
KGIとKPIの違いを理解することは、目標設定の考え方を把握するのに役立ちます。しかし、両者は似ているため混同しやすい指標です。ビジネスパーソンにとって、押さえておきたい基礎知識と言えるでしょう。本記事では、新規事業や組織マネジメントに携わる方に向けて、KGIとKPIの違い・関係性・設定方法をわかりやすく解説します。
KGIとKPIの違いとは
KGI(重要目標達成指標)とは、最終的に達成すべきゴールや成果を示す指標です。一方、KPI(重要業績評価指標)は、KGIを達成するための中間目標を指します。
具体例として、新規事業でオンライン学習サービスを立ち上げる場合を考えてみましょう。
KGI(最終目標)
・年間売上高:5億円
KPI(中間目標)
・新規会員登録数:月間5,000人
・無料体験から有料コースへの転換率:20%
・受講継続率(リピート率):70%
このように、KPIはKGIを実現するための具体的な成果を測る指標として設定します。両者の関係性を図示すると次のとおりです。

KSFとの関係性
KPIを設定する際に欠かせない考え方が、KSF(重要成功要因)です。KSFとは、KGIを達成するために注力すべき要素を示したものです。つまり、KGIを達成する目標を定めるには、KSFを明確にし、KSFを設定する流れになります。
先ほどのオンライン学習サービスの例で考えると、KGI「年間売上高5億円」を達成するためのKSFは以下のとおりです。
・新規ユーザーの獲得
サービスの登録者数を増やし、売上拡大の基盤を作ります。
・無料体験から有料化の促進
無料体験のユーザーを売上につなげます。
・受講者の定着
受講者の継続利用を促し、顧客生涯価値(LTV)を向上することで売上高の増加につなげます。
これらの関係性を図示すると次のとおりです。

OKRとの違い
KPIとよく比較される考え方に、OKR(目標と主要な結果)があります。
OKRは、企業全体の目標を達成するために、各部署や個人の目標を設定するフレームワークです。特徴的なのは、目標の達成度が60%~70%でも成功とみなされる点です。
一方、KPIは設定した目標の100%の達成を目指します。つまり、KPIとOKRの違いは挑戦的な目標を設定できるかどうかです。
OKRの詳細については、「OKRとは?目標設定や運用方法、意味をわかりやすく解説」の記事をご参照ください。
KGIとKPIを設定するメリット
新規事業や組織マネジメントでは、KGIとKPIを設定することが重要です。その理由として、3つのメリットを紹介します。
メリット① 目標が明確になる
KGIとKPIを設定することで、組織やプロジェクトの目標が明確になり、一貫した戦略を実施しやすくなります。また、各部署や個人の役割が整理され、行動計画を立てやすくなるのもメリットです。目標が可視化されることで、チーム内での認識のズレが減り、意思決定や日々の業務の判断もスムーズになります。
メリット② 進捗状況を定量的に把握できる
KPIを設定するメリットは、現状と比較することでプロジェクトの進捗を定量的に把握できる点です。進捗状況が計画通りか、あるいは改善すべきかを判断でき、必要に応じて軌道修正を行うことで目標達成に近づきます。
メリット③ 業務の優先度を判断しやすくなる
KPIを設定すると、業務の優先度を判断しやすくなります。重要度の低い業務にかかる時間が減るため、チーム全体の業務効率化や生産性の向上が期待できます。
KGIとKPIの設定方法
KGIとKPIは互いに関連しているため、順序立てて設定することがポイントです。特に新規事業では、目標が不確実な部分も多く、段階的に整理することが重要です。ここでは、新規事業を例に、KGIとKPIの設定方法をわかりやすく解説します。
手順① KGIを設定する
最終的に達成したい目標として、KGIを設定します。KGIを設定する際は、「SMARTの法則」を意識すると効果的です。
SMARTの法則
・Specific:具体的
・Measurable:測定可能
・Achievable:達成可能
・Relevant:関連性
・Time-bound:期限
例えば、新規事業では「1年目に売上高1億円を達成する」や「会員数5万人を獲得する」といった目標を設定します。
このように売上高や契約件数、会員数など、数値で表せる指標を選択します。注意したいのは、「事業を成功させる」といった抽象的な目標を設定することです。曖昧な目標では進捗を正確に測定できず、経営判断も難しくなります。
手順② KSFを設定する
KGIを達成するための要素として、KSFを検討します。例えば、KGIを「1年目に売上高1億円を達成する」と設定した場合のKSFは、以下のとおりです。
・新規顧客獲得数の向上
・リピート率の増加
・技術力の向上
・ブランド力の強化
・サービス品質の向上
ポイントはKSFを実現することで、KGIの達成に近づくようにすることです。また、KSFは施策の方向性を示す要素のため、必ずしも数値で表す必要はありません。目標達成のために注力すべき領域を明確にすることが重要です。
手順③ KPIを設定する
KPIは、KSFを具体的な数値に落とし込んだ中間目標です。新規事業であれば、以下のようなKPIが考えられます。
・月間新規顧客獲得数
・継続率
・商品購入率
これらの指標を定期的にモニタリングすることで、進捗を数値で把握でき、計画通りに進んでいるか、改善が必要かを判断できます。
KGIとKPIの設定や達成に役立つフレームワーク
既存のフレームワークを活用することで、効率的にKGIとKPIの設定や達成ができます。ここでは、特に役立つ2つのフレームワークを紹介します。
KPIツリー

KPIツリーは、KGIを達成するために必要なKPIをツリー状に整理するフレームワークです。ツリーの最上位にKGIを置き、その下にKSFやKPIを配置します。さらにKPIを細分化し、子KPIや孫KPIといった形でツリー構造を深めることもできます。この手法のメリットは、以下のとおりです。
・KGIと各KPIの関係性を可視化できる
・KPIを洗い出せる
・ボトルネックを発見しやすい
これらのメリットにより、組織全体が同じ目標に向かって行動しやすくなります。
PDCAサイクル
PDCAサイクルは、業務やプロジェクトを継続的に改善するための代表的な手法です。「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのプロセスを順に繰り返すことで、業務の質を向上させ、目標達成に着実に近づきます。
この手法の主なメリットは、以下のとおりです。
・業務を継続的に改善できる
・失敗や課題を次の改善につなげやすい
・次に取るべきアクションが明確になる
PDCAサイクルは、KPIの達成を目指す際にも活用できます。
PDCAサイクルの詳細は、「PDCAサイクルとは?仕事ができる人が実践する5つの使い方のコツ」の記事をご参照ください。
KGIとKPIで目標を明確にしよう
KGIとKPIの違いを正しく理解することは、効果的な目標設定の第一歩です。KPIツリーやPDCAサイクルなどのフレームワークを活用することで、さらに成果を高めることができます。新規事業を推進する際は、KGIとKPIの設定をしましょう。
セルウェルでは、新規事業支援サービス「medeteru(メデテル)」を提供しています。目標設定はもちろんのこと、新規事業に関するお悩みやご相談は、お気軽にお問合せください。


