「BeReal(ビリール)」は、近年、若者を中心に人気のSNSアプリです。これまでのSNSとは異なり、自分の好きなタイミングで撮影できない、写真を加工できないなどの制限が特徴です。
「なぜ人気なの?」や「何が面白いの?」と感じる方もいるでしょう。そこで本記事ではBeRealの概要や魅力、ビジネスにおける使い方について紹介します。
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BeRealとは?映えない・盛らないSNSアプリ
出典:App Store「BeReal. リアルな日常を友達と。」
BeReal(ビリール)は、2020年に公開されたフランス発のSNSアプリで、映えない・盛らないSNSとしてアメリカや日本の若者から支持されています。
株式会社RECCOOの「Z世代のホンネ調査」によると、Z世代150人に聞いたところ、BeRealは49%が使用していると回答しました。Instagram、X(Twitter)、TikTokに次いで4位にランクインし、若者の2人に1人が使っているといえます。
BeRealの特徴・ルール
BeRealが映えない・盛らないSNSアプリと呼ばれる理由は、以下の特徴にあります。
- 1日1回、通知の2分以内に撮影
- 写真は無加工で投稿
- インカメラ・アウトカメラの双方で撮影
- 古い投稿は消去
- フォローや「いいね」がない
これらの特徴・ルールにより、普段の写真を仲間内で共有して楽しむのがBeRealです。
1日1回、通知の2分以内に撮影
BeRealの最大の特徴は、1日1回ランダムの時間帯に一斉に届く通知から2分以内に撮影する必要があることです。
InstagramやTwitterは、自分の好きな時間に投稿できるため、自分の輝いている部分、見てほしい部分を投稿できます。一方、BeRealは時間帯を選べず、通知から2分というわずかな時間しか猶予がないため、映える写真を撮ることが困難です。
また、通知から2分以内に撮影しないと、友達が投稿した写真を見られないのもBeRealの特徴です。そのため、通知があるとBeRealユーザーは一斉に写真を撮影しようとします。
写真は無加工で投稿
BeRealには、写真の加工フィルターなどの機能が搭載されていません。そのため、写真は無加工でそのまま投稿するようになっています。写真を盛れないため不便に感じるかもしれませんが、加工機能がないことで、手軽に撮影し投稿できるとして人気を集めているのです。
InstagramやTwitter、あるいはTikTokでは、より映えるため、より面白くするため加工に時間をかけすぎてしまう方もいるでしょう。そのような加工に疲れた人がBeRealを選択しているのです。
インカメラ・アウトカメラの双方で撮影
BeRealは写真を投稿するSNSアプリですが、投稿する写真にも特徴があります。それは、インカメラとアウトカメラを同時に撮影し、自分の写真と周りの写真を同時に投稿する点です。
この仕組みにより、その時間帯に「誰」と「どこ」で、「何」をしているのかがわかる写真に仕上がります。ランダムの時間に撮影することで、友達の普段の飾らない生活を知ることができるとして人気があるのです。
古い投稿は消去
友達の写真は最新の投稿以外、メモリーズという過去の保存機能に移動します。メモリーズは投稿者本人しか閲覧できません。つまり、いつまでも写真データを公開し続けないため、過去の画像で炎上するリスクが低いのも特徴です。
フォローや「いいね」がない
BeRealの特徴は、フォローや「いいね」の仕組みがないことです。そのため、「いいね」の数を気にせず、気軽に投稿できるとして人気があります。
ただし、フォローの仕組みがないため、BeRealではインフルエンサーになれません。インフルエンサーなどのように有名になりたいのであれば、InstagramやTikTokなどを利用する必要があります。
BeRealが若者に支持される背景
これまでのSNSに慣れている方にすると、BeRealは「なぜ人気なの?」と思うことでしょう。若者が支持する背景は、「SNS疲れ」と「仲間内のコミュニティツールの需要」が考えられます。この章では、若者に支持される背景について考察します。
SNS疲れ
若者がBeRealを支持する背景の1つは、SNS疲れです。
InstagramやTikTokでは、投稿に対して「フォロー」や「いいね」といった対価があります。これらが多いほど人気の投稿といえるため、より「いいね」を獲得できるように何十分も写真を加工することもあるでしょう。
写真加工以外に、写真映えする料理を作ったり、充実した生活を演出するのに映えスポットで写真を撮ったりする方法もあります。このようなSNSの手法に疲れてしまった方が、手軽に楽しめるSNSの選択肢として支持しているのです。
仲間内のコミュニティツールの需要
BeRealが若者に支持される背景は、仲間内のコミュニケーションツールの需要を満たしているためです。株式会社RECCOOの「Z世代のホンネ調査」によると、依然としてInstagramやX、TikTokは若者も多く利用しています。
つまり、不特定多数に向けた発信である外向きのSNSと仲間内だけで楽しむSNSを使い分けているといえます。BeRealで自分や仲間の日頃の飾らない写真を共有することで、友人同士のコミュニケーションを楽しんでいるのです。
BeRealの危険性
BeRealには自分の普段の様子を写真に収めやすい反面、個人情報を流出してしまうなどの危険性があります。この章では、危険性や注意点について解説します。
位置情報のオン・オフ
BeRealを利用する際の注意点は、位置情報の共有です。
BeRealはデフォルトで位置情報がオンになっています。オンの状態で投稿すると、位置情報が悪用されるリスクもあるので注意が必要です。特段の理由がない限りは、位置情報をオフにすることをおすすめします。
個人情報の映り込みに注意
BeRealの危険性は、写真を短時間で撮影しなければならないため、個人情報が映り込むリスクがあります。いつ通知が来るかわからず、2分間しか時間がないため、注意を怠ると自分の住所などが記載された書類が映り込んでしまうかもしれません。
またインカメラ・アウトカメラで周辺を撮影するため、周囲への配慮も必要です。例えば、トイレなどが映ってしまうのは避けたほうが良いでしょう。
BeRealのビジネス展開の仕方
BeRealをビジネスで活用するには、公式アカウントを開設する方法があります。公式アカウントで普段の様子を配信することは、ファンとのコミュニケーションやリピーターの獲得、顧客育成に役立つでしょう。
ただし公式アカウントといえども、ランダムな時間帯の通知による2分の制限時間などのルールは適用されます。なおBeRealの公式アカウント機能は、2024年2月6日に追加予定です。
またBeRealには、広告機能がありません。ユーザーにとって、広告が表示されないのはメリットです。しかし、ビジネスにおいては、他のSNSのようにユーザーに訴求できないのはデメリットといえます。
BeRealで公式アカウントの活用を検討しよう
BeRealは「映えない」「盛らない」ことで、若者の人気を集めているSNSです。従来のSNSのように広告機能がないため、若者のユーザーを取り込むには、公式アカウントの活用が必要です。
若者をターゲットにした商品を取り扱っているのであれば、この機会にBeRealの公式アカウントの活用を検討してみましょう。