市場調査の効果的な進め方

マーケティングを進めるうえでは、市場の動向について調査することが欠かせません。技術開発の方向性を定めたり、事業戦略を立案したりするうえでも市場についての理解が不可欠ですが、時間も手間もかかるのでどうしたら良いかと悩んでいることも多いでしょう。

市場調査の費用をもっと抑えたい、短時間で調査を終えたい、人材のロスを減らしたいといった悩みを解決することはできるのでしょうか。

ゴールを明確にして大枠を決めよう

効率的に調査を進めるうえで最も重要なのは、今回の市場調査におけるゴールを明確にすることです。ゴールが決まると必然的に最適な調査の仕方が見えてくるようになります。一般的には市場の動向を調べる目的として既存の商品やサービスに関する販促、新規商品やサービスの開発といった取り扱っている商材に関するものがあります。

また、販売価格についての調査をすることによって適正価格での販売ができているか、これから販売開始をするにあたって十分にシェアを取れるような価格なのかを検証することを目指す場合もあります。

一方、商品やサービスあるいは企業やブランドに関する顧客満足度の調査を目的とすることもあるでしょう。この場合には既存のものを改善する目的で情報を集め、具体的な事業や取り組みを決めるのに用いることになります。

他にもいろいろなゴールを設定することができますが、そのゴールによってどのようなパラメーターを取得できなければならないかが異なります。それに着目して調査の大枠を決めることによって効率的に進めることができるでしょう。

わかりやすいのは市場価格を調査するケースで、競合他社の製品が市場でいくらで取引されているのかを数字によって定量的に調査することが必要です。定量評価は調査の際に重要になるもので、客観的な数値を得られることから明確な形で分析や解析を進めることができ、統計的処理もしやすくなります。顧客満足度も顧客に数字で評価してもらうようにすれば定量化することができるでしょう。

しかし、これから新しい商品やサービスの開発をするための情報調査をしようという場合には定量調査は困難になりがちです。類似製品や人気製品、注目されているサービスなどの利用者数や価格などを数値化することはできます。

ただ、例えばこんなサービスがあったらどうかと考えたときに、そのサービスに対して消費者がどのような印象を持つのかを知って改善を図りたいという場合には、感情も込めた意見を聞いた方が良い結果が得られると考えられるでしょう。

このような場合には定性調査をするのが重要になり、どんなキーワードが盛り込まれていたかを統計的に分析するなど、工夫をして目的に生かしていくことになります。実際にはこのようなケースでも結局このサービスがもし実現されたとしたら利用するか、いくらだったら利用しても良いかという問題もあるでしょう。

このような場合には利用する可能性を数字で答えてもらったり、いくらまでなら利用するかを提示してもらったりすれば定量評価が可能です。つまり、目的に応じて定量調査をすべき項目、定性調査をすべき項目をリストアップすることが重要になります。挙げられた項目があれば目的を達成できると考えられるリストを作り上げましょう。この準備をきちんとおこなうことによって、スムーズに調査を進められます。

リストに基づいて手段を決めよう

リスト

ゴールを達成するのに必要な項目を列挙したリストができたら、その項目に応じて適切な調査方法を選定するのが大切です。むやみにいろいろな調査の仕方を組み合わせても時間も労力もコストもかかってしまって効率は上がりません。項目をいくつかのパターンで分類していき、分類数を最小限に抑えられるようにすると調査の仕方を減らすことができ、費用対効果が飛躍的に高まります。

分類の仕方にもさまざまなものがありますが、一般的におこなわれているのは調査の基本的なやり方ごとに分類していくか、ターゲットによって分類していくかの二つです。

市場調査をするときによく用いられている手法はインタビュー調査、アンケート調査、店頭調査、ホームユーステストに大まかに分けることができます。

インタビューは顧客と対面や電話、ウェブ会議などによって情報を直接聞き出す調査です。一対一でもおこなえますが、グループインタビューをするやり方もよく選ばれています。

アンケート調査はアンケートに答えてもらって統計的に処理するやり方で、インターネットや郵送による調査に加え、街頭調査やFAX調査、訪問調査や電話調査などもおこなわれています。インタビューとアンケートは訪問調査や電話調査なら同時におこなうこともできるのでよく併用されています。

店頭調査は買い物をしている様子を店頭で見たり、販売価格を確認したりするやり方です。以前は担当者が足を使って店頭を回ることが多かったですが、現在ではクラウドソーシングなどを利用して消費者に依頼し、店頭価格の調査と自身が買ったものや利用したものを報告してもらう方式もよく用いられています。ミステリーショッパーはこの応用に相当するもので、覆面調査をしてもらうことでサービスの実態を確認するのに役立ちます。

ホームユーステストはインターネットなどによって消費者の募集をかけて、試作品や商品を使ってもらって感想を聞く調査の仕方です。オンラインで完結する方式が広まってきていますが、もともとは調査員が後日訪問して聞き取りをするのが一般的でした。アンケート調査と類似した結果を得られるのが特徴で、確実に使ってみた人からの感想を聞けることや市場で販売されていないものについても感想を聞けることが魅力です。

ターゲットによる分類では顧客を細かく分けていくということはあまりおこなわず、顧客、店舗、競合他社といった形で分類をするのが通例です。その中のどこを舞台にして調査をすれば良いかで分類することにより大枠を定めることができます。

このようにして分類をすると、最小数で必要項目を全て満たせる方法が見い出せるようになります。分類方法は他のものを選んでも問題はありませんが、複数の調査方法を実行して、最適な調査方法を導き出すことが重要です。

自社実施と外部委託を使い分けよう

調査

市場調査を効果的に進められるようにするには外部リソースも活用するのが合理的です。自社実施と外部委託の切り分けをしてどのようにして進めていくかを明確にしましょう。自社リソースを使った方が柔軟な対応ができるのは確かですが、アンケート調査のように内容さえ決めてしまえばむしろ母集団を確保するのに長けている調査会社を利用した方が信頼できるデータを得られる可能性もあります。

うまく両者を使い分けて、最終的に必要なデータがほぼ同じ時期に手に入るようにしましょう。データが集まっていないために、早期に調査を終えたデータが無駄になってしまうのは効率を下げる原因になります。必要に応じて複数社に外部委託して調査を進めましょう。

市場調査を効果的に進めるにはゴールを明確にして大枠を決め、調査が必要な項目を具体的にリストアップする準備が大切です。そのうえで項目を複数の方法で分類していき、最小限の数の調査で必要なデータを集められるようにしましょう。

実施する段階になったら自社実施と外部委託を組み合わせるのが効率的です。委託先の数を調節することによって最終的にデータが同時期に集まるようにして、スムーズに目的の達成に向かって進めるようにしましょう。