YouTubeは、世界で2番目に見られているWEBサイトです。YouTubeは年々、視聴数や1人あたりの視聴時間も伸長しているサービスです。
一般のユーザーの娯楽用途の利用に留まらず、企業が自社の情報発信や広告に利用したり、市場調査やデータ収集としても活用しています。
本記事では、YouTubeについての基本情報のご紹介、新型コロナウイルス感染症の流行以降のYouTubeの視聴動向、企業のマーケティングでのYouTubeの活用や事例をご紹介します。
Contents
YouTubeとは?
アメリカのYouTube(ユーチューブ)社が運営する無料で利用できる動画共有サービスです。アメリカでは、2005年2月にサービス提供が開始され、日本では2007年6月からサービス提供開始されています。
世界中で23億人以上が月に1度はYouTubeを利用しており、全世界のソーシャルメディアを使うユーザーは45億人で、そのうち50%以上がYouTubeを利用しています。
日本のYouTubeのユーザー数は、インド2億2500万人、アメリカ1億9700万人、ブラジル8300万人に次ぐ、第4位です。
YouTubeのジャンル
YouTubeには、ジャンル(カテゴリー)があります。Vlog(ビデオブログ)/音楽/バラエティ・コメディ/商品紹介・レビュー系/ハウツー/教育/料理・グルメ/大食い/漫画系/ゲーム実況/ミュージック/美容・メイク・ファッション/ペット/アウトドア/政治・ニュース/トレンド系などが多くみられるジャンルです。
コロナ禍で流行したYouTubeの人気キーワードとジャンル
コロナ長期化で「癒し」や「在宅時間の充実」「生活空間の快適にしたい」というニーズが高まっています。YouTubeレポートによると、2020年の1年間で「ヨガ」や「マインドフルネス」の視聴回数は約3倍の成長となりました。
以下のキーワードはコロナ発生以降、継続的に動画投稿本数が伸びています。
・「睡眠用」・・・眠気を誘うヒーリングミュージックや波、森などの自然音、ASMRなど
・「リラックス」・・・音に関する投稿やペットとのかわいい動画、キャンドルなどのリラックスアイテムなど
・「間取り」・・・インテリアや物件紹介の動画で個人宅やハウスメーカーのモデルルームなどの紹介
長期化するコロナにより、リモートワークやオンライン授業など生活スタイルが変化したことで、身体の不調やメンタルヘルスのバランスを崩す人もいると推察されています。
終わりの見えないコロナ禍で、「癒し」「リラックス」「リフレッシュ」に繋がるYouTube動画のニーズは今後も需要が続くと考えられます。
Youtuberとは?
YouTuberとは、撮影した動画をアップロードし、その動画につけた広告収入によって収入を得ている人たちのことです。2007年にYouTube自体が動画視聴回数の多い動画投稿者に対して、広告収入を分配するパートナープログラムへの参加をスカウトのような形で呼びかけたことから始まりました。
広告収入を得るには、YouTubeのパートナープログラムの審査を通過することが必要です。審査を受ける基準としては、自分のチャンネル登録者が 1,000 人、チャンネルの過去 12 ヶ月間の総再生時間が 4,000 時間に到達することが必要です。この審査を通過できると動画に広告をつけることができ、広告の視聴数・クリック数等に応じて報酬を受け取ることができます。
趣味として動画をアップロードしており、YouTuberを副業でやっている事が多いです。チャンネルが人気になった場合は本業を辞めてYouTubeを専業とし生計を立てている人もいます。
Youtubeなど動画共有サービスの普及と年代別利用率
令和3年8月に総務省情報通信政策研究所が発表した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書」で、動画共有サービスの中では「YouTube」の利用率が高く、10代から40代で90%以上が利用している事がわかりました。その他の動画共有系のサービスは、TikTokやニコニコ動画も若年層を中心に利用があります。また、年代ごとの特徴的な利用傾向が出たサービスに「TikTok」があります。TikTokはZ世代(1990年後半から2000年代に生まれた人)を中心とし、特に10代で57.7%、20代で28.6%の利用と他の年代と一線を画す利用率になっています。
子どもに人気のYouTubeジャンルや視聴時間は?
YouTubeは前項の「Youtubeなど動画共有サービスの普及と利用率」の10代の利用も多い事が見てとれますが、10代以下の子どもにも人気です。子どもの好きなYouTubeの動画ジャンルは、エンターテインメントや娯楽の6ジャンルが大半を占める結果になりました。
1位:ゲーム実況 23.1%
2位:漫画/アニメが16.9%
3位:音楽 15.8%
4位:商品・おもちゃのレビュー 13.8%
5位:ペット11.8%
6位:お笑い・エンタメ 11.7%
子どもに人気の職業YouTuber(ユーチューバー)とは?
YouTubeの視聴が身近になる中で、子どもがなりたい職業の上位に「YouTuber」が近年、毎年のようにランクインしています。2021年末に進研ゼミ小学講座が実施した「2021年の出来事や将来に関する小学生の意識調査」でも「小学生がなりたい職業ランキング」の1位はYoutuberでした。
子どものYouTubeの平均視聴時間は?
地域コミュニティーサービス「マチコミ」が2021年に実施した「子どものYouTube動画視聴事情に関するアンケート調査」の結果によると、子どものYouTubeの1日の視聴時間は1~2時間が31%で最多でした。その他の内訳としては、「1時間未満」が28%、「2時間〜3時間」が18%、「3時間〜4時間」が11%という結果でした。
企業のYouTube(ユーチューブ)利用や広告状況
YouTubeは娯楽利用のみでなく、情報収集の手段としても広く利用されています。
10・20代を対象にした調査では、美容やファッションなどの動画を見て、「動画で紹介していた商品を購入」した経験がある10代男性は33.8%、10代女性は46.5%、20代男性は21.4%、20代女性は34%(※)でした。YouTubeユーザーへの購買行動への影響力は、年々高まりを見せており、商品やサービスを提供する企業もYouTubeの活用を始めています。
※株式会社テスティー「TesTee Lab」実施「YouTuber(ユーチューバー)に関する調査」
企業はYouTubeをアンケートや調査に利用
BtoB企業では、担当者の50.9%がYouTubeを使用して、商品やサービスの購入に関する事前調査を行っています(※)。
事前調査に利用する媒体としては、Facebookが48.5%。LinkedInが33%で、多くの担当者が事前調査を行うSNSとして「YouTube」を選択していることがわかりました。
※参照 Info cubic公表「YouTubeをめぐる16の統計データ」
企業のマーケティングでYouTubeは有効なのか?事例をご紹介
近年、テレビCMなどのマスマーケティングからYouTubeに広告出稿をシフトしたり、予算を増大する企業が増加しています。
大手消費財メーカーの花王もスモールマス(※)戦略では、YouTube活用をしています。代表的な商品である「ビオレ」の「ビオレ おうちdeエステ」は、YouTube広告を展開した事も話題になりました。この広告施策の実施で、対発売期比でシェア率が322%以上上昇したという成果があがっています。
※「スモールマス」・・・花王株式会社が2015 年から提唱し、推進。スモールマス戦略では、多様化、細分化する市場を生活者の興味関心やライフスタイル、ニーズを理解した上でセグメントを分け、既存のマスより小さいながらも一定のボリュームを持つ消費者のグループに、それぞれに合った商品を提供するという考え方。
YouTube広告の特徴とは?
大手メーカーも参入するYouTube広告の特徴をご紹介します。主な特徴としては、テレビ広告などのマスマーケティングと比較した特徴を記載します。
1.出稿予算の柔軟性
YouTube広告は手軽に安価に始められます。
動画の投稿は無料で行うこともできるし、広告配信も予算に応じて出稿ができる柔軟性があります。
2.YouTubeはユーザーに行動喚起
YouTubeは動画に関連するリンクの埋め込みや画面上に文字を表示する「アノテーション機能」があります。
動画の最後に「続きはWEBで」や「詳しくはこちら」など自社サイトへのURLを貼っておくと、動画の内容に興味を持ったユーザーを誘導し、購買に繋げることができます。
3.YouTuberとコラボでターゲットに効率よくアプローチできる
YouTubeに広告案件を依頼すると、自社の商品やサービスのサービスをPRが可能です。YouTuberの得意分野、ターゲットへの訴求力、商品やサービスとの親和性などでコラボするYouTuberを選定します。インフルエンス(影響)力やファン・シンパのいるYouTuberに依頼をしても、自社の商品やサービスとYouTuberの視聴者層がマッチしていないと成果に繋がらないことから商材とYouTuberのマッチ度が重要です。
4.視聴者のデータが取得・解析が可能
テレビ広告の場合、CMを視聴したユーザーの動向を追跡することが難しいですが、YouTubeの場合、無料のアクセス解析サービス「YouTubeアナリティクス」で、ユーザーの動向の追跡が可能で費用対効果の算出も容易です。動画の再生数や再生継続時間、再生維持率、流入元などのデータが閲覧できるため、ユーザーのニーズやインサイトの理解に繋げることも可能です。
5.WEB検索に強く・SNSなどで拡散が期待できる
検索エンジン「Google」でも、YouTube動画が上位にあがる場合があります。
検索キーワードとの関連性が高く、動画の再生維持率や評価が高い場合、Googleから「価値のあるコンテンツ」と評価され、Web検索結果ページで上位表示されます。
YouTubeは、シェアによる拡散性がよい点も特徴です。TwitterやFacebookなどといった外部のSNSでも簡単に共有、シェアが可能です。
まとめ
YouTubeの利用者数や視聴時間は年々伸長しています。特にコロナ禍以降は視聴時間が長くなっており、癒しやリラックス系のキーワードの動画が人気です。
一般ユーザーのみでなく、企業のYouTube利用も増加し、広告用途のみでなく、市場調査やユーザーのデータ収集に利用するなど幅広くマーケティング手段として活用されています。
Sell Well(セルウェル)は”意識と行動の変容を促すプロモーションの立案・実施・運営”を得意としています。現在の広告やプロモーションに課題を感じている方はお問合せからお気軽にご相談ください。