コスパ・タイパの次に注目されているキーワードはスぺパです。
スぺパは効率的にスペースを使うことを重視する考え方です。例えば、複数の機能を搭載しているグッズ、あるいは省スペースに収納できるグッズの選択が該当します。
本記事ではスぺパの特徴やメリット、商品事例を紹介します。
Contents
スペパとは
スぺパとは、スペースパフォーマンスの略で、日本語に訳すと空間対効果のことです。具体的には、どれだけ空間を有効に活用できるかに重点を置いた考え方といえます。
スペパの商品の特徴
スぺパを重視する方は、極力ものを置かないようにするのが基本的な考え方です。そのため、できる限り省スペースで済む商品を好む傾向にあります。具体的には、以下のいずれかの特徴を持つ商品が該当します。
1台で何役もこなす
スぺパの商品の特徴は、1台で何役もこなすことです。1台で複数の機能を担う商品は、スペースの有効活用に役立つためです。例えば、洗濯と乾燥の機能が一体となった洗濯乾燥機は、洗濯機と乾燥機を別々に購入・設置する必要がありません。1台の設置スペースで済むため、空間対効率が良いといえるでしょう。
このようにスぺパを重視する方は、1台に複数の機能が搭載しているかが購入の判断基準の1つとなります。
コンパクトに収納できる
コンパクトに収納できるのも、スぺパの商品の特徴です。例えば、折り畳みテーブルや重ねて収納できるフライパンセットなどです。コンパクトに収納できる折り畳み機能は、スぺパの代表的な機能といえるでしょう。
スペパと似た言葉
スぺパと似た言葉に、コスパとタイパがあります。ここでは、2つの言葉の意味について簡単に解説します。
コスパとは
コスパとは、コストパフォーマンスの略で費用対効果のことです。例えば、広告費用に対していくらの売上があったのかを指します。ビジネスのシーンでよく用いられます。
タイパとは
タイパとは、タイムパフォーマンスの略で、時間対効果のことです。例えば、映画を2倍速で視聴するといった具合です。同じ時間で2つの作品が楽しめるとして若者を中心に広まっています。
タイパを重視する背景は動画などのコンテンツ量が膨大になったことや、趣味や娯楽の多様化でさまざまなことに時間を費やす必要があるためです。
スペパが注目される背景
近年、スぺパが注目される背景は、「マンションの小型化」と「リモートワークの普及」が大きく関係しています。
マンションの小型化
1つ目のスぺパが注目される背景は、マンションの小型化です。
経済産業省の「マンション投資の動向をみる(住宅投資の動向2)」によると、2021年のマンションの一戸当たりの床面積は、2013年と比較して9.5㎡減少しました。原因は一世帯当たりの人数が年々減少しており、広い床面積のマンションの需要が減ったためと考えられています。
出典:経済産業省「マンション投資の動向をみる(住宅投資の動向2)」
また、マンションだけではなく、分譲住宅についても床面積は減少傾向にあります。
つまり、現代は住宅の面積が狭くなっており、限られたスペースを有効活用するのにスぺパが注目されているのです。
リモートワークの普及
2つ目のスぺパが注目される背景は、リモートワークの普及です。
総務省の「テレワークの普及状況等」の調査によると、2021年のテレワークの普及率は51.9%でした。2019年の20.2%から一気に普及率が向上した要因は、コロナの流行です。
出典:総務省「テレワークの普及状況等」
感染予防のために、リモートワークの需要が高まり、多くの企業がテレワークを導入しました。しかし、オフィスでしていた仕事を自宅でするとなると、パソコンデスクといった環境を自宅に整える必要があります。
マンションの小型化に加えて、新たに仕事場を作る必要性に迫られたため、スぺパが注目されているのです。
スペパの3つのメリット
スぺパを重視することで、3つのメリットがあるのも注目されている要因です。この章では、各メリットについて解説します。
空間を有効活用できる
スぺパを重視するメリットは、空間を有効活用できる点です。複数の機能を有する商品やコンパクトに収納できる商品を活用することで、限られた空間で多くの作業ができるようになります。つまり、空間の使い方を意識することで、機能性や作業効率の向上につながる居住空間を実現できます。
コストを削減できる
スぺパを重視することで、コストを削減できるのもメリットです。なぜなら多機能な設備や備品を選択することで、無駄な費用や購入の手間を削減できるためです。スぺパは家庭の出費を抑えるだけではなく、ビジネスシーンにおいても費用を削減するのに有効な考え方といえるでしょう。
生活の質を高められる
生活の質を高められるのもスぺパのメリットです。
スぺパは機能性・効率性を高めながら、整理整頓もしやすくなります。加えて、コストを削減できるため、自分の趣味や好きな活動に予算を回すこともできるでしょう。
つまり、スぺパを重視の考え方は自宅の整理整頓をしやすくし、さらには自分の好きな活動に予算を回せるようになるため、生活の質の向上に役立つのです。
スぺパの商品事例3選
スぺパの考え方は家電や家具など、多くの製品に取り入れられています。ここでは、スぺパを重視した3つの商品事例を紹介します。
山善:折り畳める扇風機 YHX-FGD302
出典:山善
山善はスぺパを重視した扇風機「YHX-FGD302」を、2021年4月に販売しました。
特徴は支柱・本体・土台を分解し、土台に支柱やリモコンなどを収納することで、従来品の3分の1にまで収納スペースを圧縮した点です。また使用する際に、簡単に組み立てられるのも強みです。
従来の扇風機は、使わなくなった冬場の収納時にかさばるのが問題点でした。その問題点を解決し、スぺパを重視するユーザー向けに開発したのが「折り畳める扇風機」といえます。
アイリスオーヤマ:スリム冷凍庫120L IUSN-S12A-W
出典:アイリスオーヤマ
アイリスオーヤマのスリム冷凍庫は、狭い隙間の置けるセカンド冷凍庫として開発されました。同社の「2023年の年間売上ランキング」の4位にランクインするほどの人気商品です。
空いているスペースを活用し、食品の保存容量を増やせるため、スぺパに優れた商品といえるでしょう。
アイリスオーヤマの同ランキングにおいても、2023年の成功のカギとして「高スペパ」と「省エネ」を挙げています。
ニトリ:収納付きソファベッド
出典:ニトリ
スぺパに優れた家具の代表格は、ソファベッドです。
ニトリでは、ソファベッド各種を取り扱っています。そのなかでも収納付きソファベッドは、収納・ソファ・ベッドの1台3役の多機能で、スぺパに優れた製品といえます。
ビジネスにおいても高スぺパに注目しよう
コスパ・タイパの次は、スぺパに注目が集まっています。スぺパは空間を効率的に使うことに重点を置く考え方です。ライフスタイルにおいては、整理整頓がしやすいことやコストを削減できることなどのメリットがあります。
アイリスオーヤマが2023年の成功のキーワードに挙げているように、ビジネスにおいても「スぺパ」を意識する必要があります。新規ビジネスのアイデアに、「多機能」や「折り畳み機能」などを検討してみてはいかがでしょうか。