新規事業のリスクと対策!成功確率を高めるリスクマネジメントを解説

新規事業の立ち上げには、リスクが伴います。これらを軽視してしまうと、事業の失敗の原因になりかねません。一方で、新規事業の創出は、企業にとって次の収益の柱を育成する重要な取り組みです。そのため、失敗を恐れて挑戦しないこともまたリスクと言えるでしょう。

そこで本記事では、新規事業立ち上げの成功確率を高めるために、代表的な7つのリスクとリスクマネジメントの進め方についてわかりやすく解説します。

新規事業に潜む7つのリスク

新規事業の失敗を回避するには、その要因となるリスクの種類を把握しておくことが重要です。ここでは、新規事業に潜む7つのリスクについて解説します。

市場リスク

市場リスクとは、市場の規模や成長性を見誤ってしまうことにより生じるリスクです。例えば、「この市場は伸びる」と考えて参入したものの、実際には十分な需要がなく、想定したほど売上が伸びないケースは少なくありません。その結果、収益を確保できず、事業からの撤退を余儀なくされることもあります。こうした失敗を防ぐためには、事前の市場調査を通じて、ターゲットとなる市場を慎重に見極めることが重要です。

戦略リスク

戦略リスクとは、事業の方向性や差別化の方針を誤ることで生じるリスクです。例えば、ターゲットとする顧客層がズレていたり、自社の強みが競合と似通っていたりすると、十分な競争優位性を築けません。その結果、他社との差別化が難しくなり、価格競争に巻き込まれて利益を確保しづらくなります。こうした失敗を防ぐためには、消費者調査や競合調査を通じて顧客ニーズを正しく把握するとともに、自社の強みを生かした戦略を立案することが重要です。

財務リスク

財務リスクとは、資金繰りの悪化や予算超過などにより、事業に必要な資金が不足してしまうリスクです。運営資金が底を突き、新たな資金調達が難しくなれば、撤退せざるを得ません。財務リスクは売上の減少だけでなく、材料費の高騰や金利の変動、投資家の意向など、様々な要因によって起こります。こうしたリスクを防ぐには、定期的に財務分析を行い、現実的な収支計画に基づいて事業を進めることが重要です。あわせて、損失の拡大を防ぐために、損益分岐点や撤退ラインをあらかじめ設定しておくことも大切です。

 

技術リスク

技術リスクとは、技術不足によって、製品を設計どおりの性能に仕上げられなかったり、開発途中で問題が発生したりするリスクのことです。例えば、技術的な課題により開発が遅れて市場投入のタイミングを逃してしまうケースや、顧客が求める性能に達せずに満足度が低下してしまうケースが考えられます。こうしたリスクを防ぐためには、事前に概念実証(PoC)を実施し、実現可能性をあらかじめ確認しておくことが重要です。

人材リスク

人材リスクとは、事業を推進するために必要な人材が不足したり、プロジェクトのキーパーソンが離脱したりすることで生じるリスクです。例えば、新規事業の責任者が異動や退職によって離脱すると、意思決定が滞ることで事業の進行に影響が出ます。こうしたリスクに備えるには、人材確保や離職対策に取り組むだけでなく、社員育成の充実も不可欠です。リーダーとなる人材を計画的に育成し、キーパーソンが離脱しても他のメンバーが対応できる体制を整えておくことが重要です。

法規制リスク

法規制リスクとは、関連する法律や規制への対応が不十分な場合に、事業の継続が困難になるリスクです。例えば、許認可が必要な事業であることを事前に把握していなければ、サービスの提供そのものができなくなったり、手続きに時間がかかり事業の開始が大幅に遅れたりすることがあります。場合によっては、事業内容の大幅な見直しを迫られます。

こうしたリスクへの対策としては、早い段階から専門家と連携し、事業内容が法律や規制に抵触しないかを確認しながら進めることが重要です。事前に適切な対応を取ることで、不要なトラブルやリスクを抑制できます。

オペレーションリスク

オペレーションリスクとは、業務の進め方や手順に問題があることで生じるリスクです。例えば、受注から納品までの流れが十分に整理されていないと、ミスや納期遅延が発生しやすくなります。その結果、顧客満足度が低下し、事業の継続性にも悪影響を及ぼしかねません。

こうしたリスクへの対策としては、業務プロセスの標準化や業務マニュアルの作成が有効です。業務の進め方や手順を明確にすることで、誰が対応しても安定した品質のサービスを提供できるようになります。

新規事業の成功確率を高めるリスクマネジメント

新規事業には様々なリスクが存在し、特に注意すべき項目は事業内容によって異なります。ただし、どのような事業であっても、リスクマネジメントの考え方は共通しています。成功確率を高めるためには、次の基本的な手順を理解しておくことが大切です。

手順① リスクの洗い出し

まずは、想定されるリスクをできる限り洗い出します。この段階では、「MECE(ミーシー)」の考え方を取り入れ、もれなく・ダブりなくリストアップすることで、作業効率を高められます。さらに、洗い出しの精度を高めるためには、複数人のチームで検討したり、必要に応じて専門家の意見を取り入れたりすることも有効です。

手順② リスク評価と優先順位付け

洗い出したすべてのリスクに同時に対応することは、現実的ではありません。そこで、事業への影響度や発生の可能性を踏まえてリスクを評価し、優先順位を付けます。その上で、重要度の高いリスクから順に、具体的な対策を検討します。

手順③ リスク対策の実行・モニタリング

対策は計画して終わりではなく、着実に実行し、結果をモニタリングすることが重要です。事業の進展や環境の変化に応じてリスクの内容も変わるため、定期的に状況を確認し、必要に応じて修正します。

まとめ

新規事業の立ち上げには、様々なリスクが伴います。しかし、適切なリスクマネジメントを実施することで、回避できることも多く、成功確率を高めることができます。これから新規事業の立ち上げを検討している企業様は、まずはリスクの洗い出しから始めてみてはいかがでしょうか。

セルウェルでは、新規事業における課題やつまずきを解消するために、新規事業支援サービス「medeteru(メデテル)」を提供しています。アイデア創出から市場調査、ビジネスモデルの構築まで、新規事業のスムーズな立ち上げを支援いたします。

よくある質問

新規事業のリスク分析やリスクマネジメントに関して、よくある質問を紹介します。

Q1. リスクの洗い出しに使えるフレームワークはありますか?

代表的なものとして、「3C分析」や「PEST分析」などが挙げられます。これらのフレームワークは、市場環境や競争環境を多角的に整理できるため、リスクの洗い出しに役立ちます。

Q2. リスクの優先順位はどのように決めればいいですか?

「発生確率」と「事業への影響度」の2つの観点から評価するのが一般的です。発生確率が高いリスクは、影響が小さくても業務効率の低下につながります。一方で、発生確率が低くても、事業への影響が深刻なリスクは無視できません。そのため、影響度が大きく、かつ発生の可能性が高いリスクから優先的に対策を進めることが重要です。

Q3. すべてのリスクを洗い出す必要はありますか?

すべてのリスクを完全に洗い出すことは、現実的には容易ではありません。重要なのは、事業の継続や成否に直結する「重大なリスク」を見落とさないことです。

一方で、リスクの洗い出しや評価には、専門的な知識やノウハウが求められる場面も少なくありません。自社だけでの対応に不安がある場合は、専門家へ相談するのも有効な選択肢です。 セルウェルでは、新規事業支援の豊富な実績をもとに、リスクの洗い出しから評価、対策の立案まで幅広い支援を提供しています。ぜひお気軽にご相談ください。