プチプラとは何?定義とデパコスとの比較や人気の理由、人気ブランドを紹介

「プチプラ」とは「プチプライス」の略で、値段が安いことを表す造語です。

ファッションや化粧品などで使われることが多く、安い価格でファッションや美容を楽しみたい方からプチプラアイテムは支持されています。また「プチプラ」の特徴は単に値段が安いだけではなく、品質・機能性・デザインといったように、値段に加えてプラスアルファがあることです。

本記事ではプチプラの定義や対義語、人気の理由や人気ブランドについて紹介します。

Contents

プチプラとは?

プチプラとは、フランス語の「petit」と英語の「price」を組み合わせた「プチプライス」の略で、値段が安いことを意味する言葉です。2010年代から若い女性を中心に使われはじめ、現在ではプチプラコスメやプチプラファッションといった使い方で利用されています。

「デパコス」との違い

プチプラと似た言葉が「デパコス」です。

デパコスは「デパートメントコスメ」の略で、デパートや百貨店で販売している高級なコスメを指します。意味は反対のため、プチプラの対義語として「デパコス」は使われます。

ちなみに、衣類に対するプチプラの対義語はハイブランドの略の「ハイブラ」です。

ファストファッションとの違い

ファストファッションとは、流行を取り入れながら低価格でほどよい品質のファッションアイテムを販売するビジネスモデルです。ファストファッションはビジネスモデルを指す言葉で、プチプラは値段が安いアイテムを指す言葉となります。

いくらまでがプチプラ?

値段の安いことを指すプチプラですが、「いくらまでがプチプラなの?」と疑問に感じる方もいるでしょう。

プチプラに上限金額はなく、ユーザーが割安と感じる値段であるかどうかです。そのため数百円のコスメから数千円のアパレルといったように、プチプラでもアイテムによって値段に差があります。

値段の安い・高いは主観的な要素なので、一概に〇〇円までがプチプラと決められないともいえるでしょう。

プチプラが人気の理由

参考:Googleトレンド

上図のGoogleトレンドを見ると、プチプラは2010年ごろより使われはじめ、すでに多くの方が普段から使用している言葉だとわかります。それではなぜプチプラが人気なのかといえば、以下の3つの理由が挙げられます。

  • 手ごろな価格で試しやすい
  • 物価上昇によりプチプラのニーズが高まっている
  • 限定品や季節品に魅力がある

※Googleトレンドは、Googleにおいてどれだけ検索されているかをグラフで確認できるサービスです。

理由①:手ごろな価格で試しやすい

プチプラが人気の理由は、なんといっても値段の安さです。

値段が安いことにより決まった予算のなかから、コスメやファッションを多く楽しめると若者を中心に受けているのです。例えば1万円の衣類を1枚購入するよりも、2,000円の衣類を5枚購入したほうがファッションのバリエーションを増やせます。

このように手ごろな価格なので、試しやすいのがプチプラの人気の理由です。

理由②:食料品高騰によりプチプラのニーズが高まっている

最近の日本では食料品・燃料・光熱費の高騰が続いております。実際に食料の消費者物価指数の推移は以下のとおりです。

出典:農林水産省「我が国における食料の消費者物価指数の推移

グラフから、食料品は年々高騰していることが見て取れます。つまり食料品などの生活必需品で費用が増えた分、コスメやファッションの費用を抑えようとプチプラの需要が高まっているのです。

理由③:限定品や季節品に魅力がある

ひと昔前の化粧品の限定品といえば、高級なイメージがあるかもしれません。

しかし最近では限定品や季節品であってもプチプラで販売されています。ファンやリピーターの所有欲をくすぐり、手ごろな価格も相まって人気があるのです。

プチプラの人気ブランド・サービス例

新規事業を検討している方にとっては、プチプラでどのようなブランドやサービスに人気があるのか気になるところでしょう。

本章では、プチプラの成功事例を「コスメ」「ファッション」「ECモール」のカテゴリー別に紹介します。

コスメ

プチプラとコスメは相性が良く、例えばダイソーで販売されているコスメもプチプラコスメに分類され人気です。ここではプチプラコスメで人気の3ブランドについて紹介します。

CANMAKE

CANMAKE(キャンメーク)は、「かわいく、たのしく、輝きたい!」をコンセプトに活躍するコスメブランドです。500円~1,000円の価格帯のコスメを多数揃えており、プチプラコスメの代表ともいえるブランドです。同社の人気商品は、「マシュマロフィニッシュパウダー」で累計出荷数3,000万を突破しています。

セザンヌ

セザンヌはキレイでありたいと思う方をサポートする化粧品ブランドで、創業60周年を迎えています。「シンプルで安心できるもの」「環境へのやさしさ・配慮」をポリシーに、お肌に優しい化粧品が人気の秘密です。人気商品のアイシャドーは、748円(税込)に設定されておりプチプラコスメのなかでも高い評価を得ています。

ちふれ 

ちふれは古くから、高品質な化粧品を低価格で販売することに注力してきました。1990年代後半には、化粧品が500円~1,000円の時代に「100円化粧品」を実現したほどです。その後も高品質化・適正価格を追求し、現在ではプチプラ化粧品ブランドのなかでも高コスパな化粧品として人気があります。

ファッション

コスメと並んで、プチプラアイテムと相性が良いのはファッションです。この章では、プチプラファッションとして人気の3つのアパレルブランドについて紹介します。

GU

GUはユニクロを運営するファーストリテイリング社の子会社で、トレンドアイテムが低価格で購入できると若者から人気です。例えば人気商品のロングスカートが2,490円、スウェットが1,490円です。このように低い販売価格の設定は、GUのコンセプトである「自由に買う、自由を着る」に沿っています。

ファッションセンター しまむら

ファッションセンター しまむらは、衣服・寝具・インテリアを取り扱う総合衣料品店です。豊富な品揃えに加えて、高品質・低価格で提供することで多くのファンを獲得しています。ファストファッション・プチプラファッションとして人気で、全国に1,418店舗を構えています。

ZARA

ZARAはスペイン発のファストファッションブランドです。世界の96の国と地域で2,200を超える店舗を展開しています。トレンドを取り入れたおしゃれなプチプラのアイテムは、多くの国と地域で受け入れられているのです。

ECサイト

プチプラはコスメ・ファッション以外に、低価格をセールスポイントにするECモールにも波及しています。ここでは若者を中心に人気が高まりつつある、2つのECモールを紹介します。

Qoo10

Qoo10(キューテン)はeBayが運営しているECモールで、レディースファッション・コスメ・生活雑貨などを安価で購入できるとして人気です。イベントの「メガ割」では最大20%割引で、さらに安く購入することもできます。

SHEIN

SHEIN(シーイン)は、中国発のECモールで150以上の国でサービスを提供しているECモールです。その特徴はなんといっても安さで、ファッションアイテムが数百円で購入できるほどです。アメリカでは、その「圧倒的な低価格」がZ世代から支持され、大きな成功を収めています。

「プチプラ」は定着!今後は別の業界に向かう?

現在、「プチプラ」は定着し、コスメ・アパレル業界でよく聞かれる言葉になりました。

今後、物価高騰が続く現代社会においては、プチプラの戦略は別の業界にも波及するかもしれません。例えばECモールで、「低価格戦略」により大きな成功を収めている企業も登場しているほどです。 新規事業のアイデアに迷っている方は、プチプラをキーワードに検討してもおもしろいのではないでしょうか。