これからのYouTubeに求められる知的好奇心を満たす教育系コンテンツ

教育系 youtuber

マーケティングの施策として(※)コンテンツマーケティングに取り組む企業も多いでしょう。

セルウェルで働くメンバーも新しいコンテンツを作るために、客観性を持ちながら新しいコンテンツに触れるようにしています。
今回は世の中のコンテンツ動向を追う中で、自らの体験や感じた内容をお伝えします。

(※)ユーザーにとって価値のある有益なコンテンツからWebサイトへ呼び込んでファン化させ、問い合わせや商品購入などの行動へつなげるマーケティング施策のことです。

知的好奇心を満たす教育系コンテンツの増加

面白い一発芸的な動画が受け入れられていたYouTube。今までは自分では体験できない「やってみた」企画や実況動画が人気でしたが、それも飽和状態となり、最近では教育系コンテンツに勢いが出てきたように感じます。同時に教育系YouTuber(EduTuber)の存在も注目されてきました。

共通しているのは「聞いたことがある」「何となくしか知らない」ことを、コンテンツを楽しみながら賢くなった気分になれるという点です。

この動向から、これからはユーザーの教養となるコンテンツが受け入れられていくのではないでしょうか。具体的には視聴した後に「もっと知りたい」「もっと勉強したい」と思えるようなテーマ・内容のチャンネルが増えていくと思われます。

セルウェル社内で話に上がった教育系コンテンツ

セルウェルで注目している教育系コンテンツを紹介します。これらの教育系コンテンツは、トーク力やプレゼンテーション力、サマライズ力もビジネスの参考になり視聴者の関心を集めています。

中田敦彦のYouTube大学

中田敦彦のYouTube大学

歴史や経済、文学など、知っているようで深くは知らないことをテーマに、1本30分前後の講義方式で、教養として知っておきべきことを教えてくれます。

また有料オンラインサロンも開設しており、こちらも話題になりました。講義形式というよりも会員に意見を伺いながら進めていくのでシナリオ通りにはできず、よりプレゼンテーション力が見ものとなっているようです。

マックスむらい

マックスむらい

チャンネル登録者数155万人を超える人気チャンネルを持っているマックスむらい氏。ゲーム実況ややってみた系の内容が多い印象ですが、現在は、ホワイトボードを使ったプレゼン系動画をたくさん配信しています。

Mookstudy 日本の歴史(podcast)

Mookstudy 日本の歴史

『個人と向き合う最適のコミュニケーションメディア?ラジオの魅力』

でも取り上げましたが、音声メディアでも教育系コンテンツは人気のコンテンツになっています。

その中でも注目しているのは人気ランキングでも上位にランクインする、日本史オタクによるPodcast番組です。「日本の歴史に興味をもってもらうきっかけを」をコンセプトに、緩い雰囲気の中で歴史を深く知ることとができるので、つい面白くて聞き続けてしまいます。

コンテンツ内の企業広告の価値

こうしたコンテンツ動向に変化がある中で、当然、企業側としては広告を出したいと考えると思うのですが、どのように広告を配信すればよいのでしょうか。

たとえば視聴中に有無を言わさず流れる広告映像。否応なしに映像を押し付けられ、商品の存在を知りはするものの、ユーザーは興味を持つでしょうか。むしろ自分の世界やコミュニティに無理やり入ってこられることを嫌がり、商品や企業に対して良い印象は持たないでしょう。これではせっかくの広告も逆効果です。

ユーザーが自由に情報を集められる今、必要としていない広告を見せることにどれだけの価値があるのか、アテンションから入る今のマーケティングコミュニケーションを考え直す時期に来ています。

積極的にコミュニケーションを取ろうという姿勢は大事ですが、人と人とがつながりやすくなっているからこそ、広告にも“人感”がなければ商品や企業への信頼は得られません。そのためには、ヤラセではない影響力のある人の声やクチコミを醸成するコミュニケーションの取り方が効果的な方法が広告にも求められています。

これからのコンテンツ作りに欠かせないこと

さまざまなコンテンツやチャネルが増えたことで、ひとり一人の視野は拡がりましたが、個人の価値観は狭くなってきているように感じます。これは価値観が多様化し、価値観を拡げる機会が少なくなってきているからかもしれません。

多くの人は、コンテンツから受動的に情報を得ています。ひとつ検索すれば、ユーザーの趣向や関心事に合わせて表示されるターゲティング広告。しかし受動的にコンテンツを見ることに、違和感を感じている人もいるはずです。

この違和感を感じる人が増えれば増えるほど、ユーザーが能動的な反応を起こすような良質なコンテンツが必要とされます。これが知的な教育系コンテンツが増えている要因でもあるのでしょう。

これからは狭い世界へも入り込んで、ユーザーの能動的な動きを後押しするような知性的なコンテンツが求められていくのではないでしょうか。そしてそれらのコンテンツが個の狭い価値観を拡げ、ユーザーの満足度を高めてくれることになるでしょう。