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2019/10/17

食生活が変わるだけ? “細胞肉” がもたらす未来の可能性

細胞肉

“細胞肉” “代替肉” という言葉を聞いたことがあるでしょうか?すでにレオナルド・ディカプリオやビル・ゲイツ、リチャード・ブランソンといった世界的ビリオネアからの投資も行われており、2022年までに6,000億円を超える市場規模になるという予測のある “細胞肉” “代替肉” について、じっくり探ってみましょう。

細胞肉とはなにか

細胞 “培養” でつくられた肉

細胞肉は、英語で “Cell-based meat” といわれ「細胞の状態から培養された肉」を指します。2013年にオランダのマーストリヒト大学が発明して以来、世界中ものすごいスピードでの発達してきている細胞培養技術により開発されたお肉なのです。

2013年の開発時点では高額すぎたことで、実用化つまり商用化に向けては低価格化がなによりの課題とされてきました。どのくらい高額だったかというと、当時ハンバーガーに挟む細胞肉は$280,000(約280万円)!しかし、ここ数年の驚異的な開発コスト削減により、向こう2年で$10程度まで下がるとの予測され、商用化はすでに現実的な域となっています。現在は、早ければ2021年に一般的な市場に出回るとされています。

細胞肉は肉?名称問題

ところで「細胞肉」という呼び名に違和感を覚えた方もいるかもしれません。これまで私たちが「肉」と言われ想像したものと比べてしまうと、確かに「違い」ますよね。

実際に、一部肉業界からは「肉 / meat」という単語を使うことに対して批判的な意見もあり、名称自体も議論がされつづけています。

これまでもcell-based meat(細胞肉)のほか、以下のような名称で呼ばれています。

  • slaughter-free meat(虐殺されていない肉)
  • in vitro meat(試験管のなかの肉)
  • vat-grown meat(バットで育った肉)
  • lab-grown meat(ラボで育った肉)
  • clean meat(純な肉)
  • synthetic meat(合成肉) など

どの名称も指しているものは同じですので、今回の記事では「細胞肉」という言葉で統一していきましょう。

細胞肉の開発はすでに競争激化の一途

細胞肉の開発をおこなう企業は世界に30社近くあり、10社はシリコンバレーに残り20社近くは世界中にあるとされています。今回はそのうち一部を見てみましょう。

CUBIQ FOODS社(スペイン)

細胞培養開発を行うスペイン企業 CUBIQ FOODS社
http://www.cubiqfoods.com/

より栄養価高く、香り高いプロダクトをつくるために細胞培養開発を行うスペイン企業。商品例には、オメガ3と呼ばれる成分を効率的に摂取できる「SMART OMEGA-3」やより栄養価高く美味しさもアップできるという「SMART FAT」などと言ったプロダクトを開発しています。

IntegriCulture社(日本)

細胞肉 日本 インテグリカルチャー社
https://integriculture.jp/

日本からはインテグリカルチャー社という企業が2019年夏に「食べられる培養フォアグラ」の生産に成功。2021年には一部レストランでの提供もはじまり、2022年からは一般のスーパーマーケットでの販売も予定しています。

またすでに自分で細胞培養の実験を体験できる「精進ミートプロジェクト」という同人サークルの運営も行われています。今すぐにでも細胞肉を食べてみたい!という方は挑戦する価値があるかも…?

インドは国をあげて細胞培養研究施設を設立

インド 細胞培養研究施設 INSTITUTE OF CHEMICAL TECHNOLOGY

2020年初頭にインドのINSTITUTE OF CHEMICAL TECHNOLOGY, MUMBAI(通称 ICT)は代替肉/細胞肉といった食品開発を推し進めるNPO団体・The Good Food Instituteと共同で、細胞農業(Cellular Aguriculture)に関する大規模な研究施設の設立を発表しました。さらにその後、インド政府は人口増による食料不足解消を見込み、この分野へ多額な投資を行っています。

食用に止まらない?代替肉が秘める可能性

遺伝子技術発達がもたらす食以外の変化

このように世界中で開発が進む「細胞肉」ですが、そもそもの技術である細胞培養という技術がもたらす変化は「肉」のみに止まりません。

培養細胞があればヒアルロン酸で美容整形の未来が変わる可能性もありますし、さらには臓器の製造も可能になると言われています。培養木材の製造も可能になり、森林伐採の必要もなくなる未来がくるかもしれません。毛根や皮膚があれば培養毛皮や培養皮といったものを生み出すことも可能となり、エシカルファッションに毛皮が取り入れられるかもしれません。

このように、細胞培養という技術の発達がもたらす細胞肉、というのは私たちのライフスタイルが変化するほんの序章に過ぎないのです。

培養技術の実用化に潜む “危険性”

しかしながら一方で、特に法律サイドにおいては問題も山積しているのが現実です。細胞肉について合法/違法と判断する法律すら制定されていない、と現状を鑑みれば「細胞さえ手に入れればそれを元に培養できる」という技術は非常に恐ろしいものともとれるでしょう。

たとえば誰かの細胞の一部を手に入れてしまえば「対象者のなにか」を培養してしまうことも理論上は可能になってしまうのです。これまで悪用されるとさえ思っていなかった些細なもの(たとえば髪の毛一本)でさえ、重要な個人情報として注意しなければいけないという嘘のような未来も意外と現実に近いのかもしれません。

細胞肉の未来、どう捉える?

2040年、わたしたちは肉消費のうち35%を細胞肉に、25%をフェイクミートに、そしていま私たちが日常的に食べている “伝統的な肉” は40%になるとされています。

肉消費量推移イメージ

そうすれば現在のように殺して食べる動物の数も激減し、従来の肉生産エコシステムによる温室効果ガスの排出、抗生物質耐性、環境劣化…といった悪影響も排除できるとされています。

細胞肉の実用化が、これから先の思ってもみないわたしたちの身近な生活や地球環境の改善に一役買うことになるかもしれません。想像よりもずっと近い未来の話、今後も「細胞肉」の発展は目が離せそうにありません。

参考リンク

LAB-GROWN MEAT IS ABOUT TO BE 60% CHEAPER THAN WAGYU BEEF
https://www.livekindly.co/lab-grown-meat-cheaper-than-wagyu-beef/

From lab to table: Will cell-cultured meat win over Americans?
https://www.washingtonpost.com/business/2019/05/03/lab-table-will-cell-based-meat-win-over-americans/

Cultured meat (Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Cultured_meat

Good Food Institute
https://www.gfi.org/

You could get to eat ‘clean’ meat in India by next year
https://economictimes.indiatimes.com/news/politics-and-nation/you-could-get-to-eat-green-meat-in-india-by-next-year/articleshow/68043360.cms

SLAUGHTER-FREE ‘CLEAN MEAT’ COULD BE FEEDING INDIA BY 2025
https://www.livekindly.co/slaughter-free-clean-meat-feeding-india-2025/

Indian government Grants Over $600,000 to Cell-Based Meat Research
https://www.gfi.org/2019-04-26

バイリンガルニュース(380. 特別編 Hanyu 09.19.19)
https://open.spotify.com/episode/3ytU4JqXwJE86pKVjSraqy

動物の犠牲の無い「肉」の時代へ-クリーンミート(培養肉)・植物由来肉(代替肉)
https://www.hopeforanimals.org/meat-free-monday/554/

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