ブルーオーシャン戦略とは、競争のない市場で優位性を確立するためのビジネス戦略です。新規事業を立ち上げる際に重要な考え方の一つです。本記事では、ブルーオーシャン戦略の基本的な考え方やメリット、課題、見つけ方についてわかりやすく解説します。

新規事業で成功するためには、競争の少ない市場を見つけることが大切です。これは「ブルーオーシャン戦略」と呼ばれ、差別化を図るうえで有効な戦略です。本記事ではブルーオーシャン戦略の基本的な考え方やメリット、課題、市場の見つけ方についてわかりやすく解説します。
ブルーオーシャン戦略とは何か?
ブルーオーシャン戦略とは、競争相手がほとんど存在しない市場を創造し、その市場で優位性を確立するビジネス戦略です。競争相手がいないため、価格競争に巻き込まれにくいのが特徴です。
この戦略のイメージをわかりやすくするために、釣りに例えてみましょう。
釣り人が1人しかいない釣り場では、多くの魚が釣れる可能性があります。しかし、同じ場所に30人の釣り人が集まれば、魚の数が同じでも1人あたりの釣果は減るでしょう。
このように、他の誰もいない釣り場を独占している状態こそが、ブルーオーシャン戦略の理想的な姿です。
レッドオーシャンとの違い
レッドオーシャンとは、ブルーオーシャンとは対照的に、競争が激しい既存市場を指します。このような市場では価格競争が起きやすく、その結果、利益が圧迫されやすくなります。
先ほどの釣りの例で言えば、30人の釣り人が同じ釣り場に集まっているような状態です。魚の数は変わらないのに、釣り人が多いと1人あたりの成果は少なくなります。
このように競争が激化すると、新たにその市場に参入するのが難しくなることもあります。こうした環境では、他社と差別化できる独自の価値を提供することが大切です。
ブルーオーシャンとレッドオーシャンの違いは以下のとおりです。
| ブルーオーシャン | レッドオーシャン | |
| 市場 | 未開拓市場 | 既存市場 |
| 競争 | 競争なし | 競争が激しい |
| 戦略 | 差別化と低コストを両立 | 差別化または価格競争 |
| 成長性 | 高い成長が期待できる | 成長が頭打ちになりやすい |
ブルーオーシャン戦略のメリット
多くの企業がブルーオーシャン戦略を取り入れています。その理由は、この戦略を実現することで多くのメリットが得られるためです。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
メリット① 低コスト化と差別化を同時に実現できる
ブルーオーシャン戦略は競争相手がいないため、大規模なマーケティング施策に頼る必要がありません。広告費用などのコストを抑えやすく、かつ差別化につながるのがメリットです。
メリット② 安定して利益を生み出せる
企業にとってブルーオーシャン戦略は、経営の安定化につながります。価格設定の自由度が高く、利益率を確保しやすいためです。その結果、安定して利益を生み出せる可能性があります。
メリット③ 市場のシェアを獲得できる
新たな市場を創出することで、先行者利益を得やすくなり、結果として市場シェアの獲得につながります。他社が参入してくる前に、独占的な地位や競争優位性を確保できる点も大きな魅力です。
ブルーオーシャン戦略の課題
ブルーオーシャン戦略は、必ずしもメリットばかりではありません。実施する際は、課題についても押さえておく必要があります。ここでは3つの課題について解説します。
課題① 模倣される可能性がある
ブルーオーシャン戦略で成功を収めると、他社がそれを模倣し、市場に参入してくる可能性が高まります。対策が遅れると、ブルーオーシャンがレッドオーシャンへと変化し、利益の確保が難しくなることもあります。そうなる前に、市場シェアを獲得したり、参入障壁を高めたりするなどの対策を講じておくことが重要です。
課題② 利益につながらない可能性がある
ブルーオーシャン戦略を実現しても、必ずしも利益を確保できるとは限りません。市場の規模が想定よりも小さい、あるいはそもそも顧客ニーズが存在しない可能性があるためです。このような事態を避けるには、市場の見極めや顧客ニーズの正確な把握が大切です。
課題③ マーケティング力が必要になる
新しい価値を提供しても、ユーザーに認知されなければ売上にはつながりません。市場を創造するには、高度なマーケティング力が求められます。
ブルーオーシャンの見つけ方のヒント
ブルーオーシャン戦略の最も難しい点は、新たな市場を見つけることです。なぜなら、「誰もまだ気づいていない価値やニーズ」を探すことを意味するからです。ここでは、ブルーオーシャンの見つけ方のヒントを紹介します。
既存のビジネスモデルに注目する
ブルーオーシャンは、既存のビジネスモデルの延長線上から見つかることも多くあります。そのため、まずは既存のビジネスモデルに注目し、その構造や提供価値を見直すことが大切です。
例えば、かつてSONYが販売したウォークマンは、音楽を持ち運べるとして大ヒットしました。しかし、その後Appleは、このコンセプトに音楽配信サービスを組み合わせ、iPodによって新たな市場を切り開きました。
このように、既存のビジネスモデルから新たな市場を創出することもできます。「組み合わせ可能な商品やサービス」や「顧客の満たされていないニーズ」がないかを探ってみましょう。
付加価値に注目する
次に注目すべきポイントは、「付加価値」です。まずは、顧客が本当に価値を感じている部分を明確にし、その価値に焦点を当てることが大切です。
そうすることで、必要以上の機能やサービスを削減し、コストを抑えながらも差別化された商品やサービスを提供できます。このように、価値の本質に焦点を当てることで、未開拓市場へのアプローチがしやすくなります。
ブルーオーシャン戦略に役立つフレームワーク
ブルーオーシャン戦略を実践するうえで重要なのは、客観的に未開拓市場を見つけることです。ここでは、ブルーオーシャン戦略に役立つ2つのフレームワークを紹介します。
戦略キャンバス

戦略キャンバスは、自社と競合他社が提供している価値を可視化できるグラフです。主な構成は次のとおりです。
横軸:競争要因
縦軸:提供価値
このグラフでは、各企業の提供価値の特徴が線グラフ(バリューカーブ)として描かれます。それを比較することで、自社の強み・弱みや差別化のポイントを把握できます。
アクションマトリクス
アクションマトリクスとは、4つの視点から提供価値を見直すことで、新たな価値を生み出すフレームワークです。その4つの視点は以下のとおりです。
- 付け加える
- 取り除く
- 増やす
- 減らす

アクションマトリクスは、戦略キャンバスと組み合わせることで、より高い効果を発揮します。具体的には、戦略キャンバスに対して次のアプローチを行います。
- 競争要因を付け加える
- 競争要因を取り除く
- 提供価値を増やす
- 提供価値を減らす
これらのアプローチによって、他社とは異なる独自の価値を生み出し、新しい市場の開拓を目指せます。
ブルーオーシャン戦略で新規事業を成功させよう
ブルーオーシャン戦略は、市場シェアの獲得や安定した利益の確保が期待できるビジネス戦略です。しかし、実際にはそのような革新的なアイデアを生み出すことは簡単ではありません。紹介した2つのフレームワークを活用しても、なかなか良いアイデアが思い浮かばないこともあるでしょう。
そこで、セルウェルでは新規事業支援サービス「メデテル」を提供しています。「新規事業のアイデアが思い浮かばない」や「どのようなビジネスモデルが良いのか分からない」など、新規事業開発でお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
