や仕事の中で何かしらの不満や不便を感じていても、それを明確に「課題」として意識しているとは限りません。例えば、「もっと簡単にできたらいいのに」と感じていても、実際にどのような商品や機能があれば解決するのかまでは、わからないことがほとんどです。
そのため、アンケートやヒアリングで単純に「どのような商品が欲しいですか?」と尋ねても、多くの場合は顧客の潜在ニーズを引き出せません。
潜在ニーズと顕在ニーズの違い

一方、顕在ニーズとは、顧客自身がすでに自覚している欲求や要望のことです。つまり、「このような商品が欲しい」「この機能を改善してほしい」と明確に言葉で表現できるニーズを指します。
潜在ニーズと顕在ニーズの違いを整理すると、次のようになります。
| 潜在ニーズ | 顕在ニーズ | |
| 定義 | 自覚のない欲求や要望 | 自覚のある欲求や要望 |
| 言語化 | できていない | できている |
| 具体例 | 「もっと簡単にできたらいいのに」と漠然と感じている | 「操作が複雑なので、一連の流れをワンクリックで完了する機能を追加してほしい」 |
| アプローチの難易度 | 高い | 低い |
つまり、表面化していて把握しやすいのが顕在ニーズ、内面に隠れていて把握が難しいのが潜在ニーズです。
潜在ニーズを見つけることの重要性
潜在ニーズを見つけることが重要なのは、事業の成長と差別化に役立つためです。ここでは、潜在ニーズを見つけることで得られる3つのメリットを紹介します。
メリット① 新たなアイデアが生まれる
潜在ニーズは、新しい価値を生み出すアイデアの源です。顧客が言葉にできないニーズをくみ取ることで、既存の市場にはない製品やサービスのアイデアが生まれやすくなります。さらに、こうしたアイデアを実現することで、他社との差別化や競争優位性の向上にもつながります。
メリット② 顧客満足度が向上する
潜在ニーズに基づいた商品やサービスは、顧客の本質的な欲求に応えることで満足度を高められます。その結果、リピート率の増加やファン化などの効果も期待できます。
メリット③ 新規顧客を開拓できる
顕在ニーズを基にした商品やサービスは、競合が多く、新規顧客の獲得競争が激化しがちです。一方で、潜在ニーズに応えた商品は、競合企業がまだ参入していない分野であることが多く、新規顧客を獲得しやすいというメリットがあります。さらに、「こんな商品が欲しかった」という驚きが共感を生み、SNSでの拡散を通じて、より多くの新規顧客獲得につながります。
潜在ニーズの見つけ方

潜在ニーズは顧客自身も自覚していないため、見つけるためには顕在ニーズのその先にある欲求を探る必要があります。ここでは、見つけ方として3つの手法を紹介します。
行動観察調査(エスノグラフィ)の実施
行動観察調査とは、顧客が普段どのように商品やサービスを利用しているかを直接観察する手法です。実際に顧客の行動を見守りながら、どのような操作や使い方をしているのか、どこで戸惑っているのかなどをメモや動画で記録します。顧客に質問するのではなく、自然な行動をそのまま観察することがポイントです。
こうして観察することで、顧客自身も無意識にしている行動や工夫を発見できます。加えて、対象者の表情や動作を間近で見ることで、顧客の気持ちにより共感しやすくなるのもメリットです。このように、顧客理解を深めることで、潜在ニーズを発見できることがあります。
デプスインタビューの実施
デプスインタビューとは、顧客一人ひとりと対話し、本音や深層心理を引き出す手法です。やり方は、1対1でインタビューを行い、60分ほど時間をかけて「どのような不便や不満を感じているのか」を丁寧に深掘りします。
ポイントは、答えを誘導する質問を避け、顧客の行動や感情の理由に注目することです。短時間で結論を急がず、顧客の話に耳を傾けることが求められます。こうして得られた情報から、顧客の潜在ニーズを見つけることができます。
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知ってから購入に至るまでの一連のプロセスを図示したものです。以下の項目を把握しやすく、顧客理解を深めるのに役立ちます。
・顧客の各フェーズの行動
・感情の変化
・利用しているタッチポイント
特に、各フェーズで顧客が抱くネガティブな感情に注目することで、潜在ニーズを発見できることがあります。
カスタマージャーニーマップの作り方については、「カスタマージャーニーをBtoBマーケティングに活用!」の記事をご参照ください。
潜在ニーズを引き出す質問のコツ

潜在ニーズを見つけるためには、顧客への質問の仕方が重要です。ここでは、潜在ニーズを効果的に引き出す質問のコツを紹介します。
コツ① なぜを繰り返す
顧客の行動や発言の背景にある理由を探るには、「なぜ」を繰り返す質問の仕方が有効です。例えば、作業工程に関する質問で顧客が「この作業が面倒だ」と答えた場合、「なぜ面倒だと感じるのですか?」と尋ね、その答えに対して、さらに「なぜそのように思うのですか?」と質問します。このように、なぜを繰り返すことで表面的な課題から潜在ニーズを深掘りできます。
コツ② オープンクエスチョンで話を広げる
質問は大きく分けると、「はい」や「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンと、自由に答えられるオープンクエスチョンの2種類があります。
潜在ニーズを引き出す場合は、オープンクエスチョンが有効です。クローズドクエスチョンでは会話がすぐに終わってしまいますが、オープンクエスチョンを使うと話を広げながら、顧客の体験や感情を引き出せるためです。
例えば、「最近、困ったことはありましたか?」「その時、どんな気持ちでしたか?」といった質問が挙げられます。顧客に自由に話してもらうことで、潜在的な課題や欲求を発見しやすくなります。
日常や過去の体験を尋ねる
潜在ニーズは、顧客が日常生活や過去の体験の中で無意識に感じている不便や不満の中に隠れていることがあります。そのため、日常や過去の体験について尋ねることが有効です。例えば、「普段はどのように業務を行っていますか?」「商品はどのタイミングで使用していますか?」といった質問です。こうした質問を通して、顧客が自覚していなかった課題や欲求を明らかにします。
仮説を投げかける
顧客がまだ気づいていないニーズを探るには、仮説を提示して意見を聞く方法も有効です。例えば、「このような機能があれば便利だと思いますか?」「こういったサービスがあれば使いたいと思いますか?」といった質問で、顧客の反応や感想を確認します。このような質問から、潜在ニーズの発見につながることがあります。
潜在ニーズを把握して事業を成長させよう
顕在ニーズだけでなく、潜在ニーズを把握することで、アイデアの創出や新規顧客の開拓といった多くのメリットが得られます。そのためには、行動観察やデプスインタビュー、カスタマージャーニーマップを活用し、質問の仕方を工夫して顧客の本音を引き出すことが重要です。新規事業のアイデア出しや新商品の企画に悩んでいるご担当者様は、この機会に潜在ニーズに焦点を当ててみてはいかがでしょうか。
一方で、「リソースが足りない」「うまく実施できる自信がない」といった担当者様もいらっしゃるでしょう。そのような方は、セルウェルの新規事業支援サービス「メデテル」をご検討ください。アイデア出しから上市まで、幅広い支援を提供しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。



