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2019/05/15

女性をエンパワメントするビジネス。女性のヘルスケアに切り込むフェムテック市場に注目

ヘルスケア フェムテック

フェムテックという言葉を聞いたことがあるでしょうか?「テック」というと、ジョブスやザッカーバーグのように、男性のイメージが強い印象があるかもしれませんが、その世界で女性ならではの課題解決をおこなうテクノロジーが注目を集めています。

フェムテック (Femtech)= Female + technology

フェムテックとは「女性」と「テクノロジー」の造語で、女性特有の悩み(特にヘルスケア)を解決するテクノロジーを指します。

2016年あたりから登場した造語ですが、日本でも広く知られる生理周期のトラッキングアプリ(ルナルナなど)の先駆けでもあるデンマークのスタートアップ「Clue」が代表格として知られています。

デンマーク「Clue」

女性の課題解決のためのテクノロジーであるフェムテックには、ほかにも不妊/家庭用排卵日検査器/妊産婦のサポートケア/骨盤ヘルスケア/遠隔の診療・治療サービス/生理用品/セクシャルウエルネス…などさまざまなカテゴリのサービスが世界では展開されています。

フェムテック市場マップ

なかでも今回は、昨今のD2C(Direct to Consumer:消費者へ直接販売するモデルを指す)の隆盛も鑑み、女性のヘルスケアアイテムである生理用品にフォーカスを当ててみていきたいと思います。

フェムテック分野での注目企業

THINX

https://www.shethinx.com/
NY THINX(シンクス)

2014年にNYで創業したTHINX(シンクス)。生理期間中でも従来の生理用品をつけずに生活できる下着を開発し、世界中から支持されています。「For People with Period」を掲げ、女性に限らずトランスジェンダーにも考慮されたブランド展開を行っている点も要注目です。

2019年春には日本初のフェムテックセレクトショップである〈Femtech Shop Period.〉にて、満を持して日本でも購入することが可能になっています。これを待ち望んでいた方も多いのでは?

Femtech Shop Period.
https://period-tokyo.com/
日本 フェムテックセレクトショップ「Femtech Shop Period.」

Cora

https://cora.life/
Cora

2019年4月に750万ドル(約8.3億円)の資金調達が記憶に新しいCora。「Modernize Your Period with Cora」をキャッチコピーに生理用品を展開しています。販売チャネルの拡大と商品開発のための資金調達ということもあり、今後の展開が注目されています。

LOLA

https://www.mylola.com/
NY LOLA

Cora同様、オーガニック生理用品を展開するNY発のブランドLOLA。食べ物には誰もがオーガニックであることを気にするにも関わらず、生理用品がオーガニックであることを同様に気にする人が少ないことに注目し、女性2人によりローンチされました。

L.

https://thisisl.com/
オーガニック生理用品ブランド・L.

こちらも同じくオーガニックの生理用品を販売するブランド・L.は、もともと赤十字と国連に務めていた女性フォトジャーナリストにより設立。タイプとサイズを選ぶと毎月の定期購入が可能になるサプスクリプションモデルを採用しています。

ゴールは女性を「エンパワメント」する

昨今注目されているブランドは以上のようなものですが、実はかなり似た点が多いように感じます。具体的にどのような点が似ているのかみていきましょう。

ステレオタイプから解放されるデザインであること

かっこいいウェブサイト、モダンでシンプルなパッケージ、総じて受けるクリーンな印象

上記をみていただき「生理用品」から連想していたイメージと異なる印象を持った人は多いのではないでしょうか。少なくとも、日本のドラッグストアに陳列されるものたちとは大きく異なります。

特に「女の子=ピンク」という既成概念へのアンチテーゼかのごとく、デザインもモノトーンやブルー・グリーン、といった「だれか」を選ばないかのようなカラーを使用していることからもブランドからの意思を感じることができます。

徹底してトランスペアレンスであること

デザインと同じく言及すべきはトランスペアレンス(透明性)です。

各サイトをご覧いただくとお判りの通り、箇条書きの会社概要ではないサービスローンチに至るストーリー、どんな原材料が使用されているのか、どこの国でつくられたものなのか、商品はどのように社会に還元されていくのか…、とにかくページと思考を凝らし、クリアにしたうえで消費者に伝えていることがわかります。

これは消費者とダイレクトに繋がることのできるD2Cならではの特徴。サービスを取り巻く凡ての透明性をもってして、消費者との信頼関係が生まれ育っていくことを彼らは何よりも知っているのでしょう。

また、消費者とのコミュニケーションの距離感が近いことも特徴のひとつ。インスタグラムをはじめとしたSNSの運営については学ぶ点が多いので併せてチェックしてみるとよいでしょう。

消費を通じて「エンパワメント」すること

現在、世界では3億人もの女性が生理用品の代替品としてボロ布やプラスチックなどの使用を余儀なくされており、インドでは4人に1人が思春期に学校を退学せざるを得ません。インド女性の70%が生理用品を購入する経済力がないのです。しかしながら、生理用品を入手できれば女性の退学率は90%削減できます。

こちらの研究結果はCoraによるものです。

共通する点は、消費をすることでそのメリットを享受できるのが消費者のみではないこと。#MetooやTime’s Upなどウーマン・エンパワメントが世界的に広がった土壌がある以上、昨今のD2Cにはこのように消費が一過性のものではありません。

消費することで遠い恵まれない環境にいる女性をエンパワメントすることにつながっていく。このサステナビリティこそ、THINXをはじめとする問題解決から始まったフェムテックの魅力といえるでしょう。

日本初もフェムテック企業は誕生する?

2010年代に入り、LGBT・同性婚など、性にまつわるダイバーシティへの寛容性へと世界が舵きりを進める中で「フェムテック」が生まれるということもまた、自然の流れと言えるでしょう。

一方、2018年現在日本のジェンダー平等ランクは世界149ヶ国のうち110位。G7のなかで最低であり、世界から周回遅れの状態です。

欧米を中心に隆盛をみせるフェムテックの分野で日本発のサービスが未だ生まれていないことは、ジェンダー平等の日本の現状と無関係とは言い難いでしょう。

とはいえ日本発(初)エンパワメントメディア「BLAST」がセクハラ問題や性差別など既存の「女性向け」メディアがタブー視してきた話題に果敢に切り込んでおり、このようなメディアが生まれていることは悦ぶべき傾向といえるでしょう。

市場への投資額が物語っているように、世界規模でのフェムテック市場への期待は今後も強まっていくことが予想されています。令和という新しい時代にこの市場に一石を投じるサービスが生まれる可能性に期待を込め、今後も引き続き注目していきましょう。

参考リンク

Ida Tin(Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Ida_Tin

The Femtech Market Map: 45+ Startups Focused On Women’s Healthcare & Sexual Wellnessf
https://www.cbinsights.com/research/femtech-market-map/

Menstrual Product Startup Cora Raises $7.5M To Expand Sales Channels And Product Offerings
https://news.crunchbase.com/news/menstrual-product-startup-cora-raises-7-5m-to-expand-sales-channels-and-product-offerings/

Meet Molly Hayward: Co-Founder of Cora — Helping Women and Girls Around the World Manage Their Periods
https://amysmartgirls.com/meet-molly-hayward-co-founder-of-cora-helping-women-and-girls-around-the-world-manage-their-be796f47dbc4

Japan ranks 110th among 149 nations in gender equality
http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201812180056.html

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