ゲーミフィケーションとは?意味や必要な要素、成功事例を紹介 

「従業員のモチベーションを高めたい」 

「従業員が集中力を持続できる環境づくりをしたい」 

このように悩んでいる経営者には、ゲーミフィケーションをおすすめします。 

ゲーミフィケーションとは、まるでゲームをするかのように仕事や勉強に取り組む手法です。 

本記事ではゲーミフィケーションの意味やメリット・デメリット、成功事例を紹介します。 

Contents

ゲーミフィケーションとは 

ゲーミフィケーション(gamification)とは、ゲームの要素や仕組みを業務プロセスに組み込むことで、ゲームをプレイするかのように仕事や勉強を行う手法です。例えば、仕事の成果をスコア化し従業員同士で競ったり、スコアに応じて報酬を得られたりするなどです。 

ゲーミフィケーションは、仕事を楽しむための手法や従業員のモチベーションを高める手法として、ビジネス分野でも注目を集めています。 

ゲーミフィケーションをビジネスに導入するメリット・デメリット 

ゲーミフィケーションがビジネスで注目されるのは、得られるメリットに魅力があるためです。ゲーミフィケーションをビジネスに導入するメリット・デメリットの一覧は以下のとおりです。 

メリット ・楽しみながら仕事ができる ・モチベーションを高められる ・仕事の目標を設定しやすい 
デメリット ・得られる効果はゲーム内容に左右される ・ゲームの制作に費用と手間がかかる 

この章ではゲーミフィケーションのメリット・デメリットについて解説します。 

メリット① 楽しみながら仕事ができる 

ゲーミフィケーションをビジネスに導入するメリットは、従業員が楽しみながら仕事をできることです。 

コンピュータゲームやアプリゲームなど、ついつい熱中してしまい何時間もプレイした経験のある方も多いでしょう。ゲームにはクリアする快感やできなかったことができる喜びなど、さらにしたくなる要素が多く含まれているためです。 

ゲーミフィケーションも同様に、仕事にゲーム要素を加えることで、仕事での楽しみを増やすのに役立ちます。 

メリット② モチベーションを高められる 

ゲーミフィケーションをビジネスに導入することで、従業員のモチベーションを高められます。 

なぜなら仕事内容をスコア化し、従業員同士で競い合えるためです。 

またゲーム内容が面白いと、「ゲームをもっとしたい」と思うでしょう。そしてゲームをプレイするには仕事を頑張る必要があります。つまり、「ゲームをするために、仕事を頑張ろう」とモチベーションが高まるのです。 

メリット③ 仕事の目標を設定しやすい 

ゲーミフィケーションを導入するメリットは、仕事の目標が設定しやすいことです。仕事の目標とゲームのクリアを紐づけることで、やるべきことが明確になるためです。また、仕事内容をスコア化することで、ルーチンワークにおいても日々の目標を設定しやすくなります。 

デメリット① 得られる効果はゲーム内容に左右される 

ゲーミフィケーションはメリットばかりではなく、デメリットもあります。 

ゲーミフィケーションのデメリットは、ゲーム内容に成功が左右されることです。従業員が面白いと感じるゲーム内容であれば、集中して業務に取り組めます。しかし、反対につまらないと感じてしまうと、モチベーションを下げる要因となるでしょう。 

つまり、ゲーム内容によって逆効果になるのがゲーミフィケーションのデメリットです。 

デメリット② ゲームの制作に費用と手間がかかる 

ゲーミフィケーションのデメリットは、制作費用や手間がかかることです。 

業務内容に合わせたゲームを開発・制作するには、制作費用や人的リソースが必要となります。またゲーム内容にこだわるほど、費用や手間が増え、開発期間も長くなります。 

つまり、ゲーミフィケーションで効果を得るにはゲーム内容が重要ですが、ゲーム内容を充実させるには費用や手間がかかるのです。 

ゲーミフィケーションに必要な4要素 

ゲーミフィケーションをビジネスに取り入れるには、ゲームに必要な要素を抑える必要があります。この章ではゲームの4つの要素を解説します。 

要素① 目的:ゴールや目標 

ゲームにまず必要な要素は目的です。ゴールや目標などの目的を設定することで、何をすべきなのかを明確化できるためです。例えば、「ボスを討伐する」や「コインを全て集める」などが挙げられます。ゲーミフィケーションも同様に目的を明確にすることで、従業員が何のためにしているかわからなくなるのを防げます。 

要素② クエスト:課題 

ゲームに必要な2つ目の要素はクエストです。ゲームはクエストや課題をこなすことで、目的の達成に近づくためです。もしクエストがないと、何をすれば良いのかわからず、ゲームを進められないでしょう。ゲーミフィケーションも同様にクエストが必要です。クエストを設定する際は、誰でもわかりやすい内容にするのがポイントです。 

要素③ 報酬:達成感や称賛 

ゲームでは、クエストをクリアすると報酬が発生します。報酬は「ゲームをもっとしたい」と感じるため、モチベーションを高める要素です。また報酬は達成感や満足度を得ることが重要なので、金銭かどうかは問題ではありません。 

要素④ 可視化:自分や他者の状態の見える化 

ゲームの4つ目の要素は可視化です。例えば、レベルの強さに応じてキャラクターの見た目が変わることや、スコアに応じて称号やバッジが表示されるなどです。自分や他者の状態を視覚で判断できることで、比較がしやすく、競争意識を刺激することにもつながるでしょう。 

ゲーミフィケーションを活用した成功事例 

ゲーミフィケーションを実際にビジネスに取り入れることで、従業員のモチベーションの向上などに成功している企業は多くあります。ここでは2社の成功事例を紹介します。 

Amazon:FC GAMES 

出典:Amazon 

Amazonのゲーミフィケーションは、物流拠点センターにおける「FC GAMES」です。 

FC GAMESは物流拠点センターの従業員向けのゲームで、倉庫業務の達成によりプレイできます。単純な倉庫作業をより楽しくすることを目的に導入されました。本社のあるアメリカだけではなく、日本においてもすでに導入されています。 

また、ポイントや仮想バッジなどにより他の従業員と競える仕組みもあるため、生産性の向上にもつながると期待されています。ただし、ゲームに参加するかどうかは従業員に任されており、利用するかどうかは自由とのことです。 

参考:THE VERGE「Amazon expands gamification program that encourages warehouse employees to work harder」 

くら寿司:ビッくらポン! 

出典:くら寿司 

くら寿司は、ユーザー向けのゲーミフィケーションで成功した事例です。 

回転寿司チェーンのくら寿司では、「ビッくらポン!」と呼ばれるゲーミフィケーションを2000年から導入しています。 

「ビッくらポン!」とは、寿司皿5枚につき1回くじに挑戦できるサービスのことです。各テーブルの備え付けの皿回収ポケットに、食べ終えた皿を入れることでゲームに参加でき、5枚投入するとくじ引きがスタートします。くじ引きで当たりがでると、特別な景品がもらえる仕組みです。 

現在では特典の限定グッズ目当てに来店する方も増え、顧客の楽しみの提供に加えて集客にも貢献しています。 

参考:くら寿司「くら寿司の代名詞「ビッくらポン!®」が3回に1回必ず当たる 「ビッくらポン!プラス」が新登場~9月29日(金)全国導入完了~」 

ゲーミフィケーションで従業員のやる気をアップ 

ゲーミフィケーションは仕事をゲーム化することで、従業員のモチベーションや生産性の向上が期待できます。また商品やサービスと組み合わせることで、ユーザーへの訴求に活用する方法もあります。この機会に、ゲーミフィケーションの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか。