BtoB営業の極意!押さえるべき5つのコツとフレームワークを解説 

「何件も営業先を回っているのに契約がとれない」 

「売上目標を達成できないかもしれない」 

BtoB営業でこのように悩んでいる方はいませんか。たしかに思うような成果をあげられないのは、営業職にとってつらいときです。しかも自分の営業手法の、どこを改善すれば良いのかわからないこともあるでしょう。 

そこで本記事では、成功するための営業スタイルを確率できるように、BtoB営業の5つのコツと役立つフレームワークを紹介します。 

BtoB営業(法人営業)を成功させる5つのコツ 

BtoB営業は法人営業とも呼ばれるように、企業を対象にした営業です。そのためBtoCと同じイメージで営業してしまうと、思うような結果につながらないこともあります。 

BtoB営業で成果をあげるためには、5つのコツを押さえる必要があります。 

企業と信頼関係を構築する 

BtoB営業で契約をしてもらうために、まず企業と信頼関係を構築することが大切です。BtoBは取引金額が大きくなるため、信頼関係のない企業と契約を結ぶのは難しいためです。 

例えばアポイントメントの時間に遅れてくるような方がいれば、「この人に任せるのはちょっと不安」や「約束を守れない方には依頼できない」と思うでしょう。 

つまり取引先企業と良好な関係を築けるように、気を配るのがBtoB営業のコツです。 

しかし、どのようにすれば良いのか疑問に思うかもしれません。 

具体的に信頼関係を構築するためには、以下のような身なりや態度、取引先の意見を聞く姿勢などに注意しましょう。 

・時間を厳守する 

・清潔感のある身だしなみにする 

・挨拶をしっかりとする 

・取引先の悩みや困りごとを親身に聞く 

信頼関係が構築できると、提案もしやすくなり他社との差別化にもつながります。 

営業先の担当者をサポートする 

BtoB営業のコツは営業先の担当者をサポートすることです。なぜなら、担当者から上司・決済者に稟議をあげてもらい、契約決定を促してもらう必要があるためです。 

例えば、デモ機やサンプル、担当者の欲しい情報を提供するのも1つの方法でしょう。 

そもそも営業先の担当者は、良い商談を成立させて「自社内の評価を上げたい」と思っているかもしれません。そのような担当者に、必要なバックアップをすることで上司に話をあげてもらいやすくなります。 

担当者自身の評価にもつながることから、担当者へのサポートは契約するために有効な手段となります。 

またどの企業にも、影響力の大きなキーマンがいるはずです。 

そのため担当者と一緒にキーマンも、展示会やセミナーなどのイベントに来てもらうのも良い方法でしょう。キーマンや決裁者と直接交渉できれば、さらに契約できる可能性が高まるためです。 

顧客企業の課題を解決する 

売上目標を達成しようと焦るほど、「自社製品・サービスを販売すること」をメインに考えるかもしれません。しかし顧客企業の課題を解決する手段として、「自社製品・サービスを使ってもらう」と考えるのが大切です。 

なぜならそのように考えることで、顧客企業の課題を明確になりますし、営業の際に契約後のメリットも提案できるためです。 

例えば「この商品は機能に優れているので買ってください」といわれても、購入する判断材料としては弱いですが、「この商品があれば業務改善ができて、利益率が5%アップします」といわれると興味を持ってもらえるでしょう。 

このような提案をするためにも、営業先の企業の課題や悩みを徹底的にリサーチすることが大切です。 

ターゲットを明確にする 

BtoB営業のコツは、自社製品・サービスのターゲットを明確にすることです。なぜなら自社製品・サービスには特徴や強みがあり、顧客企業のどのような悩みを解決できるのかも、ある程度決まっているためです。 

例えば以下の項目を検討して、ターゲットを明確にしましょう。 

・自社製品で解決できる課題を持つのはどのような企業か 

・企業が自社製品について魅力に感じる部分はどこなのか 

・既存の取引企業はどのような特徴があるのか 

・既存の取引企業が取引をした決め手は何だったのか 

これらからターゲット企業を明確にすることで、成約確率の高い企業を絞り込むのに役立ちます。 

ほかにも、自社のどの製品・サービスが企業のどのような課題やニーズに対応できるのかを、視覚化しておくとわかりやすいでしょう。 

事前に情報収集し提案方針を決める 

BtoB営業を成功させるためのコツは、事前に情報収集し提案方針を決めることです。商談に向かうときに情報収集していなければ、営業先の企業が何に課題を持っているのか、どのような商品を提案すれば良いのかわからないためです。 

またBtoB営業の特徴として、決裁に至るまでに時間がかかります。つまり、BtoB営業の場合は、複数回の商談を前提として提案の流れや組み立てを考える必要があるでしょう。 

ほかにも、企業には、次期の予算などを作成するタイミングがあります。例えば2月、3月に来年度分の投資機材をピックアップするなどです。 

企業ごとの予算編成の時期を把握することで、適切なタイミングで営業ができます。 

BtoB営業とBtoC営業の違い 

BtoB営業について理解を深めるためには、BtoC営業との違いを知ることも大切です。ここではBtoB営業の基本的な知識から、BtoC営業との違いについて解説します。 

そもそもBtoB営業とは 

BtoBとはBusiness to Businessの略で、企業間取引のことを指します。つまりBtoB営業とは、企業を対象とした営業のことで、日本語で法人営業とも呼びます。 

BtoB営業は取引対象が法人のため契約するまでに、複数の担当者の確認や決裁者の判断が必要となります。このため成約となるまでに、時間がかかりやすいのが特徴です。 

BtoB営業の種類 

BtoB営業を大きく分類すると「新規開拓営業」と「ルート営業」の2種類があります。種類によって目的や、やり方なども異なります。 

新規開拓営業 

新規開拓営業はその名のとおり、新規顧客の獲得を目的とした営業です。例えば電話で直接アポイントメントをとり商談に向かったり、これまで取引をしていない企業に飛び込み営業したりすることです。 

新規獲得営業は潜在顧客に対して訴求する方法のため、ルート営業に比べると難易度の高い営業方法といえるでしょう。 

一方、新規顧客を開拓することで自社の売り上げ・経営に大きく貢献できるため、やりがいのある仕事ともいえます。 

ルート営業 

ルート営業は既存営業とも呼ばれ、お得意様の企業を回る営業スタイルのことです。ルート営業はすでに関係性が構築されている企業に営業するため、新規開拓営業よりも難易度は下がります。 

ルート営業の役割は、製品のアフターフォローや自社の新製品・サービスの紹介、顧客企業の新たなニーズや課題をヒアリングすることです。 

BtoC営業との違い 

BtoCとはBusiness to Customerの略で、個人を対象としたビジネスモデルのことです。BtoC営業は、保険業界や不動産業界でよくみられます。例えば、カーディーラーの担当者から新車の案内があるのもBtoC営業です。 

BtoB営業とBtoC営業の違いは、主に以下の5つの項目があります。 

取引先 

BtoB営業は法人を対象とした営業に対して、BtoC営業はエンドユーザーである消費者が対象となります。 

決裁者と担当者 

BtoB営業では決裁者と営業先の担当者が異なりますが、BtoCであれば基本的に決裁者と担当者が同一です。 

購買の判断基準 

購買の判断基準についても違いがあります。BtoB営業は組織として購入するため、企業の利益につながるかなどの合理的な判断により契約されます。一方、BtoC営業は個人が自由に購入の決定をできるため、気に入った商品であればその場で衝動買いすることも可能です。 

取引量 

取引量はBtoB営業が多く、BtoC営業が小さくなります。BtoB営業は一度契約すると大きな取引金額となるのが魅力といえるでしょう。 

購入に至るまでの時間 

BtoBの場合は、決裁者の判断を仰ぐまでに多くのプロセスが必要となるため、数ヵ月かかることもあります。一方、BtoCの場合はすぐに購入に至るケースもあるなど、短いのが特徴です。 

3. BtoB営業に使えるフレームワーク 

BtoB営業で重要なのは、自社製品の強みの把握や営業先企業のニーズ・課題を知ることです。それらを分析するのに役立つフレームワークは、「BANT」と「STP分析」です。2つのフレームワークを使うことで、営業スタイルの改善や成約確率の向上などが期待できます。 

BANT 

法人営業のヒアリングをする際に役立つフレームワークが「BANT」です。BANTとは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(ニーズ)」「Timeframe(導入時期)」を意味する頭文字です。 

例えば、商談のときに何を聞けば良いのか迷った経験はありませんか。 

そのような際、BANTの項目を埋めるようにヒアリングすることで、BtoB営業に必要な情報を入手できます。 

4つの項目の内容は以下のとおりです。 

Budget(予算) 

Budgetは営業先が製品・サービスを導入するために考えている予算です。予算は早い段階で確認することがBANTを活用するポイントです。しかし信頼関係が構築できていないと、予算をすんなりと教えてくれない場合もありますので、聞き出すにも工夫が必要となります。 

Authority(決裁権) 

Authorityは稟議を承認できる決裁権のことです。BtoB営業においては決裁者が成約の可否を判断します。そのため決裁者が誰なのかを特定し、決裁者にどのように訴求するのかが重要です。 

Needs(ニーズ) 

Needsは営業先企業のニーズです。企業には、個人・部署・会社全体など様々な規模のニーズがあります。個人のニーズよりも、会社全体のニーズであるかどうかが重要なポイントです。 

Timeframe(導入時期) 

Timeframeは具体的に導入する時期は決まっているのか、決まっているのであればそれはいつなのかです。導入時期がわかることで、商談のスケジュールも決めやすくなります。 

BANTを活用するには、すべての項目を埋めることが大切です。しかし一度の商談ですべてを聞き出すことは難しいこともあるでしょう。信頼関係がないと、教えてもらえない情報もあるためです。 

商談を重ねながらヒアリングして精度の高い情報を入手しましょう。 

STP分析 

STP分析は「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」から構成されるフレームワークです。顧客企業のニーズや課題の発見、自社製品の強みの把握、競合他社との比較に役立ちます。 

STP分析はまず、セグメンテーションから行います。 

セグメンテーション 

セグメンテーションとは、顧客層やニーズなどの特定のセグメントにより市場を細分化することです。セグメンテーションで重要なことは、どのような切り口から市場を細分化するかです。 

ターゲティング 

ターゲティングとはセグメンテーションされた市場から、自社のターゲットとなる市場を選択することです。「自社製品の特長や強みを生かせる市場」を選ぶことで、成約率の向上に役立つでしょう。 

ポジショニング 

ポジショニングはターゲティングで選定した市場における、競合他社との関係性のことです。つまり自社製品・サービスに、優位性があるかを明確にすることです。 

STP分析は「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の手順で行うことで、自社のターゲット企業や自社製品の強みを発見するのに役立ちます。これらを把握することで、自社の強みを生かしたBtoB営業が可能になります。 

戦略性を持ったBtoB営業で成績を伸ばそう 

BtoB営業で成果があがらないと悩んでいる方は、以下の5つの項目に改善点が見つからないかを確認してください。 

・企業と信頼関係を構築できているか 

・営業先の担当者をサポートしているか 

・顧客企業の課題を解決できているか 

・ターゲットを明確にできているか 

・事前に情報収集し提案方針を決めているか 

同時に、BtoB営業に役立つフレームワークの「BANT」と「STP分析」を利用することをおすすめします。 

BtoB営業では自社製品・営業先企業を客観的に判断することや、戦略性を持った営業活動がポイントになるためです。 

これらの極意を押さえて収益アップを目指しましょう。