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2020/12/09

ベテラン社員と若手社員が共存するカギ~ホール理論に基づく日本企業のこれから~

Introduction

 日本の職場では、40〜70代くらいのベテラン社員と20〜30代くらいの若手社員との間でコミュニケーションの壁が生じていると言われています。よく聞く原因として、若手社員や外国人は物事の説明をはっきり直接的に話す傾向がある一方で、ベテラン社員は凝った表現を好んだり、「多くを話さなくても相手に伝わる」と思って、説明が独りよがりになっている傾向があります。若手社員がそれを理解しにくいと感じてしまい、また、ベテラン社員は若手社員を「何で私の説明がわからないんだ。気が利かないな」と感じることがあるのです。

 若手の方、ベテランの方、それぞれの立場で皆さまはこうした経験を1度はしたことがあるのではないでしょうか?これはただの世代のせいではなく、日本の歴史や現在グローバル化してきていることなど、様々な要因があるのです。

 そこで今回は、このベテラン社員と若手社員が共存して、うまく仕事を遂行できるようになるためのヒントをお伝えします。

ハイコンテクストとローコンテクスト

 これからはハイコンテクストとローコンテクストのコミュニケーションを使い分けて成果を出すことが重要であると言われています。コンテクストとは、英語のContext であり、よく文脈や脈絡といった意味で訳されますが、ビジネスシーンでは「場の空気を読む」の「空気」に当たります。

 ハイコンテクスト文化とはその名の通り、場の空気を読むことがとても大事であるとされている文化です。昔から日本はハイコンテクスト文化が浸透しています。その証拠として、言葉にしなくても相手に伝わる「阿吽の呼吸」「以心伝心」「気が利く」といった、空気を読むべきだというニュアンスを持った言葉が日常的にたくさん使われています。このような社会なった背景として、日本は昔からアイヌや琉球王国、在日外国人といった一部を除くと、単一国家、単一民族であり、醸成された価値観などが共通していることが挙げられます。コミュニケーションの基盤が言語や価値観、経験で成り立つようになったので、ハイコンテクスト文化が浸透したのです。

 一方ローコンテクスト文化とは、この逆で自分の意見を直接はっきり相手に言う文化です。欧米など海外ではそれが当たり前の社会となっています。1つの国でも移民や他人種がミックスした社会であること、宗教や価値観も多様なため、自分の意思をはっきり相手に伝えないと理解してもらえないことがローコンテクスト文化になった背景と言えます。

それぞれのメリット/デメリット

 ハイコンテクストのメリットとしては、ハイテクスト文化の人々との間では、資料や情報を共有する際など、あまり多くを語らなくても伝わるので、時間の短縮につながり、効率よく仕事を熟せる点があります。

 一方デメリットとしては、大きく2つあります。1つはコミュニケーション能力の低下です。ビジネスでは、プレゼンなどで人の前に立ち、はっきりとした口調で意見を伝えるシーンがよくあります。TEDに出演するアメリカ人をみると、たとえスピーチを頻繁に行う職種の人でなくても話し方が上手だと感じるでしょう。しかしそれに比べ、ハイコンテクスト文化に染まった日本人の話し方はモゴモゴとした口調で、結局何が言いたいのか分からないといったことが多いのです。この原因は、普段からハイコンテクスト文化の中で過ごしているため、相手にはっきり伝える機会が少ないことから、こうした状況に陥ってしまう人が多いのです。

 2つ目は、聞き手の勘違いが生まれやすいことです。ハイコンテクストの話し手は凝った説明をしたり、はっきりと伝えなくても聞き手はわかってくれるだろうという意識で話しますが、聞き手がそれを完全に汲み取れるとは限りません。話の食い違いが起きて、トラブルの原因にもなってしまいやすいのです。

 次にローコンテクストのメリットは、話し手は相手にしっかりと伝わるように話すため、相手との話の食い違いを防ぐことができます。また、完全に意思疎通ができて、聞き手は話し手から聞いた情報を迷わず即座に実行しやすいため、仕事の効率化に繋がります。

 一方デメリットとして、全て言葉で伝えないといけないので時間がかかる場合もあるのです。例えば、効率を重視して「これくらいは言わなくてもわかるから省いて、次の説明をしよう」と説明を短縮化したら、相手に伝わってなかったとします。そうした場合、言わなかった話し手が悪い、という認識になるのです。 そのため、相手に伝わりやすいように工夫をしつつ、はっきり直接的に話さなければなりません。

 ハイコンテクスト文化に慣れた上の世代の日本人はこうしたローコンテクストの人々を「融通がきかない聞き手だ」と感じてしまうこともあるでしょう。

国や地域によって異なるコンテクスト

 日本やアジアでは、ハイコンテクスト文化が浸透している傾向があり、アメリカやヨーロッパでは、ローコンテクスト文化が浸透しています。このように分けられる背景は、1で説明しました。

 また、国や文化圏の違いだけでなく、組織や同組織内でもコンテクストが異なるケースがあります。

 現在は日本社会もグローバル化してきているため、ハイコンテクスト文化のみでは通用しなくなってきています。将来的にもっとグローバル化は進むと考えられるため、ローコンテクストな考え方を持って世界のあらゆる人々と共存していくことは必要不可欠になってきます。

アメリカの文化人類学者「エドワード・ホール氏」の論文

 ここでは、グローバル化する日本社会において、ローコンテクスト文化の理解がいかに重要かということについて、文化人類学者のエドワード・ホール氏の論文を用いて説明していきます。

 元々、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化は、異文化コミュニケーション学の先駆者であるホール氏によって提唱されたものです。

 グローバル化では、異文化コミュニケーションが大切になります。このコミュニケーションにおいて、言語が大切だという考え方が一般的に強調されていますが、言語以外の部分も非常に大事なのです。そのため、言語面ではお互いの話している内容がわかるけれども、コミュニケーション全体としてはどこか腑に落ちないようなところがあったり、不成功に終わることがあります。こうした場合、原因は言語以外の部分にあるのです。

 そこでホール氏はコミュニケーションで必要な要素の言語以外の部分を「メッセージの速度、コンテクスト、空間、時間、情報の流れ、行動連鎖、インターフェーズ…」などに分けました。そして、このコンテクストの面において、世界のコンテクストを大きく2つに分けました。その1つのハイコンテクスト文化では、日頃から人間関係を広くし、多くの情報を得ており、もう1つのローコンテクスト文化では、人間関係や情報を区分化するという特徴があることが分かりました。

 こうした2つの文化間で、双方がお互いにコミュニケーションをとって意思疎通をはかるには、それぞれがお互いの文化の特徴を理解し、それに応じたメッセージのやりとりなどをしてコミュニケーションをとらなければならないとされています。

グローバル化が進む中で「あ・うん」では通用しない、それが会社

 このように、ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化の人々が意思疎通をするために何が必要なのかを学びました。

 グローバル化によって、これまで完全なハイコンテクスト文化だった日本が、外国人などローコンテクスト文化を持った人々と協力してビジネスを行っていくためには、日本もローコンテクスト文化を理解することが必要不可欠になるのです。

 若手社員の世代は、留学や海外旅行など様々な国際交流の機会があり、ローコンテクスト文化の理解が早いと考えられます。

 しかし、40〜70代くらいのベテラン社員は、その逆で、まだまだハイコンテクストで通用するという保守的な考えを持った人が多いのです。

まだまだハイコンテクストで通じると思っているベテラン社員

 日本の会社では、ベテラン社員のおじさんと若手社員の間でミスコミュニケーションが生じていることがある。ベテラン社員の世代は、言葉ではっきり説明しなくても「あれ、やっておいて」といえば大体のことは伝わると考えていたりと、凝った言葉使いや曖昧な表現を好んで使う傾向が強いです。そのため、聞き手に責任の多くのことを求めやすいです。

 しかし、若手社員は、ローコンテクスト文化に触れてきた経験が豊富であったり、そんなハイコンテクストなやり方を客観的に見て、悪いところは悪いと感じることができる傾向があるのです。そうしたことからも、若手社員はベテラン社員よりも直接的な表現で説明することが大切だと考え、話し手に責任を求めやすいのです。

 そこで両者の歯車が噛み合わなくなり、トラブルの原因になりかねないのです。

コロナ禍におけるコミュニケーションツールの発達とローコンテクスト文化の関係

 ローコンテクスト文化にシフトしていく必要性がある理由は他にもあります。それは、コロナ禍で発達したZoomやslackなどのコミュニケーションツールの使い方です。

 テレワークの普及やDXにより、普段の対面で行っていた会議がZoomなどのビデオ会議ツールを使用した形になったり、SlackやLINEWORKS などのビジネス用チャットツールをよく使うようになりました。Zoomなどでの会議やウェビナーでは使える時間が定められているので、限定された時間内でいかに指示伝達をスムーズに行うかが重要になってきています。チャットツールも長々と説明するのではなく、端的かつ明確に情報伝達をする方が見やすい設計になっています。

 これらからわかるように、コロナ禍とDX時代により、日本はローコンテクスト文化にシフトしているのです。これからもこうした動きはどんどん加速していくことが予測できます。

まとめ

 今回は、ベテラン社員と若手社員のコンテクスト文化の違いを理解して、双方が共存していくビジネス環境にしていくことが大切です。

 とくにベテラン社員はグローバル化、DX化といった現代社会の情勢に対応していき、ローコンテクスト文化に合わせていくことも必要であることも指摘しました。  ぜひ、皆さんも社内のコンテクスト文化について一度見直し、ベテラン社員も若手社員も心地よい環境でコミュニケーションがはかれるよう、考えてみてください。

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