セルウェルでは、新型コロナウィルスの感染拡大に備え、1月29日より在宅勤務を導入しました。現在は社内でルールを定め、マネージャー判断の元で在宅勤務(リモートワーク)による業務に取り組んでいます。
そうした中、普段会っていればなんとなくでも同じ方向性を向いて一緒に進められていたことが、リモートワークへの移行から1ヵ月以上経つことで少しずつズレが出ているのではと感じる場面が出てきました。
「このまま手を打たないとズレが大きくなるかもしれない」という危機感の中、1つの対策として社内でオンライン勉強会を実施しました。今回はその内容と成果についてお伝えさせて頂きます。
実施したオンライン勉強会の考え方
セルウェルでは、これまで対外的に「マーケティングに関する勉強会」を実施してきました。その内容は、マーケティングにダイアログ(対話)を取り入れた、探求を深め、新たな価値を生成する話し合いをもたらすことを目的とした勉強会です。
ここでいうダイアログとは、情報のやりとりにとどまらず、話す側、聞く側がお互いに理解を深め、行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーションを指しています。
そもそもリモートワークより以前から、仕事の指示も報告も、会話をしなくてもメールなどで済まそうと思えばそれで済んでしまう中で、ダイアログ(対話)の必要性が見直されていました。
これを勉強会にも応用することで、ただ知識やノウハウを伝えるのではなく、他者の視点・思考を通じて、自らの固定観念を外し、新たな気づき・アイデアを得られることに価値があるという認識が生まれたのです。
こうした経験を踏まえ、オンライン勉強会でもダイアログの要素を取り入れ、「結論ではなく共通理解」を得ることを目的として設計しました。
勉強会のテーマは「5Gで世界はどのように変わるのか?」にしました。
5Gを選んだ理由は、各メンバーが言葉に対して持つイメージや知識の違いがありそうだと感じられたからです。また、なにより「自社の業務に直結しているテーマ」であることから、会社の方向性への共通理解を得るきっかけになりやすいと考えました。
オンライン勉強会を実施するきっかけとなったリモートワークにも、5Gが影響を与えていくだろうということも理由の一つです。
やってみた感想
勉強会では、以下の問いについてダイアログ(対話)を行いました。
Q1.5Gに対して持っている印象は?
Q2.5Gで変わることの例で、どの事例に興味を持ちましたか、その理由は?
Q3.5Gを自社のビジネス(業務)に活用するとしたら、どのようなことが思いつきますか、その理由は?
時間にして1時間ちょっとのダイアログ(対話)でした。各メンバーの感想を紹介します。
“あらためて5Gって何なんだろう?というのを見つめなおす良い機会になった。
技術の発展が、「不幸を減らす」と「幸福を増やす」では、求められる質感が異なるんだという気づきが今日一番の発見だったように感じます。”
“5Gについての知識があまりにも少なく、勉強することばかりだった。
5GとAIについての知識が混同している部分が多々ある。そして、一般的な20代~30代の女性にとっての5Gの知識は、ほぼ私と変わらないのも現実なのかも……。と感じた。
「まだここにない便利」はイメージしづらく、興味関心も向かいにくいが、自分の目の前にそれが実際に置かれたとき、自分(や他の人)はどんな風に感じるのか……おそらく振り戻し?的な価値観の波がくるだろうな。とも思うので、とにかく勉強したいと思う。”
“私は、こうなるんだろうなと具体的な結果を想像しましたが、仕組みが変わるというより広い印象を聞いてなるほどなと思いました。本当に変わるのか?という疑問も確かにありますが、今の通信の待ちのイライラが軽減されるなら精神衛生上非常に良いなともいます。”
“同じ5Gというテーマでも各人で受ける印象や反応する面が違い、面白かった。今回特に印象的だったのは「どんな情報も最後に処理するのは人の感覚」という話で、今後のセルウェルの立ち位置を考える上でも、自身の営業スタンスとしても重要な一言であった。
今まで今回のような発散系勉強会に参加した事がなかったが、お客様に提供できる話として個人的にはとても良かった。”
“まず5Gというテーマに対して自分自身がほとんど分かってないということを実感した。イメージに域を出ておらず、現状すでにどんなことが実現されているのか、直近でどういったサービスなどが実現されるのかといった具体性がなかった。
次に、世代によって5Gに対するポジティブ(期待や希望)とネガティブ(不安や懸念)
の比率に違いがあると感じた。恐らく今後、個人間でも組織間でも格差が生じ、5Gを活用できる/できないが生活や業績などに大きく影響してきそう。5Gリテラシー格差=経済格差、健康格差、教育格差といった構図ができてもおかしくないと感じる。”
以上、メンバーそれぞれの視点を受け入れながら、5Gへの理解が進んだことがわかります。
共有する時間の大切さ。オンラインゆえの課題
次に「5G」というテーマではなく、社内・チーム内でのオンライン勉強会自体に対して、どのように感じたのかをご紹介します。
好意的な感想
“自社内での勉強会でもなるほどと思う意見は多く出てきて、定期的に考えや思いを共有する場は必要だと感じています。
勉強会ではないですが、在宅になってからお昼の時間でラジオ的にTV会議を開いて色々な話ができるようにしていたのですが、それだけでも精神的に近くなった気はしていました。気兼ねなく共有できる時間は今後も持っていきたいです。”
“年代や性別によって全然違う視点での意見があって、勉強会全体として面白かった。”
オンラインゆえの課題
“本日のオンライン勉強会は楽しかったし、勉強になったと満足だったが、同時に難しさも感じた。一方的な授業形式なら成り立つが、勉強会となると、そのスタンス・目的によってはハードルが高いこともある。”
“普段何か発言をするときに自分が思った以上に周囲を見ているのだと感じた。
参加している人のリアクションが見えないが故に発言しやすい面と、しづらい面があった。”
次回以降への意見
“今後、対外的にもこういったシーンが増えてくることが予想される。同じ空間にいないため、自分の話を相手がどう受け取っているのか、また相手がどういったテンションで話しているのかを、肌で感じ取りにくい。
こうしたオンラインで複数人が話をするという環境にはもっと慣れておくべきだと感じた。”
“テーマの設計に関して、社内で行うのであれば、日常の業務の進め方、自分の考え方などに対して、より内省を促すものであってもよかったかなとは思いました。”
“今回は5Gがテーマで、正直あまり知らない領域であったが、もう少し全員が認知している/
具体的な意見が出やすいテーマでやってみると面白いかなと思った。”
以上、好意的な感想ではあるが、オフラインの勉強会に比べてコミュニケーションの難しさを感じたという意見は無視できない課題として残りました。
まとめ:対話の時間をこれからも増やしていく
勉強会の目的で触れたとおり、5Gというテーマに対して会社としてこうしようという結論を出すのではなく、共通理解を得ることを目的としました。
その結果として、勉強会は5Gというテーマに対し、互いの考えを通して知識を深め合う時間になりました。そしてそのことは、勉強会中のやりとりと勉強会後の感想、双方から感じることができました。
またオンライン勉強会を行うきっかけとなった「方向性のズレ」についても勉強会を通して方向性が定まっていく対話が多数ありました。特に印象的だったのは、「セルウェルらしさ」というキーワードが頻繁に飛び交っていたことです。
各メンバーから「らしさ」に対する会話がなされ、共通理解が深まったことは、顔を合わさない時間に生まれたズレを直すこと以上の成果につながるのではないかと感じています。今回の時間がきっかけになり、今まで以上に組織の方向性が定まり、組織の質が高まっていく予感がするのです。
とはいえ、前述の通り、オンラインで勉強会を実施する課題も残っています。ただし、これらは運営方法やツールの変更、時には集まる時間を設けるなどして解決できると考えています。
オンライン勉強会を一緒にしませんか
現在、突然のリモートワークへの半ば強制的な移行に戸惑い、移行後のマネジメントに課題を感じている人は、我々同様に多くいるのではないでしょうか。
今回、私たちが実施したマーケティングダイアログ勉強会は、こうした課題の解決と、プラスアルファの効果を期待できるものです。勉強会は参加者にとって、マネジメント面の強化とこれからのマーケティング施策を考える上で有益な時間になるはずです。
少しでも興味を持った方はお気軽にご連絡ください。具体的な運用方法や勉強会中のお話など、コラムでは紹介しきれなかったことに関しても、詳しく説明致します。
社内メンバーのみも可能ですし、ビジネスプロデュースを経験してきた私たちセルウェルメンバーとともに実施することで、より多様性に満ちた勉強会を実施することもできます。
是非、一緒にオンライン勉強会をやってみませんか。