リーンスタートアップとは?やり方やメリットをわかりやすく解説

新規事業や新商品の開発において、リスクを抑えながら、より品質の高い商品やサービスを生み出す手法にリーンスタートアップがあります。しかし、「今さらその意味ややり方を人に聞きづらい」と、感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 

そこで今回は、リーンスタートアップのやり方やメリット・デメリット、向いている業界をわかりやすく解説します。 

リーンスタートアップとは? 

リーンスタートアップとは、できるだけ費用や時間をかけずに試作品を作り、顧客からのフィードバックをもとに製品やサービスを改善していく開発手法です。新規事業や新商品の開発において、多くの企業が活用しています。 

リーンスタートアップは、アメリカの起業家エリック・リース氏によって提唱されました。著書「The Lean Startup」は世界で100万部以上を売り上げたベストセラーとなり、現在も多くのビジネスパーソンに読まれています。 

リーンスタートアップのやり方 

リーンスタートアップの効果を高めるには、適切な手順を踏むことが大切です。ここでは、やり方の手順について解説します。 

手順① 仮説を立てる 

まずは顧客が抱える課題から、どのような製品やサービスを求めているかについて仮説を立てます。
例えば、「業務日報の作成に時間がかかっている担当者は、入力作業を自動化できるツールを求めている」といった具合です。このようにして、ターゲットとなる顧客のニーズや行動を推測します。 

手順② 試作品(MVP)を作る 

リーンスタートアップにおいて、試作品をMVPと呼ぶことがあります。MVPは「最低限の機能を持つ試作品」という意味です。目的は、できるだけコストと時間をかけずに顧客の反応を確かめることです。そのため、この段階ではすべての機能を詰め込むのではなく、検証に必要な最低限の機能を搭載した試作品を作ります。 

手順③ 顧客からフィードバックを得る 

試作品をターゲットとなる顧客に提供し、使用感や改善点などのフィードバックを得ます。どのような機能が使われたか、どのように使われたのかといったデータも収集しましょう。 

手順④ 改善する 

フィードバックをもとに、改善を重ねていきます。このプロセスを繰り返すことで、商品やサービスの質を高めていくことが、リーンスタートアップの基本的な進め方です。ただし、仮説と現実のギャップが大きい場合には、方向転換(ピボット)が必要になることもあります。 

リーンスタートアップのメリット 

リーンスタートアップは、新たに事業を始める際に有効なフレームワークです。ここでは、その理由として4つのメリットを紹介します。 

メリット① コストと時間を抑えた開発ができる 

リーンスタートアップの特徴は最初から完成度の高い製品を開発するのではなく、最小限の機能を備えた試作品を作成することです。この試作品を土台に顧客の反応を見ながら改良を重ねていくため、不要または過剰な機能の開発にコストや時間がかかりません。このような理由から、コストと時間を抑えて開発できる点がメリットです。 

メリット② リスクを最小限に抑えられる 

開発に余分なコストや時間を費やさないため、仮にプロジェクトが失敗しても損失を最小限に抑えられるのがメリットです。失敗の影響を小さくできることで、新規事業にチャレンジしやすくなります。 

メリット③ 顧客のニーズに柔軟に対応できる 

リーンスタートアップは、初期段階から顧客の意見を取り入れるため、顧客のニーズに対応した製品やサービスを生み出しやすいのがメリットです。顧客満足度の向上に加え、顧客育成にも役立ちます。 

メリット④ スピーディに市場へ投入できる 

リーンスタートアップは、製品やサービスを素早く市場に投入できます。試作品で検証することで、必要な修正を迅速に行えるからです。このようなスピード感のある開発は、より早く市場にアプローチできるため、競合他社との競争においても有利に働きます。 

リーンスタートアップのデメリット 

リーンスタートアップは、柔軟でスピーディな開発が魅力ですが、すべての事業に最適とは限りません。
ここでは、代表的な3つのデメリットを紹介します。 

デメリット① 目的がブレやすい 

試行錯誤を重ねる過程で、当初の目的やビジョンが曖昧になることがあります。改善を繰り返すうちに、方向性が定まらず、迷走してしまうリスクもあります。 

デメリット② 競争が激しい市場では不利になることがある 

競争の激しい市場では、リーンスタートアップによる差別化だけでは利益につながらないリスクがあります。競合他社も同様の手法を採用することも多く、小さな差別化では埋もれやすくなるからです。特に、価格競争に陥っている市場では注意が必要です。 

デメリット③ 業界によって向き不向きがある 

リーンスタートアップは、すべての業界に適した手法ではありません。
例えば、医療や金融などの高い安全性や信頼性が求められる業界では、試作品を用いた開発プロセスが受け入れられにくい場合があります。
また、顧客のニーズが急速に変化する業界では、対応しきれずに開発が追いつかなくなることもあります。このような理由から、導入前にその業界との相性を見極めることが大切です。 

リーンスタートアップに向いている業界例 

ここでは、リーンスタートアップに向いている代表的な業界を紹介します。 

  • Webサービス 

Webサービスは、顧客からのフィードバックをリアルタイムで得られるため、改善のサイクルを素早く回せます。機能の追加や変更が比較的容易であることも、リーンスタートアップと相性が良い理由の一つです。 

  • 業務改善・自動化サービス 

業務改善や自動化の分野では、顧客ごとにニーズが異なるため、いきなり本格的に導入するのが難しいケースも多くあります。そのようなケースでは、小規模な導入と検証を重ねながら進めるリーンスタートアップのアプローチが効果的です。 

  • 通信販売 

通信販売では、顧客の反応をすぐに確認できます。小ロットでテスト販売を行い、顧客の反応を見て改善する流れは、リーンスタートアップの考え方そのものです。流行や需要の変化に柔軟に対応しやすい点も向いている理由の一つです。 

  • 市場予測が難しい業界 

需要の予測が難しい新興市場やニッチな業界では、最初から多額の投資を行うとリスクが高くなります。こうしたケースでは、まず小規模に試し、反応を確認するリーンスタートアップの手法が有効です。事前に市場の手応えを確かめられるため、成功の可能性を探れる点もポイントです。 

日本企業のリーンスタートアップの事例:メルカリ 

日本発のフリマアプリ「メルカリ」は、リーンスタートアップの手法で成功した代表例です。同アプリは2013年7月2日に最小限の機能を備えたAndroid版をリリースし、7月23日にはiOS版を公開しました。その後はユーザーの声を反映し、「商品のシェア機能」「カテゴリー検索」「ブロック機能」などを順次追加しました。
こうした段階的な改善により、メルカリは国内トップクラスのフリマアプリへと成長しています。 

参考:The社史「メルカリの歴史」 

リスクを抑えた事業開発ならリーンスタートアップ 

新規事業や商品開発では、失敗のリスクをいかに抑えるかが重要なテーマです。リーンスタートアップは、そのリスクを最小限に抑えるための開発手法です。スピード感と柔軟性を持った事業開発を目指すなら、リーンスタートアップを検討してみてはいかがでしょうか。 

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