新規事業の狙い目の探し方とは?前提条件と6つの視点を紹介

新規事業の立ち上げは、企業の持続的な成長のために重要な取り組みです。しかし、今後流行るビジネスを見極めるのは容易ではありません。本記事では、有望なビジネスチャンスを見つけるために、新規事業の狙い目の探し方をわかりやすく解説します。

新規事業の狙い目の条件

新規事業を成功させるためには、どの市場を狙うかという方向性が重要です。どれほど魅力的なアイデアであっても、競争が激しすぎたり、需要がなかったりすれば、軌道に乗せることが難しいためです。ここでは、新規事業の狙い目となる分野を見極めるための3つの条件を紹介します。

競合が少ない

新規事業の狙い目の重要な条件の一つ目は、競合が少ない市場であることです。成熟した市場では、すでに多くの企業が参入しており、新規に参入してもシェアを獲得するのは容易ではありません。競争が激化しやすく、価格競争に陥ることで利益を確保するのも困難です。

一方、競合が少ないニッチな領域には、多くのビジネスチャンスが眠っています。いわゆる「ブルーオーシャン」と呼ばれる未開拓の市場は、先行者利益を得やすく、競争優位性を築きやすいという特徴があります。

そのため、市場の成長性や参入障壁を見極めながら、自社が優位に立てる分野を早期に発見することが新規事業を成功へ導くカギです。

自社の強みを生かせる

成功の確率を高めるには、自社の強みを生かせる分野を選ぶことが重要です。

例えば、食品メーカーが自社の技術力や設備を活用して、健康食品の分野に新規参入するケースです。既存の技術や設備を生かせるので、開発コストやリスクを抑えながら新規事業に挑戦できます。

このように自社の強みを生かすことで、競合との差別化が図りやすくなるのもポイントです。

顧客のニーズがある

新規事業を成功させるには、顧客のニーズの存在が不可欠です。どれほど優れた技術や斬新なアイデアがあっても、顧客に求められていなければ事業として成立しません。

特に、競合の少ない「ブルーオーシャン」の市場は注意が必要です。他社が採算性や市場の存在そのものを疑って、進出を見送っているケースも少なくないためです。そのため、新規事業を推進する前に、市場調査やアンケート、プロトタイプのテストなどを通じて顧客のニーズがあるかどうかを確認しましょう。

新規事業の狙い目の探し方

新規事業の狙い目を見つけるには、「面白そうなアイデア」を思いつくだけでは不十分です。自社の強みや市場の動向を分析し、ニーズがあるかを見極めることが重要です。ここでは、具体的な6つの探し方を紹介します。

自社の強みから探す

新規事業のアイデアは、自社の「強み」を起点に検討するのが基本です。そこで、まずは自社の強みを洗い出します。

その強みを軸に、「どの市場のどのようなニーズに応えられるか」を検討することで、新規事業の狙い目を探せます。例えば、繊細な製造技術を持つメーカーであれば、その技術力を活かして医療機器分野や半導体分野へ参入するといったケースです。

強みを起点にしたアイデアは、既存のリソースを活用できるため、リスクを抑えつつ競合に対して優位性を築きやすいというメリットがあります。

新技術を活用する

新技術の活用も新規事業の狙い目を見つける有力な方法です。AI(人工知能)、IoTなど、革新的な技術は新しい商品やサービスを生み出す可能性があります。

例えば、AIやIoTセンサーを活用して農業の効率化を図るスマート農業は、新技術を生かして従来の課題を解決した事例です。

アイデアを検討する際は、「新技術で既存の産業や生活の不便をどう解消できるか」「今まで不可能だったことを可能にするにはどう活用すればいいか」という視点が重要です。これにより、ニーズのある市場を開拓できます。

市場や社会の変化から探す

市場や社会の変化は、多くのビジネスチャンスを生み出します。高齢化、働き方の多様化、環境問題の深刻化などはその典型的な例です。具体例は以下のとおりです。

高齢化:介護サービスや健康支援サービスの需要増加

働き方の多様化:リモートワークやクラウドサービスの需要増加

環境問題の深刻化:電気自動車や再生可能エネルギー関連サービスの需要増加

社会や市場の変化を的確に捉えることで、顧客が求める商品・サービスをいち早く市場に提供できます。

SNSの情報から探す

X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのSNSは、現在のトレンドや個人の生の声を集められる情報源です。投稿内容やハッシュタグを分析することで、従来の市場調査では見えにくかった特定の層の潜在的な関心や消費行動の変化を把握できます。

例えば、以下のとおりです。

・人気の料理動画から、簡単調理キットの需要を見つける

・投稿された不満の声から、生活を便利にするアプリのアイデアを見つける

この手法で重要なのは、一過性のブームに惑わされず、持続的なニーズを見極めることです。

成長性のある市場を探す

将来大きな成長が見込まれる市場に早期に参入することは、先行者利益を得る絶好の機会となります。市場の成長性を判断する際は、市場規模の推移、法規制の動向、技術進化のスピードなどを総合的に分析することが重要です。

将来的に拡大が期待される分野の例として、次の産業が挙げられます。

・再生可能エネルギー

・宇宙ビジネス

・AI

これらの分野への参入には一定のリスクが伴います。しかし、市場拡大の過程で標準的なサービスやインフラを確立できれば、安定した収益源を確保できます。

国の政策や法規制の変化に注目する

国の政策や法規制の変更は、特定の産業に大きな影響を与えると同時に、新たなビジネスチャンスを生み出す要因です。政府が重点的に推進する分野は、補助金や税制優遇などの支援策の対象となることも多く、企業にとって追い風となります。

これまでにも、次のような政策によって新たなビジネスチャンスが生まれてきました。

・カーボンニュートラルの推進による再生可能エネルギー産業の拡大

・行政のデジタル化支援によるIT・DX関連産業の拡大

このように、国の政策や法規制の動向を分析することで、新規事業の狙い目を発見できます。

新規事業のアイデア出しに役立つフレームワーク

新規事業の狙い目を探す際には、感覚や経験だけに頼らず、体系的な分析を行うことが重要です。その際に役立つのがフレームワークです。ここでは、新規事業のアイデア出しに有効な3つのフレームワークを紹介します。

・SWOT分析

SWOT分析は、自社を取り巻く環境を「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つの視点から分析する手法です。内部環境と外部環境を明確にすることで、自社がどの分野で勝負できるのかを客観的に判断できます。

・3C分析

3C分析は、「市場・顧客」「競合」「自社」の3つの視点から事業環境を整理・分析するためのフレームワークです。これらの要素の関係性を明らかにすることで、競合に勝てる市場や自社ならではの差別化ポイントを見つけ出すことができます。

・PEST分析

PEST分析は、「政治」「経済」「社会」「技術」の4つの視点から、企業を取り巻くマクロ環境を分析するフレームワークです。これらの外部環境は、企業の活動とは直接関係なく変化するため、将来的にどのような影響を及ぼすかを把握しておくことが大切です。

フレームワークの詳細は、「新規事業開発担当になったら知っておくべきフレームワーク」の記事をご参照ください。

新規事業の狙い目を探そう

新規事業の狙い目を発見するには、自社の強みや市場の成長性、顧客ニーズなどを総合的に分析することが重要です。また、フレームワークを活用して体系的に検討することで、より深い議論ができます。これらの方法を使って、新たなビジネスチャンスを探してみましょう。

セルウェルでは、新規事業のアイデア創出から上市まで、一貫したサポートを提供しています。新規事業の立ち上げを検討中のご担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。