
新規事業を立ち上げる際、多くのビジネスパーソンが直面する課題の一つは、「アイデアを思いつかないこと」です。すぐに思いつく案はすでに商品化されていることが多く、かといって奇抜なアイデアでは事業として成立するのか不透明です。そこで本記事では、新規事業が思いつかない原因と対策、打開に役立つフレームワークを紹介します。
新規事業が思いつかない原因
新規事業を思いつかないのは、センスの問題ではなく考え方の問題です。言い換えれば、アイデアが出ない原因は、発想の仕方にあります。ここでは、4つの原因を紹介します。
業界の常識にとらわれている
長く同じ業界にいると、「この業界ではこういうものだ」という常識が、いつの間にか刷り込まれてしまいます。しかし、業界の常識にとらわれていては、既存のアイデアの枠を超えることはできません。その結果、ありきたりな案ばかりになりがちです。
失敗を恐れて発想が萎縮している
「失敗したらどうしよう」「変なアイデアだと思われないか」といった不安は、発想を萎縮させてしまいます。また、最初から完成度の高い案を出そうとするほど、かえって何も思いつかなくなるものです。新規事業のアイデア出しでは、質より量を重視することが大切です。
アイデアを出す機会が不足している
アイデアは、考え始めてすぐに出てくるほど簡単なものではありません。日頃から発想する習慣がないと、いざアイデアを出そうとしても思考を切り替えられないためです。そのため、普段から意識してアイデアを出す習慣を身に付けておくことが重要です。
独創的なアイデアにこだわっている
新規事業のアイデアは、「誰も思いつかないような、独創的なものを出さなければならない」と思い込むほど、かえって発想しにくくなります。実際、多くの成功事業は、必ずしも独創的なアイデアから生まれているわけではありません。既存ビジネスの改良や、ビジネスモデルの組み合わせによって生まれているケースも数多くあります。「これまでにないアイデアを出す」と、自分でハードルを上げすぎないことが重要です。
新規事業が思いつかないときの発想法

新規事業が思いつかないときは、考え方や視点を変えてみることが大切です。ここからは、アイデア出しに役立つ7つの発想法を紹介します。
既存事業の強みと弱みを把握する
新規事業のアイデアを考える上で、最も取り組みやすいのは、既存事業の延長線上から発想することです。具体的には、既存事業の強みや弱みを整理し、改善点や不満の中から新規事業のヒントを見つける方法です。つまり、既存事業の中にある不満や非効率は、アイデアの種と言えます。
競合企業の強みと弱みを分析する
既存事業と同様に、競合企業の強みや弱みもアイデアのヒントです。「なぜ選ばれているのか」「まだ満たせていないニーズはあるか」といった視点から分析することで、差別化の新しい切り口が見えることがあります。競合企業を分析することは、新しい価値を見つける近道と言えるでしょう。
他業種の成功モデルを参考にする
新規事業のアイデアは、必ずしも同じ業界の中から生まれるとは限りません。むしろ、他業種で成功しているビジネスモデルを自分たちの領域に持ち込むことで、新しい価値が生まれることはよくあります。例えば、サブスクリプションやマッチングといったビジネスモデルです。これらは、多くの業界で成功している手法です。つまり、他業種の成功事例はアイデアの宝庫と言えます。
既存のビジネスモデルを組み合わせる
すでに存在しているサービスやビジネスモデルを組み合わせることで、新しい価値を生み出す方法も有効です。例えば、「生成AI×既存サービス」といった形で考えるだけでも、発想の幅は一気に広がります。一つひとつはありきたりなアイデアでも、組み合わせ次第で、これまでにない価値を持つ独創的なアイデアに生まれ変わることがあります。
市場トレンドからアイデアを探す
市場では、新たなニーズが次々と生まれています。例えば、近年ではリモートワークやDX、生成AIなどが大きなトレンドとして注目されました。このような市場のトレンドは、ニーズが高まっている表れでもあります。そのため、新規事業のテーマを見つける有効な手がかりです。
社会課題から求められているサービスを探す
社会課題は、多くの人が困っているが十分に解決されていない問題です。こうした課題に目を向けることで、本当に必要とされるサービスのヒントを得られます。つまり、社会課題を起点にアイデアを検討することは、事業の意義と市場性の両方を見つけるのに役立ちます。
社外の知見を取り入れる
社内のメンバーだけで考え続けていると、発想はどうしても偏りやすくなります。そのようなときは、顧客や他業界の人、専門家といった社外の知見を取り入れることが有効です。第三者の視点は、先入観や思い込みを壊してくれることがあります。
新規事業が思いつかないを打開するフレームワーク

効果的にアイデアを生み出すには、フレームワークを活用するのが有効です。ここでは、新規事業のアイデア出しに役立つ、代表的な3つのフレームワークを紹介します。
ジョブ理論
ジョブ理論とは、顧客の課題やニーズを「片付けるべきジョブ(仕事)」として捉えるフレームワークです。顧客は、そのジョブを達成するために商品やサービスを「雇う」という考え方に基づいています。つまり、顧客のジョブを明確にすることで、本質的なニーズに応えるアイデアを検討できます。
ジョブ理論の詳細は、「イノベーションの創出に役立つジョブ理論とは?活用方法と成功事例」の記事をご参照ください。
SCAMPER法
SCAMPER法は、次の7つの質問に答えながら、アイデアを創出するフレームワークです。
・Substitute(代用する)
・Combine(組み合わせる)
・Adapt(適応させる)
・Modify(修正する)
・Put to other uses(他の用途に使う)
・Eliminate(除去する)
・Reverse・Rearrange(逆転・再構成する)
一つのテーマから発想を広げられるため、既存事業や自社の強みからアイデアを模索できます。
SCAMPER法の詳細は、「SCAMPER法とは?短時間でアイデア出しができるフレームワーク」の記事をご参照ください。
KJ法
KJ法は、アイデアをカードに書き出し、意味の近いもの同士をグループ化しながら整理していく手法です。まずは質より量を意識して多くのアイデアを出し、それを分類・整理した上で、各グループのキーワードをもとに文章化します。こうしたプロセスを通じて、新たな視点や発想が生まれます。つまり、多くのアイデアから、新たな発想を生み出すのがKJ法です。
KJ法の詳細は、「KJ法とは?意味やメリット・デメリット、やり方を徹底解説」の記事をご参照ください。
まとめ
新規事業を思いつかないときは、多様な視点からアイデアを探してみることが大切です。また、フレームワークを活用することで、効率よく進めることもできます。新規事業のアイデアが思いつかないと悩んでいるご担当者様は、本記事で紹介した発想法を試してみてはいかがでしょうか。
セルウェルでは、新規事業支援サービス「メデテル」を提供しています。新規事業の成功確率を高めたい方は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問
新規事業のアイデア出しに関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。
Q1. 新しいアイデアを生み出すために大切なことは何ですか?
大切なことは、「最初から完成度の高いアイデアを出そうとしないこと」です。最初から完成度の高いアイデアを出そうとすると、かえって何も出なくなるためです。まずは質より量を意識しましょう。
Q2. アイデア出しを鍛える訓練方法はありますか?
アイデア出しの訓練は、日常生活の中で発想する機会を意識的に増やすことです。例えば、トレンドを目にしたときに「これを自社の業界に当てはめるとどうなるか」と考えてみたり、新商品を見たときに「もっと良くできないか」と改良のアイデアを探してみたりすることが挙げられます。こうした訓練を積み重ねることで、アイデアを考えることが特別な作業ではなくなり、必要なときに自然と発想できるようになります。





