
従来のマーケティングは、テレビCMやWeb広告など、企業が一方的に情報を発信するのがほとんどでした。しかし、SNSやスマートフォンの普及、顧客のニーズやライフスタイルの多様化により、従来の手法では十分に効果を発揮できないこともあります。
そこで、注目されているのがインタラクティブマーケティングです。本記事ではインタラクティブマーケティングの意味や手法、メリット、事例をわかりやすく解説します。
インタラクティブマーケティングとは

インタラクティブマーケティングとは、企業と顧客が双方向のやり取りを行いながら、新たな価値やサービスを生み出すマーケティング手法です。特徴は「顧客が参加できる」という点にあり、この体験を通じて関係性が強化され、顧客育成につながります。
注目される背景
インタラクティブマーケティングが注目されるのは、以下のような背景があります。
1.1.1 インターネットやスマートフォンの普及
インターネットやスマートフォンの普及により、顧客は必要な情報を自ら入手できるようになりました。その結果、企業の一方的な宣伝は関心を持たれにくくなっています。そこで、新たなマーケティング手法としてインタラクティブマーケティングが注目されています。
SNSの普及
SNSの普及により、以前よりも容易に企業と顧客がコミュニケーションを取れるようになりました。総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によれば、日本におけるSNS利用者数は2022年時点で1億200万人、2027年には1億1,300万人に達する見込みです。このようにSNSの利用者数はさらに増加することから、インタラクティブマーケティングの重要性も増しています。
顧客のニーズやライフスタイルの変化
顧客のニーズやライフスタイルは多様化しています。趣味や関心、購買行動の選択肢が増えたためです。その結果、画一的なマーケティングでは対応しきれないケースが増えました。そのような顧客のニーズを把握し、戦略に生かすためにインタラクティブマーケティングが注目されています。
競合企業との差別化
インタラクティブマーケティングは、競合との差別化にも効果的です。顧客との双方向のやり取りを通じて新たな価値やサービスを創出できるためです。このような差別化は、事業の安定的な成長につながります。
具体的な手法
インタラクティブマーケティングは、すでに様々なマーケティング施策に取り入れられています。具体的な手法は次のとおりです。
クイズ形式のコンテンツ
クイズ形式のコンテンツは、顧客が楽しみながらブランドや商品について学べる手法です。単なる情報提供ではなく、参加型のコンテンツにすることで、記憶に残りやすくなります。また、クイズ結果により個別のおすすめ商品やサービスを提示することで、独自の体験を提供できます。
SNSキャンペーン
SNSを活用したキャンペーンは、インタラクティブマーケティングの代表的な手法です。ハッシュタグを利用した投稿やコンテストなど、顧客から情報を発信する仕組みを作ることで、ブランドの認知拡大やファンの拡大につながります。また、SNSの拡散力を生かすことで、潜在顧客に訴求できるのも魅力です。
チャットボット
チャットボットとは、顧客の質問に対して、テキスト形式で回答するプログラムです。多くの場合、Webサイトに組み込まれており、顧客が質問を入力すると即座に回答します。顧客がいつでも手軽に回答を得られることから、顧客満足度の向上につながります。
インタラクティブマーケティングのメリット
顧客と企業の双方向のやり取りを取り入れることで、次の3つのメリットがあります。
メリット① 顧客育成につながる
参加型の体験は、顧客満足度を高めるだけでなく、企業とのやり取りの中で信頼関係の構築も期待できます。すると、顧客はブランドへの興味や愛着が湧き、リピートやファン化といった顧客育成につながります。
顧客満足度を高めるフレームワークについて関心のある方は、「狩野モデルとは」の記事をご参照ください。
メリット② 購買意欲を高めやすい
インタラクティブマーケティングのメリットは、顧客の購買意欲を高めやすい点です。双方向のやり取りを通じて、顧客一人ひとりに合わせた商品やサービスを提案できるからです。例えば、クイズ形式のコンテンツでは、回答内容に応じて顧客に最適な商品を提案できます。このようなパーソナライズされた提案は、購買意欲の向上につながり、売上の増加が期待できます。
メリット③ マーケティングの最適化
顧客とのやり取りから得られる情報を活用することで、マーケティングの精度を高めることができます。例えば、チャットボットに寄せられた質問を分析することで、顧客が求めている情報やサービスを把握できるでしょう。こうしたデータをもとに広告やプロモーションを調整すれば、より効果的なマーケティングにつながります。
インタラクティブマーケティングの成功のポイント

インタラクティブマーケティングを成功させるには、単に双方向のやり取りを行うだけでは不十分です。顧客にとって価値のある体験を提供するために、次の2つのポイントを意識することが重要です。
・データを活用して施策を改善する
双方向のやり取りから得られるデータを分析し、マーケティング施策を見直します。データに基づいた改善を重ねることで、顧客にとって価値のある体験を提供できるようになります。その結果、成果の向上につながるでしょう。
・コミュニケーション前後の施策を整える
インタラクティブマーケティングでは、顧客とのやり取りだけでなく、前後のプロセスも重要です。具体的には、どのようにして顧客を集めるか、どのように商品やサービスの購入につなげるかを設計する必要があります。このように、コミュニケーション前後の施策を整えることが大切です。
インタラクティブマーケティングの事例
インタラクティブマーケティングを取り入れて、リピーターやファン化を促すことに成功した事例を2つ紹介します。
事例① 東京ディズニーリゾート:タートル・トーク
東京ディズニーリゾートのアトラクションの一つ「タートル・トーク」は、インタラクティブマーケティングを取り入れた好例です。このアトラクションは、ゲストがウミガメのクラッシュと会話する内容によって、顧客体験が変化する仕組みになっています。つまり、ゲストがクラッシュの異なる反応を見るために、何度でも訪れたくなるように設計されているのです。
参考:東京ディズニーリゾート「タートル・トーク」
事例② インタラクティブ映画:ヒプノシスマイク
「ヒプノシスマイク」は、観客の投票によってストーリーが変化する日本初のインタラクティブ映画です。観客はスマホアプリを使って劇中の選択に参加できる仕組みで、この双方向性が特徴です。何度も見たくなる設計を採用したことで、興行収入は10億円を突破しました。このことから、同映画はインタラクティブマーケティングの成功事例の一つと言えるでしょう。
参考:ヒプノシスマイク「NEWS」
顧客育成には双方向のやり取りがカギ
インタラクティブマーケティングは、顧客と企業が双方向のやり取りをすることで、顧客満足度の向上や顧客育成を促進する手法です。このような参加型のアプローチは、多くの業界で応用可能です。新規事業のアイデアを模索している経営者様は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
また、セルウェルでは新規事業支援サービス「メデテル」を提供しています。新規事業に関するご相談やご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。
