ターゲティングにおけるデータ活用の落とし穴

マーケティング戦略の中でも重要なターゲティング。最近ではビックデータという言葉が聞かれるように、ターゲティングにおいてデータの活用は当たり前になりつつあります。そこで今回は、データ活用に潜む罠についてお話していきます。

マーケティング活動の基本は誰に、何を、どのように

マーケティング

マーケティング活動では「誰に」向けて、「何を」、「どのように」施策を打つのかが基本であり重要です。この最初の「誰に」を見誤ってしまうと、施策の効果は期待できません。

そこで多くの企業が顧客データや購買データを収集し、そのデータを活用して「誰に」にあたるターゲティングを定義していきますが、持っているデータからでは、ターゲティングした人のすべてわかるケースは極稀なのです。

たとえば、商品を購入したときにポイントを付与する小売店がありますが、ポイント付与には事前に顧客情報の登録が必要なので、これらのデータを分析すれば、ターゲティングができると思われるかもしれません。
しかしポイント付与を受けた顧客は、家族に頼まれて商品を購入したのかもしれませんし、友人へのプレゼントを購入したのかもしれません。

このように商品を購入するまでのプロセスに「お金を支払う人」と「商品を選ぶ人」が存在している場合があるのです。つまりこのケースでは、持っているデータは「お金を支払う人」のみであり、その人を分析し、その人にあったマーケティング施策を行ってもよい結果を望むことはできません。

データの罠/ビッグデータに騙されない

企業が持っているデータの多くは購入した人の属性はわかりますが、商品を選ぶ権限を持っているのかはわかりません。つまり商品購入までのプロセスが明らかになっていないデータを分析しても、正しいターゲティングが難しく、結果的にマーケティング施策は無駄打ちに終わってしまいます。これがデータの罠です。

先ほどお話した小売店の他にも、飲食店が持つデータにも罠が潜んでいます。飲食店は予約者データを持っていますが、「予約した人」と「お店を選んだ人」は別の場合があります。他にも旅行予約、家電購入、住宅購入や賃貸物件の契約をする場合も同様です。BtoB取引では、担当者に一生懸命アプローチをしても決裁権限を持つ人は別にいたということはよくあることです。

このように決定までのプロセスが不明確なデータには、「お金を支払う人」と「商品を選ぶ人」の意識の違いが混在しています。「お金を支払う人」と「商品を選ぶ人」の意識の違いに気付かずにターゲティングをすると、データの罠に嵌り大きなミスをしてしまうので気を付けなければなりません。

データがあることに安心せず正しいターゲット設定を

あらゆるものがデジタル化された現在において、顧客データや購買データを収集することは容易く、そのデータを活用した「誰に」、「何を」、「どのように」というマーケティング活動もしやすくなっているのは間違いありません。

一方で、顧客と話をする中で、データを持っていたり、ビジネスを長くやっていたりするが故に、データの罠に嵌っているケースが見受けられます。

繰り返しになりますが、正しいターゲティングをするには、商品を購入するまでに関わっている人、商品決定に影響するすべてのことを想定することが必要です。

それは「お金を支払う人」と「商品を選ぶ人」の違いだけでなく、たとえば商品別の売上げ増減には、季節のイベントが影響しているかもしれませんし、エリアごとに傾向があるのかもしれません。その場合はイベントタイミング別、エリア別の施策が必要かを検討することになります。

セルウェル社はマーケティングエージェンシーとして、正しい「データ活用から施策まで」をお客様と伴走しながら提案しています。データを持っていることに安心せず、もう一度ターゲット設定が正しいのか考えてみませんか。